4/12
ガード下の殺人
ウォンウォンとサイレンが鳴り響いている。今夜は月が光々と照っていた。佐々木警部はパトカーで現場へと駆け着けた。
「やはり例の連続殺人事件と同一犯ですね」
被害者を調べている検死官の許から谷口が走り寄ってきた。
「そうか」
被害者は二十歳前後の青年三人だった。場所はガードの下で、午前零時頃の犯行と思われる。三人はそれぞれ凶器を持っていたらしく、近くには曲がったナイフやバラバラになったチェーンが散らばっていた。被害者は皆右手を蹴られた形跡があり、やはり致命傷は首の骨の骨折だった。
「それにしても…」
「何ですか?」
「いくら世間知らずでいきがってるガキどもだったとしても、連続事件がこの辺りで起こっているというのに」
「ああ、そうですね。強そうな奴がいたらまっしぐらに逃げますよね」
佐々木と谷口は被害者が担架に乗せられていくのを眺めながら首を捻った。
「つまり、いかにも弱そうな、いや、少しいきがってて、チンピラや不良が絡みたくなるような奴…」
「子供とか?」
佐々木ははっと顔を上げた。