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「本当? じゃあ、枕を持ってくる!」

 俺は急いでアナトの部屋を後にし、自分の部屋へ向かった。でも、一緒に寝たからと言って、ことがなにか変わる訳じゃない。それに、アナトが良いって言ってくれたのは、俺が今、女の子の身体だからだ……。もし、男だったら、絶対に良いとは言わないだろうな……。でも、俺もアナトみたいな微妙な乳の女の子は……。そんなことを考えているうちに、部屋に着いた。俺は枕を手にし、急いでアナトの部屋に戻る。

 やっぱり、ちゃんと聞いた方がいいんだろうか……。でも、聞いたからってどうにか出来る訳でもないし……。俺の考えは迷っていた。迷っているうちに、アナトの部屋に着く。俺は、アナトの部屋をノックする。

「いらっしゃい」

「枕、取ってきた!」

 俺は、枕を見せびらかす。アナトは俺を招き入れる。

「どうしたの? 急に……。今まで、そんなこと言ったことないのに……」

「うん……。もう、目的地に近いだろう……? だから、なんとなく!」

 やっぱり言えなかった。

「なんか、子供みたい」

 アナトが笑っている。別れること、寂しくないのかな? アナトたち女神には、別れとか当たり前なのかな? 俺は、ジッとアナトの顔を見る。

「なに? なんか付いてる?」

「いや……」

 俺は、アナトから顔を反らした。

「明日は早いし、もう寝る?」

「もうちょっと話ししたい……」

「そう?」

 でも、話がしたいと言っても、別れについて話が出来る訳じゃない……。

「うん」

 俺は、笑顔を作った。

「そういえば、初めて会ったときのこと覚えてる?」

「生意気なニート?」

「酷い!」

 アナトも笑う。

「そういえば魔法……」

「ん? 使えるようになったでしょう?」

「うん……まぁ……時空魔法? 以外は……」

 アナトもなにか考えている。

「まぁ、あれはね……。でも、初級の魔法なら、なんとかなったでしょ?」

「まぁ……」

 でもさ、もっと色々と使いたいよ……。

「あ、そういえば俺、回復魔法が使えた!」

 ベッドの端に座り込みながらそう言った。

「とは言っても、真皮や表皮、血管を繋げるぐらいだけどね……」

「あら、でも凄いじゃない」

 ん? あんまり驚いてない?

「もしかして、俺が回復魔法を使えるって、知ってた?」

「うん。まあね」

 アナトは普通の顔をして答えた。

「えー、なんで教えてくれなかったの?」

「医者じゃないから?」

「やっぱりそれか……」

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