十四
気まずそうにアーサーが入ってくる。んーまぁ、昨夜のことまだ気にしてるんだろうな……。俺は一度、美味しかったし、気にする必要は無いことを伝えたんで、まぁいいか。イシュタムは、食べまくっているし、俺も気にしてない。アナトはどうだか分からないけど、たぶん大丈夫だろう。なんと言っても、イケメン好きだし! 俺は、気にせずにご飯をたべた。アーサーも、気まずそうに席に付き、朝食を食べ始める。
「そう言えば、昨夜の美味しかったわよ」
アナトがそう言った。
「ありがとうございます。もう少し、考えて持っていくべきだったと反省しています」
アーs―の言葉に、アナトが考え込む。
「あー蒼真のことね……気にしなくていいわよ」
アーサーが曖昧な表情を見せた。ま、気持ちは分かる。
「美味しいものは大歓迎だから、どんどん持ってきてね」
「はい」
少しは、アーサーも肩の荷が降りたかな。と、言う顔をしている。
「え~なになに~美味しいもの~?」
突然、イシュタムが話に入ってくる。
「そうそう。美味しかったよ」
俺がアーサーの後押しをする形になった。「私も~食べたいな~」
「イシュタムさんは、もう食べているはずですが?」
「ん~?」
あれ? イシュタムもう食べているの?
「昨日の晩ご飯ですよ?」
晩ご飯って、アーサーが用意したものじゃ
なかったの?
「あー~あれね~美味しかったよね~」
「昨日は、晩ご飯がここの名物だったので、それをお持ちしました」
なんだ。そうだったのか……。
「んで~それが~どうしたの~?」
「蒼真が、お腹いっぱいなのに食べてしまって、満腹で眠くなったの。ということで、今日は、歩きながら講義をするからね」
「へい……」
俺は、仕方がないという感じで、返事をした。あぁ、もう一日休みにならないかな……。まぁ、ならないよな……。そんなことを考えて、朝食は終わった。
俺はひたすら歩く。頭に色々と詰め込みながら歩く。
「やっぱ、歩きながらだと、頭に入らないな……。と、言うことで、休も?」
「さっき、休んだばかりじゃない」
「ほら、俺、元ニートだし!」
アナトはため息を吐いた。
「じゃあ、ちょっとだけよ……」
「やったー!」
俺はすぐに、皆が座れるところを探した。ちょうど良いところが見つかり、そこで休む。
「休んでいる場合じゃないでしょう?」
なんだよーアナト……。ちょっとぐらい休んだっていいじゃん! と思ったが、講義が始まったので、真剣に聞く。