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「んじゃ、お願いしようかな?」

「はい、分かりました」

 アーサーが昼飯を持って来てくれるので、アナトがご機嫌だ。

「アナト……やっぱりアーサーがお昼ご飯を持って来てくれると嬉しい?」

アーサーがいなくなった途端。聞いてみた。

「そりゃ、嬉しいわよ……。なんと言ってもイケメンが給餌してくれるのよ。イケメンは、世の宝よね……」

 とろけた表情でそう言った。なんだよ……イケメンって……。俺だって成れるなら、アーサーみたいなイケメンになりたかったわ……。とか思いながら、イケメンが持ってきた昼飯を食う。しかし、朝ご飯が遅かったのか、あまり入らない……。女の子って、こういうとき不便だな……。

「美味しいけど、朝が遅かったから、あまり入らないわね……」

 お、アナトも同じか! なんとなく嬉しくなった。

「うん」

 まぁ、食べられないのは、仕方がない……。俺は、食べるのを途中でやめ、勉強を始めた。

「あら、ずいぶん熱心ね……」

「うん……。もう、昼飯が入らないから……」

 アナトがため息を吐く。

「まぁ、今は、女の子の身体だもんね……」

 自分もお昼ごはんを置き、再びため息を吐いた。

「しょうがないよ……」

 俺は、一瞬だけ、この女の子の身体を疎ましく思った。美味しいご飯が、そんなんい食べられないなんて……。まぁ、疎ましく思っても、仕方がないんだけど……。

「まぁ、とにかく勉強しましょう」

「うん……」

 仕方が無しに、勉強を始める。それにしても、大学時代だって、こんなに勉強したか? というぐらい勉強している。

「蒼真は、勉強が好きなのね」

 とうとつにアナトが変なことを言った。

「へ? なんで?」

「だって、一生懸命勉強してるでしょう?」

 あぁ、なんだ今の勉強を見てか……。

「そりゃ、別次元に荷物を移動させたいからね」

「ふーん……。そっか……」

 アナトがニヤニヤする。

「なっ、本当だってば!」

 そりゃ、どっちかって言うと勉強は好きだよ? でも、本当に今は、別次元に物を動かしたいってそのために勉強してるんだよ? そう言っても、アナトは聞かない。まるで、人をガリベン扱いだ。

「まぁ、いいわ。ちゃっちゃと進めましょう」

「あぁ……」

 んー。でも、どうしても、分からないところがあるな……。なんだか、頭が煮詰まっているみたいだ。

「少し、休みましょう。その方が、飲み込みもいいし……」

 アナトが休憩を申し出た。正直、助かった。このままだと、頭がパンクしてしまう……。

「お茶飲む?」

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