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「色々と手違いがあって、その説明に来たのよ」

「はぁ」

「とりあえず、お前はもう死んでいる」

「それ、さっき聞いた」

「まぁ、手違いで、死ぬ予定じゃなかったのが死んだので、色々あって今こうなったって感じ?」

 その色々ってなんだろう? というか、俺は死んで異世界に転生したって設定なのか?

「ということで、色々とあきらめてこの世界で生活をするように」

「最近、よくある設定だよね」

「そう? まぁ、分かってくれたのならそれでいいわ」

「うん」

「じゃあ、そういうことで!」

 微少女改めアナトが軽く手を上げ、颯爽とドアへと向かった。うーん……。まぁ、異世界転生は分かったけど設定がつまらないよな。それで、俺の特殊能力ってなんだ?

「あ、忘れてた」

 そう言い、アナトが戻ってくる。

「これにサインして」

 目の前に何か書かれた紙を出し、一ヶ所を指差している。ここにサインって、俺の名前を書くんだよな? それって、どっちの名前? というか、この紙って何? 何が書かれているのか見ようとしたら、アナトがいきなり手にした紙を自分の後ろに隠してしまった。

「それ、何?」

 俺は疑問を口にするが、アナトは紙を見せてくれない。

「いいから、サインして!」

「ふっ……」

「な、なによ! その顔!」

「内容も分からないのにサインする馬鹿がいるか?」

 そう、ここは夢の中だ。普段なら言えないことも、スラスラと言えてしまう。リアルの俺なら、何も言い返せずに黙って言われたとおりにサインしただろう。だが、今は違う。

「べ、別に変な内容じゃないわよ」

「じゃあ、見せて」

 俺は、ベッドから降りるとアナトに近づいた。アナトは、紙を後ろに隠したまま後退る。俺が前に進むと、アナトが後ろに下がる。それを何度か繰り返して、アナトはついに壁にぶち当たった。リアルの俺なら、こんな強気な行動って出来ないよな。夢ってやっぱ凄いわ。

「もう、今日はいいわ」

 そう言い、後ろに紙を隠したまま、壁に沿ってアナトは横移動を始める。

「明日、また来るから!」

「ちょっと待って」

 ドアに向かうアナトに向かって、通称、壁ドンをする。イケメンのみが許される、超必殺技だ。一回ぐらいやってみたいと思っていたけど、俺、今は女の子みたいだし……なんだか微妙? でもまぁ、夢だしこれでもいいか。

「な、なによ?」

「その紙、見せて」

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