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 あーぁ、俺に財力があれば、みんなと別れずに済んだのかな……。などと、無謀なことを考える。

「じゃ、私は寝るね」

「うん。おやすみ」

 アナトは立ち去った。俺はアナトの見ていた外を見る。何も無い。当たり前か……。何かあったら大変だ。俺も寝ようかな……。

「こんなところで、何をしているのですか?」

 振り向いた先に居たのは、アーサーだった。

「別に、外を見てただけ……」

 うん……。別に嘘は言っていない。外を見てたから……。

「こんな時間に、何かありますか?」

「ううん。何もない……」

 俺は改めてアーサーを見る。やっぱりイケメンだよな……。しかも王子様……。羨ましすぎるぜ……。

「そういえば、アーサー、俺に付いて来たけど、何か面白いことあった?」

「ありましたよ」

 アーサーは、当然という顔をして答えた。

「まず、貴女が男だった。それに異世界からの転生者。そして、異世界の政治について色々と教えて貰いました」

「あははは……」

 もう、乾いた笑いしか出て来ない。

「貴女は、色々な知識を持っている、もっと誇っていいのではないでしょうか?」

「そっかな……」

 うーん……、アーサーてば、褒め上手。俺は照れながら答えた。

「私も、知らない政治を教えて貰ったし、貴女の魔法についても色々学ばせて貰いました」

「アーサーって、くにに有益なことばかり学ぼうとするよね?」

「それはもう、将来は国を抱えなくてはなりませんから」

「そうだね」

 アーサーが少し考える。

「本当のことを言うと、悠真のお兄さんだから、守らないと……って、思っていました」

「そうなの?」

「はい。でも、私が守る必要が無いぐらい、貴女は強かったです」

「うん。俺、最強だから!」

 再び、アーサーが考える。

「やはり、結婚しませんか? というよりも、近くで私を支えて欲しい」

「またそれ……」

 アーサーが笑う。

「私は諦めが悪いもので……。国を良くするためなら、なんでもしますよ」

「はいはい。まぁ……気が向いたらね」

 なぁ、王妃にでもなったら、財力も地位も手に入れられるんだよな……。マジでなっちゃおうかな……。ほら俺、美少女だし……。誰にも反対されないよね? ってのことを考えながらアーサーと話している。話題はもっぱら元の世界の政治に付いてだ。戸籍制度が特に気にいったみたい。まずは、帝都から試してみたいようなことを言っていた。

「じゃあ、もう遅いので、寝ますね」

 アーサーがそう言って、自分の部屋へ向かう。

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