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 あ、まだ必殺技の話しだった……。助かった……。

「えー紅い薔薇?」

 うん。適当に言ってみた。もう、流石に眠いし、切り上げよう。

「紅い薔薇か~。ブラッディ・ローズ~? とか~?」

「うん。そうだね」

 イシュタムが考えている。

「もう、遅いから寝るよ……」

「あ~、うん~。もう少し~必殺技に付いて~考えてみる~。おやすみ~」

「はい。おやすみー」

 俺は眠いのもあって、さっさと部屋に戻った。イシュタムがその後、どれだけ考えて居たのか知らない。


 次の日の朝、イシュタムが居ない。どうせ、遅くまで厨二な必殺技の名前を考えていたんだろう……。

「おはよう」

 俺は、アナトに挨拶をした。アナトがこっちを見る。

「おはよう。蒼真。ねぇ、イシュタム知らない?」

「んー。まだ寝てるんじゃないの?」

 俺は欠伸をしながら答えた。

「それが、居ないのよ……」

「へっ?」

 俺の朝の眠気が吹き飛んだ。

「え? だって……俺、遅くまで必殺技について語っているイシュタムを見たよ?」

「そうなの?」

「うん……」

 アナトが考える。

「変ね……。朝ごはんの時間になっても居ないなんて……」

 二人で考えて居るところに、アーサーがやって来た。

「ねぇ。アーサーは、イシュタムがどこへ行ったか知らない?」

「いえ。知りませんが……」

「そう……」

 またアナトが考え出す。

「とにかく。イシュタムのことだから、お腹が空いたら帰ってくるって……」

「そうね……」

 やっぱり心配なのかな? 最初の頃は、変な奴なんて思ってごめんよぉ。だって、躊躇なくアナトを丸太で殴っていたからさ……。

そんな風に、イシュタムに誤りながら朝ごはんを食べた。

「うーん……。これじゃあ出発出来ないわね……」

「ここに留まるの?」

 もしかして、歩かなくても済む? なにが嫌かって。歩くのが一番、嫌……。

「仕方が無いからね……」

 いやったー! このまま、イシュタムが戻って来なければ歩かなくて済む! でも、ずっとここに居るのは嫌だな……。せめて、帝都ぐらいの大きさが無いと……。それにしても、イシュタム、どこへ行ったんだろう? ちゃんと、お腹が空いたら帰って来るといいんだけど……。

「イシュタム……結構、食いしん坊だから、すぐに帰ってくるって!」

「そうね。そうに違いないわね」

 俺とアナトがそう話している横で、アーサーが黙って聞いている。

「どうした? アーサー?」

「あ、いえ……。女性一人で心配だなと……」

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