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楽園解放 三

 ドミトリは島を支配するため、大海賊団を率いて本土に戻って来た。その数は今までで一番多く、本土の者達は震えあがり、海賊に占拠されると抵抗する者はいなかった。王の所までやって来ると、海賊が王とその妻を玉座からひきずり降ろし、ドミトリがその椅子に座ると自分の両親を見下ろした。

「父上、この島をもらう時が来ました」

「こ、こんな事をしてどうするつもりだ! 何を考えてるのだこの馬鹿息子が!」

「これからは海賊に怯える必要などありません。俺がその親分になったのですから」

「こ、国民はどうなるのです?」

「ああ、あの連中か。ここにあった国などもう必要無い。あいつらは俺達のために働けばいいでしょう。この島は俺達の冒険の拠点にする予定ですから」

「何を言っているんだ……」

「これからは俺がこの島の主だ。弟のアレクセイ、妹のヨミは命だけは助けてやる。町の中で大人しく暮らしていればいい。しかしけじめは必要だ。国王と王妃、あなた達は見逃す訳にはいかない。あなた達は処刑する事とする」

「ば、馬鹿な! ドミトリ! ドミトリィーッ!」

 海賊達に王と王妃は連れて行かれた。柱の側にいたオルスを見付けるとドミトリは鼻を鳴らした。

「どうだオルス? 世界の姿を変えてやったぞ。見たか?」

 オルスは器を見た。世界の葉は動いていないが、魔女の葉が一枚動くのが見えた。しかし、それをドミトリには伝えず黙っていた。

「世界は、まだ変わっておりませぬ」

「頑固なジジイだ。もうよい、失せろ」

 オルスは頭を下げ、静かに出て行った。

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