JD-085.「電気マッサージ的貴石投入術」
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晴れ渡る空は視界の隅に雷雲が小さくなるのが見えるだけで、それ以外は晴天そのもの、なんというか不思議すぎる光景だ。
周囲には嵐のように風が吹いていたのか、落ち葉や風によって倒された草などが目立つ。
夢中になっていて気が付かなかったけど、雨も降っていたようだ。
「びしょびしょ……」
「トール様、風邪を引いちゃうのです!」
『人間は不便な物だな。私たちは暑さも寒さも平気だ。貴石術を上手く使うといいぞ?』
なんだか空調に頼る文明人のような発言のマリル。
確かに1匹(1人?)だけ全く濡れてないんだよね。
嫉妬とは少し違う感情を抱きながら、用が済んだので街に戻ることにする。
スフォンの街が見えてくると、時折1つの方向へと人か走っているのが見える。
何か問題でもあったのだろうか?
「んー? みんな忙しそうだねー」
「何か事件でしょうか……マスター」
問題が起きてるのであれば気になるというか、首を突っ込みたくなるのが人の性分という物。
俺達もそれに漏れず、マリルと一緒にその人の走る方向へ。
見えてきたのは……何やら人だかり。
『なんだ、同胞ではないか』
「アザラシさんいっぱい」
そう、港の桟橋部分から見覚えのある姿が10匹ぐらいひょこひょこと上がってきていたのだ。
マリルのように滑るような動きではないのは、そういう腕なのか、あるいは狙いか。
なんとなく、ああやってひょこひょこしてるほうが可愛らしく見えるよね。
それとは対照的にマリルはこう、出会いはともかく途中からはお固い感じだよね。
それがまたギャップ的にいいって人もいると思うけど。
『む? トールよ、変なことを考えなかったか?』
「気のせいでしょ。ほら、迎えにいかないと」
どきっとしながらもやってきたシルズのみんなの場所へと向かう。
街の人達は知らせが出たばかりだからか、珍しいもの見たさにか集まってるわけだ。
今のところ変なことをしようという人はいないようだ。
それには理由があるんだと思う。
何がというか、シルズの皆の後ろにはどこからか桶のような物が浮き、その中には当然のように魚介類。
さっそく交易用の第一弾というところかな?
どこからかギルドの職員らしき人が駆け寄って来たかと思うと、事前の打ち合わせ通りなのか街の人数名と共に桶を覗き込み、あれこれと話しては布袋を手渡している。
漁師と引き取り先という感じかな?
『この街で我々が堂々と一緒に過ごす日も近いかもしれん』
「そうなるといいね、うん」
最初は反発というか、未知への怖がりと言ったことはあると思うけど、最後には一緒に過ごせればいいなと思う。
マリルもここで一度戻るというのでそのまま俺達は宿へ。
まだフローラにフローライトを入れてないしね。
宿の受付をしている女の子には、今日はアザラシさんいないんだと悲しまれてしまったけど、港に行けば会えるかもというとどこかに声をかけて飛び出していった。
そんなに気に入ったんだろうか……まあ、モフモフだけどさ。
部屋に入り、深呼吸をするとあちこちに使われている木のいい匂いが鼻を通り、肺まで染みわたるのがわかる。
宿の主人のこだわりらしいけど、香り自体は違うのに地球のそれを思い出してしまうな。
「とーる、お風呂にする? 食事にする? それともー、ボクにする?」
「フローラにしようかな。ほら、入れてあげるよ」
指先で摘まんだフローライトが部屋の灯りに反射して光り、それを見たフローラの目も喜色に染まる。
みんなにとって、貴石が増えるというのはとてもうれしい事らしい。
自覚できるほど成長というか、やることが増えるからかな?
ジルちゃんたちは先にお風呂に入るとのこと。
女の子ってお風呂が好きだよね……毎回磨いてとばかりに洗うことを要求されるのは理性的に大変……というか結構負けてます、はい。
「なんだろう、ちょっと恥ずかしいかも。裸ん坊のほうが逆に気が楽なんだよねー」
「それは俺が困るからお腹だけでいいよ」
フローラに限らず、みんなこういう時に手で隠すから逆にこうね、来る物があるのだ。
じゃあお腹までめくりあげた状態ならいいかというとそれはそれで問題だけどさ。
普段ボーイッシュに活発なフローラが、なぜかこういう時は最近、おしとやかというか、もじもじするようになった。
前はほら!とばかりに脱いでいたのに、このごろはちょっとずつめくっていくのだ。
わざとなのか、天然なのか議論の余地はあるけれど……長引くと辛い。
足元や、付け根の下着には出来るだけ目をやらないようにしておへそ下あたりをそっと撫でる。
「ふうっ……とーる、手が冷たいよ」
「フローラが温かいからだよ。貴石はもっと冷たいよ、ほら」
ぴとっとフローライトをお腹に押し付けると、ビクンと冷たさに反応したにしては大げさに彼女が跳ねた。
「っ! とーる、それぴりってくる」
あおむけになったままで縮こまるように姿勢を変えるフローラ。
それはなんだか何かに耐えるような仕草であり、一気に全身がしっとりと汗をかいたような気がした。
「でもちゃんと入れないとね。ほら、お腹見せて」
「ううー……しょうがないなあ……」
ちょっと怖さもあるのか仕方なくといった様子で徐々に脱力し、お腹を見せてくる彼女のそこに
緑色の魔法陣が広がり、受け入れの準備を始める。
「どっかに転がっちゃうといけないから、抑えるよ」
「え、とーるっ」
なんだか嫌がることをするみたいで感じる物がある。
でも早く終わらせた方が良いと思い、横に跨るようにして左手でフローラの両手をお腹の上でつかんで抑え、右手は太ももを抑えるようにして指先は魔法陣の上へ。
どう見ても少女を抑え込んでイタズラしようとしている図でしかない。
「大事な事だからね。我慢して」
「あっ! んんーっっ」
フローライトの紫側の先端が魔法陣に沈みかけた途端、先ほどのようにビクンとフローラの体が跳ねる。
今度は俺が抑えているからか、顔や足先が少し跳ねるぐらいですんだ。
だけど、抑えてるこちらにはその動きがもろに伝わってくる。
でもフローラは小さく小柄な女の子。多少動いたところで揺れはするけどそれだけだ。
「ぴりぴりって、響く……よっ」
耳に届く声もどこか懇願が混じってるように聞こえるけど、早く終わらせた方が彼女のためになるのだ、と言い聞かせてさらに押し込む。
電気マッサージの極部分を当てているかのような反応に体を抑える手にも力が入るけど、覆いかぶさるようにしている俺の鼻にはふわりと甘い匂いが届く。
フローラの匂いだ。
こんな反応が出来る体の理由も、ラピスが言うことによれば俺がどうせならこういう子達が良い、そう望んだから。
その事実に言いようもない感情が背中を走り、残りの部分も魔法陣に向けて押し込んだ。
声にならない声と共に、フローラが何回も痙攣するように震え、脱力した。
「はーはー……とーるー、強引だよぉー」
「ごめんな、フローラが可愛いからさ、つい我慢できなくて」
顔を赤くし、涙も出ているフローラを撫でつつその手を取って彼女のお腹に導いた。
「これでフローラの貴石も増えたかな?」
「うん。大丈夫。ボクの中に力を感じるよ、雷鳴の力」
そっと自分のお腹を撫でるフローラの姿にどきっとする魅力を感じてしまう。
こんな、まだ学校にいっていそうな背格好の少女に。
「ちょっとびっくりしたけど、これからもよろしくねっ!」
「こちらこそ」
その後、汗をかいちゃったからとフローラと2人でお風呂へ。
ジルちゃん達とは入れ違いだ。フローラは少しばかりお怒りだったらしい。もっと優しくしてほしかった、とのこと。
そうしてお返しとばかりにフローラに元気よく体のあちこちを洗われ、女の子を怒らせてはいけないと痛感した日であった。
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