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十五

「ん?」

「もうしばらく、ここにいて!」

 はぁ? そりゃ、ここはお菓子もお茶も美味しいから、きっとご飯も美味しいんだろうけど……。アナトたちが待っているし……。

「あの……ごめん……。ここには、いられない……」

「どうして?」

「どうしてって、アナトたちが待っているから……」

 あーどうすれば、彼女を刺激しないで、ここから帰れるだろう?

「待ってるって、何も出来ない普通の人じゃない!」

 あー女神様なんだけど? 普通なのはアーサーだけで、残りの二人は、全然、普通じゃないんだけど?

「セバスチャン!」

 彼女は、突然、執事を呼んだ。

「セバスチャン! 彼女を捕まえて!」

「しかし、お嬢様……」

「いいから! 早く!」

 どうするかな……。魔法を使えば、ここは抜け出せるけど、そうすると、かなり大きな魔法を使うことになるしな……。

「あ。抵抗はしないので……」

 俺は、傍に来た執事に言う。

「申し訳ございません……。お嬢様が……」

 んー、この人も苦労しているな……。

「あー、お互いに大変だね……」

「はい……」

 俺は、溜め息を吐く。すると突然、後ろから殴られ、目の前が暗くなった。


 目を覚ますと、そこは豪華な部屋だった、豪華なベッドの上に寝かせられている。こんあに豪華な部屋だと、自分の格好がなんだか惨めに思えてくる……。

 とりあえず、ここは、あのミーナって子の家でいいのかな? それにしても、なんで殴ったんだろう……。マジで痛い……。まだ、痛い……。俺は、痛みに耐えながら、ベッドから降り、出入り口へと向かった。ドアノブを手にして回す。鍵がかけられているみたいで、ドアが開かない。次に窓へ向かう。簡易だが、窓が打ち付けられていて、開かない。壊すのは簡単だし、風を使えばここから出ることも簡単だ。俺は、窓の外を眺める。どうやら、二階? のようだ。

 俺は備え付けられている椅子へ向かい座る。さて、どうしたもんか……。あの、オーラを見る目がある限り、逃げても追いかけて来るだろうし……。いや、まぁ、見つかる前に逃げればいいんだけど……。俺は、しばらく考え込む。

 そうしているうちに、ドアがガチャリと音がして開いた。

「起きていましたか……」

 執事が入って来た。

「うん……」

 ドアを閉めると、丁寧に頭を下げる。

「この度は、お嬢様がとんでもないことをしてしまい、申し訳ございません」

「あ、いや、それはいいんだけど……」

 生きていたし、まぁ、そんなたいしたもので殴られていないよね?

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