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十三

 ナーナさんと共に、玄関と思われるドアへと向かう。少しだけ外を知ることが出来る期待感と、ナーナさんと一緒にトイレという状況に、俺の胸は高鳴った。

「暗いから気をつけてね」

 ナーナさんの言葉通り、ドアを開けた先は真っ暗だった。街の灯り一つ見つけることが出来ないほどの暗闇。もしかしてここって山奥とか? ふと空を見上げると、地上とはうらはらに、もの凄い数の星が煌めいていた。暗い夜空を彩るように多くの星で埋め尽くされ、まるで光が振ってきそうな気がする。こんなたくさんできれいな星空、始めて見た。

「ミーナ? 大丈夫? これ、履いてね」

「え?」

 ナーナさんは、手にしたサンダル? のようなものを俺に差し出してきた。

「やっぱり、調子悪い?」

「え? あ、大丈夫」

 そういや俺、裸足だった。まぁ、ベッドに寝てたしその辺は仕方がないよな。ってか、こっちでは家の中でも履き物が必要なのか? とりあえず、俺は差し出されたサンダルもどきを履く。

「こっちよ」

 別方向に向かおうとしていたらしい俺を、ナーナさんが止めてくれた。

「ミーナ? 本当に大丈夫?」

「う、うん……。でも、ちょっと記憶が色々と曖昧で……」

 そう答えたとたん、俺は再びナーナさんの柔らか殺人兵器の犠牲になる。

「そうよね……。ほんのちょっととは言え、死んでたんだし……。大変よね……」

「あ、あの……くるしい……です」

「あ、ごめん」

 死ぬ前に柔らか殺人兵器から解放された。こう一日に何回もされていると、マジこれで死ぬんじゃないかと思える。

「じゃあ、ここで待ってるね」

 掘っ立て小屋? なんか超簡易制作の小屋? と言っていいんだかどうだか分からないところへ連れてこられた。ここがトイレ? ま、まぁ、田舎の山奥ならこんなのもあるよな。って、それよりもここで待ってるって言わなかったか? ナーナさんがすぐ側にいるのに、用を足すのか? ナーナさんとトイレと思われる建物を交互に見比べる。どうしたの? って感じで、ナーナさんが俺を見ている。とりあえず、何か話しかけられる前にトイレに行くか……。

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