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 怒り全開な声でそう叫ぶと、イシュタムの方へと向かっていく。

「ん~だって~、そこの美少女が助けてくれって言うんだもの~」

「はぁ? なんで蒼真がそんなこと言うのよ!」

「だって~アナトってば殺そうとしてたでしょ~?」

「なんで、私が蒼真を殺さなきゃいけないのよ!」

 アナトが俺を指さす。

「いや、殺されかけた」

 ここは、はっきりと言うべきだよな。マジで死ぬかと思ったしな……。ナーナさんのときはものすごく気持ち良いというのもあったから、プラマイゼロだったけど、今回は苦しいだけだったからな……。

「え? 嘘でしょ?」

 アナトが、信じられないというような顔をした。

「こうやって、俺の襟元を掴んで締め上げて殺そうとしていた」

 アナトがやっていたのを真似てみせる。

「あ、あれは……ちょっと熱が入っただけで、殺そうなんて思ってなかったわよ……」

「ふーん……」

「本当よ!」

「まぁいいけど、一つ貸しな」

「貸しってなによ?」

「貸しは貸しだよ。いつか返して貰うから」

 俺の言葉に、アナトはなにかつぶやいている。まぁ、アナトはとりあえず置いておくとして、問題はこっちだよな……。イシュタムとかいうゴスロリっぽい女神。何の躊躇もなくアナトを殴ったっぽいんだよな……。そんな物騒な奴、神さまでも側に居るのはいやなんだけど……? どうすればいい? かなり複雑な表情でイシュタムを見てみるが、向こうは何も気にしていない表情をしている。

「蒼真、それよりもちょっと……」

 イシュタムを見ながら考え込んでいると、急に腕を引かれた。見ると、アナトがこっちに来いって感じで俺の腕を掴んでいた。

「なに?」

 少しイシュタムから離れ、何事かとアナトに尋ねる。

「このままだと、あいつが付いてくるけど、どうする?」

「どうするも何も、俺は特に何もされてないから、よく分かんない」

「いや、あいつがサボったせいで、私は間違えることになったんだけど?」

「そうだけど、でも、代わりに弟は助かったし、俺は俺でここに異世界転生できて、超美少女になれたわけだし……いや、せっかくだから、イケメンになりたかったが、それはもうこの際どうでもいい」

「え? じゃあ、蒼真はあいつと一緒でもいいってこと?」

 うーん、それには返答しにくいんだよな……。

「あのイシュタムって、どういう奴? さっき、躊躇無くアナトを殴ったみたいなんだけど……」

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