表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

141/147

十二

 アーサーは、相変わらず優しいな。俺が女の子なら、喜んでプロポーズを受けたのに……。

「あ、美味しい!」

 俺は、口に入れたものが、ものすごく美味しくて、素直に美味しいと言った。

「どれどれ……」

 アナトも俺の美味しいに釣られるように、口に含む。

「あら、本当! ものすごく美味しいわ!」

 アーサーがホッと一息ついた。

「美味しくて、良かったです」

「アーサーって、美味しいものにも詳しいよね?」

「まぁ、国内のことでしたら、名物や名産ぐらいは、知っています」

「ふーん……。だから、アーサーは美味しいものを知ってるんだ」

 アーサーがなんか照れている。可愛い。

「とりあえず、持ってきたものは全部、ここらへんの名産なので、食べてください」

「はーい!」

 俺たちは、ご飯を食べた。食べすぎて、ちょっと身体が動かない……。しかも、眠い……。うーっ、どうしよう……もうちょっとで、なにか掴めそうなのに……。

「眠いなら、寝る?」

 アナトがそう言ってきた。

「でも……後少しで。なにか掴めそうなのに……」

「そのまま、眠いのに頑張っても、ものにならないから、寝たほうが良いよ」

 アナトの言うことも分から。もう寝ちゃおうかな……。

「すみません……。私のせいで……」

「あぁ、ううん……。アーサーのせいでは無いよ……。実際、すごく美味しかったし……」

 アーサーが気にしてる……。でも、眠い……。どうしよう……。

「アナトは眠くないの?」

「んー。人間と同じように眠くなったりしないから、分からないわ」

「そっか……」

 うん。もう寝よう……。寝る支度とかいいや……。明日の朝で……。

「眠いから寝る……」

「そう。お休み」

 俺は、目の前にあるアナトのベッドに潜り込む。

「ちょっと! 今日も泊まって行く気!」

「うん……」

「それでは、私はこれで……」

 アーサーが、部屋に変えるつもりだ。

「アーサーまたねー」

 俺はアーサーにまた空いたという意味で言った。

「はい」

 そう答えると、アーサーは部屋を出ていく。「本当にもう、仕方がないわね」

 アナトがなにか言ってる。もう殆どの意識が、眠気に負けている。俺の意識は、暗闇に引きずり込まれた。


 朝、なんかの鳥の泣き声で目が覚める。

「おはよう……。アナト……」

「おはよう」

 爽やかな挨拶が返って来た。

「俺、寝ちゃった?」

「眠いっ言って、そのまま寝ちゃった」

「そっか……」

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ