八
はぁ……アナトに付きい会うか……。でも、もう歩きたくないし、どうすればいいんだ? 俺は必死に考える……。ダメだ……。思いつかない……。仕方がない……。歩くか……。次の街まで……。
ひぃーなんとか着いた、もう、遠いいよ……。一体、どれだけ歩いたのか……。まぁ、ちょっとは大きい街だ。美味しそうなものあるかな?
またアーサーが宿を取ってくれた。宿に困らないのはいいな……。今度の宿も良さそう。というか、良い宿屋だ。もう遅いのに、食事がある! 俺たちは、夜遅いというのに、食事を始める。うん美味い。
「そういや、今日は全然街が無かった……」
「仕方無いじゃないの……」
「そうなんだけど……」
やっぱり、元ニートだから歩くのつらい……。
「もっと楽に行ける方法は無いの?」
「あったら、使ってるわよ」
「ですよね……」
分かってる。分かってるけど……。
「アーサーだって嫌だよね? こんなに歩くの?」
「いえ。私は、慣れていますから」
「うわーん! 味方が誰もいないよー!」
どうにもならないことだけど、こうも自分一人だと思わず愚痴が出てしまう。仕方がなく黙々と食事をした。
「ん、もうお腹いっぱい……」
「そうね……。美味しいから、ついつい食べ過ぎちゃった……」
「お昼ご飯も食べていないし?」
「そうね……」
「お腹いっぱいになったことだし、もう寝ようか……」
「そうだね。疲れたし……」
「アナトたちも疲れるの?」
「私たちを何だと思ってるの?」
「え? 女神?」
女神って、普通の人と違うんじゃないの?
「まぁ、私たちは蒼真よりも長く生きるし、色々と出来ないこともするけど、普通の人間よ?」
「え? そうなの?」
アナトが頷いた。
「俺よりも長生きってどれぐらい?」
「んー。私たちのことが神話として残るぐらい?」
「それって、かなり昔じゃん!」
「そうそう、そして、これからも?」
「ほえー」
じゃあ、あのモネータっていうのも見た目は幼女だったけど、実際の年は違うってこと?
「じゃあ、モネータは……」
モネータの名前を出したとたん、アナトの身体が震えだす。
「な、なんのこと?」
あぁ、モネータの話題はダメだったか……。
「あ、うん。なんでもないよ……」
モネータのことは、後でイシュタムにでも聞けばいいや……。とにかく、アナトを落ち着けて寝よう。
「あーもう、寝るね……おやすみ……」