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 俺は溜め息を吐く。俺、まったく病気のことや、大きな怪我のことなど分かんないからな……。

「蒼真が医者なら、出来るよと教えても良かったんだけどね……」

「すいません……。ただのニートで……」

 クスッとアナトが笑う。

「本当だよ」

 俺も笑った。

「やっぱり、病状とか症状とか分からないとダメなの?」

「そうね。分からないと、どうにも出来ないでしょう?」

 まぁ、言われてみればそうだ。

「じゃあ、透視? 身体の中を見ることは出来ないの?」

 アナトが上を向いて考える。

「正確には……分からない……。でもたぶん、無理だと思う」

「そっか……」

 まぁ、身体の中を見れたって、症状について理解していないと、どうにもならないあからな……。

「んじゃ、治すの軽い切り傷ぐらいにしておく」

「それがいいかもね」

 アナトと二人、ベッドに腰掛けながら色々と話した。でも、肝心なことは話せなかった。このまま、お別れしちゃうの? どうしても、その言葉が出てこなかったのだ。そうして、夜はふけていった。


 朝、俺が起きたときには、アナトはもう起きていた。

「おはよう、蒼真」

「ん……おはよ」

 俺とアナトは、朝の挨拶をする。

「今日、出発だよね?」

「そうよ、だから、蒼真も早く支度しなさい」

「はーい」

 俺は返事をして、顔を洗いに行った。アナトってば、早起きだな……。俺は、欠伸をする。顔を洗いに来ると、そこにはイシュタムが居た。

「おはよう」

「おはよう~」

 俺は、イシュタムと朝の挨拶を交わした。

「今日、出発するんだって……。だから、必殺技は今日が無しで」

「え~ないの~

「うん」

 俺は顔を洗う。

「うーん~もうちょっと~なのに~」

「なに? 必殺技?」

「うん~」

 必殺技かぁ……。正直、どれも今までのと変わらないんだよな……。必殺技と言えるのか……。いや、本人は、必殺技のつもりかもしれない……。まぁ、だから、そっとしておこう。うん、俺って大人だ。

「ところでさ……」

「なに~?」

 俺は、アナトに聞けなかったことを聞こうとした。

「あー、やっぱり、いいや……」

「変なの~」

 やっぱり、聞けなかった。

「それよりも、早くしないと朝飯が!」

「食べそこねる~」

 顔を洗い終わった俺とイシュタムは、急いで食堂へと向かった。

 食堂にはアナトとアーサーがいる。

「アーサーおはよう。早いね」

「おはようございます。そうですか?」

「うん」

 アーサーは、すでに並べられている食事を前にして答えた。

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