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「ありがとう」

 礼を言い、タオルのようなものを受け取る。すぐに顔を拭くが、なんだかゴワゴワした布だ。それでも、顔の水分は拭き取れたから、気にしない。

 さて、次は朝飯だ。腹が減っては戦は出来ぬと言うし、アナトが来る前に万全な状態でいたいからな。期待に胸を膨らませ、小屋の中に戻る。そういえば、俺の胸はナーナさんと比べると、ちょっと寂しいよな……。ちらりと視線を下に落として見る。でもまぁ、アナトには余裕で勝っているし、これだけあればいい方なのか? ナーナさんが凄すぎるだけだよな。

 少し、浮かれ気分で食卓に着く。目の前には、昨日と同じ変な形の硬そうなパン、スープ、野菜と果物らしきものがあった。いや、朝からステーキとは言わないが、もう少し腹に溜まりそうなものってないのか? 昨日の晩飯がイマイチだったので期待をしすぎたのか、とてもガッカリな朝食だった。それでも、野菜と果物みたいなのがあるから、少しはマシか……。

 俺の新しい家族? が揃って朝食を食べ始める。俺もそれに続く。そういえば、家族そろっての食事って何年ぶりだろう? 自分の家族だと、こんなに穏やかに食事を一緒に食べるって事は出来なかったな。やっぱり、本当? の家族じゃないからだろうか? とは言っても、この身体の本当の家族だから、なんだか微妙なんだけど……。やはりまだ、実感が無いっていうか夢みたいというか、不思議な感覚っていうのも大きいと思う。

 朝食を口に詰め込む俺を、家族達がジッと見つめてる。ヤベっ、もっと上品に食わないとダメだよな……。この身体、女の子だもんな。少し食べるペースを落とし、少しずつパンや果物を口に運んでいく。

「ミーナ、お腹減ってるならたくさん食べて良いのよ」

 お母さんが俺に向かって嬉しそうに言った。すぐに、ゴツイおっさんってやっぱりお父さんだよな? は静かに頷く。お父さん? あまりしゃべらない人なのか? 少し観察をしながら食事を進める。ふと、小さな女の子が俺を見てることに気が付いた。そっちに視線を向けると、嬉しそうに笑いながらフォークに刺した果物を俺に向かって差し出した。これ、食えってことか? この子は妹だよな? 小学校低学年ぐらいだし、ナーナさんやお母さんに似ているし、たぶん妹? 姉妹だと、こういうプレイもあるのか? って、プレイってなんだよ! 

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