無理矢理起こされたら死にかけた
うるさいうるさいうるさい……。
「うるさーーーーいっ!」
いったいなんだってんだ? なんで、こんなにうるさいんだ? わけが分からずに目を覚ました俺の目の前には、谷間があった。何を言ってるんだ? と思われそうだが、なぜか胸の谷間が目の前にある。寝る前、部屋には誰も居なかった。それは確かだ。それがなんで、目の前に胸の谷間? 考え込んでいると、胸の谷間が近づいてきた。そして、そのまま俺の顔が谷間に押し付けられる。
「く、くる……」
息が出来ない、苦しい、でも、すげー柔らかくて気持ちいい……。このまま、息が止まってもかまわないというぐらい、気持ちいい……って、意識が飛びそうになった! この気持ちよさって酸欠のせいか!?
「苦しい……離して……」
柔らかい感触が離れていき残念……じゃなくて息が出来るようになった。いやもう、マジで死ぬかと思った。胸の谷間って、実は殺人兵器だったんだな……。それにしても、ここはどこだ? 俺の部屋じゃないよな? まぁ、落ちは分かってる。これは夢だよな。夢じゃなきゃ、胸の谷間に挟まって死にそうになるなんてことはないしな。
ゆっくりとあたりを見回してみる。ものすごい質素な部屋だな。よくある、中世のヨーロッパみたいな感じだよな。そういえば、寝る前に見た深夜アニメが異世界転生ものでこんなところが舞台になってたよな……。
「……ナ……」
やっぱり、この夢はアニメの影響かな……。それにしても、やけにリアルだよな。
「ミ……ナ……」
なんか胸の谷間の感触以外にもはっきりとした触感があるし、なによりも腹が減ってる。やけに腹が鳴ってるんだが、寝る前にちゃんとカップラーメンを食ったよな?
「ミーナ!」
「うぉ!?」
なんだ? いきなり耳元で叫ばれた!
「大丈夫? まだ体調が悪い?」
え? あれ? 俺のこと? 声がする方に視線を向ける。なんだか、水色の髪をした巨乳の美少女が目の前に居る。
「誰?」
あ、誰って聞いても夢の中だからアニメのヒロインとかか? でも、こんなキャラ居たっけか?
「ミーナ……」
ミーナ? それってもしかして俺のこと?
「やっぱり、まだ本調子じゃないわよね……。ちょっとの間とはいえ、死んじゃってたんだし……」