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「ミーナおねえちゃん? どうしたの? どこかいたいの?」

 ミミが、心配そうに俺を見上げてる。

「あの、かわいそうなおねえちゃんにいじめられたの?」

「違うよ。ちょっと、考え事してただけ。あのおねえちゃんにも、いじめられてないよ」

 そう答えたとたん、いきなりミミの身体が崩れ落ちた。

「ミミ!」

 なんだ? いったい、どうしたんだ? なにか病気か? それとも、俺、なにかしたか? それよりも、こんな時はどうすればいいんだ?

「ミミ? ミミっ!?」

 必死に呼びかけるが、なんの反応も無い。えっと、揺さぶったりとかはダメなんだよな? 頭をぶつけてたりとかあるかもしれないし……。

「大丈夫よ」

 腰に両手を当てて、仁王立ちしているアナトがそう言った。

「大丈夫って……お前がなにかしたのか!?」

「ちょっと眠って貰ってるだけよ」

「眠って?」

 改めてミミの顔を見てみる。かなり穏やかに寝息を立てていた。

「話をするのに、色々と都合が悪いでしょ」

「確かに……」

 だからって、いきなりはないだろ? なんか前もって言ってくれよ……。心臓が止まるかと思った……。

「とりあえず、その子をベッドへ連れて行く?」

「あぁ」

 とは言え、ミミのベッドってどこだ? あまり広い小屋じゃないし、ベッド自体はすぐに見つかるだろうけど、どれがこの子のかは分からない。仕方がない。俺が寝ていたベッドに運んでおくか。あそこなら、話してる最中に寝ちゃったとかなんとか言い訳できるだろう。

「俺が寝ていたベッドに運ぶから、待ってて」

 アナトにそう言い、俺は自分が寝ていた部屋へと向かった。なぜか、アナトも付いてくる。気にせずに部屋に入り、ミミの身体を静かにベッドの上に置いた。

「アナト」

「何?」

「ミミは本当に大丈夫なんだな?」

「ええ。ただ寝てるだけよ。話が終わったら、ちゃんと目を覚ますから」

「なら、いい……」

「じゃあ、明日にはここを出るから準備よろしくね」

「へっ?」

 明日? ここを出る? いったい、どういうことだ?

「ちょっと長い旅になるから、しっかり準備しておいてよ」

「あの……」

「ん? 何?」

「明日とか、ここを出るとか、旅とかどういうこと?」

「あーだって貴方、書類を破壊しちゃったんだもの」

「書類? 破壊?」

 もしかしなくても、書類って昨日の白紙のことか? それにしても、破壊って変な言い方だよな……。

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