十三
俺は、昨夜のことを思い出していた。そういえば、晩ご飯を食べた後、ものすごーく眠くなったんだけ……。美味しかったなぁ。晩ご飯。
「とりあえず、顔を洗ってくる……」
「はい、いってらっしゃい」
俺は、顔を洗いにアナトの早を出た。欠伸をしながら、洗面台へ向かう。途中「、アーサーにあった。
「おはよう」
「おはようございます」
アーサーが俺を見た。
「すみません、昨夜は邪魔をしたみたいで……」
「うん? あぁ、ご飯のこと……。別に気にしてないよ……」
俺は、実際に美味しかったので、気にしないように伝えた。
「すみません……。貴重な時間を奪ってしまって……」
「ん? いいって……」
俺は顔を洗う。
「美味しかったし、それはそれでよし」
俺はまだ寝ぼけているので、何を言っているのか分からない。ただ、昨日の晩ご飯が美味しかったのは、覚えている。
「はい……」
実際、美味しかったし、問題はない。
「それより、アーサーは眠れた?」
「はい」
「そう、それなら良かった」
うん、俺のことを気にして眠れないんじゃないかと思ってた。それにしても、アオサオっていいやつだな……。お腹いっぱいで寝てしまったこと、気にしてるなんて……。
「んじゃ、後でね」
俺は、アーサーにまた後でと言った。
「はい」
アーサーの返事を聞きながら、俺はアナトのところへ戻った。戻ると、アナトがボーっと外を見ている。
「どうしたの? アナト」
「んー、なんとなくね……」
アナトは、なんだか寂しげに言った。
「変なの」
俺が、笑うとアナトも笑った。
「さーて、今日は忙しいわよ……。なんていっても、昨夜、寝てしまった分、今日、移動しながら覚えないとね」
「えー、今日も休みじゃないのかよ……」
俺は、不服を言う。でもまぁ、そんなに嫌じゃない。
「そうよ、覚悟しなさいよ!」
「はーい」
俺とアナトは、朝飯を食べに行った。イシュタムも食事に出てきている。
「今日は~お休み~?」
「違うわよ」
アナトがそう言うと、あからさまにがっかりした顔を見せる。
「じゃ~空間魔法~覚えたの~?」
「んー、あとちょっとってところかな?」
「そっか~」
イシュタムはそのまま朝ごはんを食べる。気持ちの良いぐらいの食べっぷりふだ。そして、アーサーが現れた。
「おはようございます」
「おはようございます!」