表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
113/123

閃光王子 九

 監禁されていた部屋のベッドで寝ていたメイは突然入って来た男達に起こされた。

「ひゃ! な、何!?」

「移動だ。さっさと立て」

「え? そんな急に……むぐ」

 猿轡を噛まされ、腕を引っ張られて乗せられた車は工場を後にした。


 ジャズのライブ演奏が行われているバーで、アサヒは壁にもたれかかり、一人静かにウイスキーのグラスを傾けていた。ピアノとベースの静かな低音にスネアドラムのブラシによる優しいアクセントが効いていて、赤いドレスを着た女性ボーカルの伸びのある声が甘い雰囲気を作り出す。アサヒのグラスの氷が溶けてカランと小さく音を立てた。

 バーテンダーがアサヒの所に来ると頷いて合図し、アサヒのグラスを持って行った。アサヒが葉巻の煙を避けながらカウンターまで行ってマスターに指でトントンと合図すると、マスターは小さな紙切れをグラスの下にそっと挟んで水を出した。水を飲み干すと紙を受け取りアサヒは店を出た。

 アサヒは電波塔にケーブルを繋ぐとアルベルトに携帯電話をかけた。

「よう。仕事をもらったんだがな。どうやらそっちと関係がありそうなんだ。そろそろ動きがあるかもしれない。飛行船で周ってた方が良いかもな」

「そうか。すまないな、もし先にレオンに辿り着いたら頼むよ」

「任せておけ」


 新聞ではレオン達の記事が一面に載り、テレビでも報道され注目を浴びた。

「元フェルト国王、アルベルト・ファルブルさんの長男レオン・ファルブルさんと、ヴェイン公国グリード・ヴェイン公爵の長女、メイ・ヴェインさんの行方が分からなくなっている事が分かりました。ビルギッタ警察は事件に巻き込まれた可能性があるとして捜査を開始しています」

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ