三
俺が少し考え込んでいると、妹と思われる女の子が不安そうな顔をした。なので、俺はすぐに差し出された果物を口にした。そのとたん、もの凄く嬉しそうな顔をする女の子。
「ありがとう。美味しいよ」
礼を言うと、更に女の子の顔がほころんだ。そして、驚いた顔をするその他の家族達。えっと……やっぱり、姉妹でもこういうことはしないものなのか?
「ミミも、ありがとうだよ」
妹だと思われる小さな女の子がそう言った。ミミって名前かな? 可愛いな……。俺も、妹が欲しかったぜ。なんとか、周りの視線をスルーして食事を終える。食事が終わったら、お父さんは外へ出て行った。ナーナさんとお母さんも支度を始めた。
「じゃあ、森へ行ってくるからミミのことお願いね」
そう俺に言うと、お母さんはナーナさんを連れて出て行ってしまった。森へ行って何をするんだろう? 悩んでいる俺のワンピースの裾が引っ張られる。なんだろう? と思い見てみると、妹確定のミミが居た。
「ミーナおねえちゃん、だいじょうぶ?」
「ん?」
大丈夫? って何がだろう? 体調かな? それにしても、こんな可愛い妹にお姉ちゃんとか呼ばれるとクルな……。お兄ちゃんじゃなくても、破壊力が凄いぞ。もう、思いっきり抱きしめたいぐらい可愛い。
「大丈夫だよ」
安心させるように答えると、ミミは嬉しそうに笑った。いい……。妹って、ちょーいい……。俺も妹が欲しかった……。って、この子は俺の妹だよな? そうだよな? ってことは、この子をたくさんかわいがってもいいんだよな? もしかしなくても、抱っことかしてもいいのか? いいんだよな? ミミを抱っこしようとする俺と、ヘンタイと心の中で叫ぶ俺がせめぎ合っている。
突然、大きな音がして、俺とミミそろってそちらを見る。そこには微少女? のアナトが仁王立ちで立っていた。あの凄い音は、ドアを開けるときの音だったのか。
「あ、かわいそうなおねえちゃん」
「かわいそう?」
アナトを見たミミがそう言った。
「うん、むねがかわいそう……。ナーナおねえちゃんみたいじゃないから……」
うんうん。子供は正直だ。
「ちょっと! なに言ってんのよ! 胸の大きさなんて関係ないでしょ!」
「子供にも分かるぐらい、かわいそうな胸ってことは、自覚してるんだ」
「うるさいわね! そんな態度なら帰るけど?」
「あ、すみません……。ごめんなさい……。帰らないでください……」
「ミーナおねえちゃん?」




