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「本当に、怒って無い?」

 アナトが笑った。

「怒るもなにも、世界が違う人だからね。彼が亡くなっても、私はこのまま生きるのよ?

「そっか……」

 でも、アナトってイケメン好きだよな……。

「あ、イケメン好きなのは別よ、見ていて癒されるじゃない」

 おっと、心でも読んだ? すごいナイスタイミング! でも、なんだか悲しいな……。世界が違うから、諦めないといけないなんて……。

「まぁ、蒼真は今、美少女なんだし、アーサーが惚れるのも仕方がないって……」

「違う! 俺が他の国へ行かないようにだって!」

 アナトがニヤニヤしている。

「本当に違うんだって!」

「そう思っているのは、蒼真だけかもね」

「え?」

 今、なんつった?

「さあ、本格的に空間魔法をやるわよ!」

「うん……」

 俺は、気になって仕方がない。さっき、アナトが言ったこと……。

「んもう! 聞いてる?

「え? あー……」

 やべっ、聞いていなかった……。

「もう!」

「あー、うん。もう、大丈夫!」

 俺は、慌ててアナトの方を見た。

「なんだか、もう眠いみたいだから、明日にする?」

「いいの?」

「まあね」

 俺は少し考える。

「明日は、休み。空間魔法を教えないとだから……」

「え?」

 そういえばアナト……。エルフのときに遠回りしてくれた……。なんだかんだ言って、優しい……。ごめんよ。乳が小さいなんて思って……。

「ありがとう……」

「どうする? 自分の部屋に戻る? それとも。ここで寝る?」

「ここで寝る!」

 アナトとは、これでお別れかもしれないと思うと、少しでも長く一緒に居たかった。

「よし! じゃあ、寝る準備をして、枕を持って来ないとね」

「うん。分かった!」

 俺は、急いでアナトの部屋を出ていった。


 次の日、空間魔法を覚えるために、一日、休みになった。よし! ここで覚えて、あの別次元に物を収納する魔法を覚えるぞ! 俺は、勢い込んだ。それにしても、アナトは朝が早いな……。俺、張り切っていて、朝はかなり早く起きたんだけど、それでも起きている。もしかして……俺、寝相が悪いとか? それとも、イビキをかくとか? なんか、ヤバイことしてるのかな?

「アナト……ちゃんと眠れた?」

 思わず、聞いてしまう。

「あら、言ってなかったかしら。私、寝ても寝なくてもいいのよ」

「へ?」

 今、なんと? 寝なくても良いとか言ってなかった?

「だから、気にしないで」

「う、うん……」

 寝なくても良いって、なんて便利な身体なんだ……。

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