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宝石娘(幼)達と行く異世界チートライフ!~聖剣を少女に挿し込むのが最終手段です~  作者: ユーリアル


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JD-023「新しい街へ─ほとぼりを冷ますためじゃありません!」

「へー、兄ちゃん。この前のに参加してたんか?」


「そうなんですよ。この子達と一緒に」


 良く晴れた日。暖かいというより暑いと言えそうな日差しが降り注いでいる。

 トスタの街から別の街へと物を運ぶという荷馬車の護衛依頼。俺達はそんな依頼を受け、トスタの街を出ていた。

 ちなみに積み荷は食料品なのだとか。これから行く先では十分な稼ぎになるらしい。


 当然、今進んでいるのはその街までの街道だ。2頭立ての馬車に乗り込み、のんびりとゆられている。

 襲撃があるかどうかは運次第だけど、歩かなくていいというのはそれだけでも十分だと思う。

 馬……は異世界らしく、何と魔法、じゃなかった貴石術を使える。本能に近いらしいけど、体の強化術と、後ろ蹴りに対する魔力付与。

 だからゴブリン程度なら吹っ飛ばすそうだ。


 まあ、そうじゃないと生きていけないよね。年にそれなりの数の人がその蹴りで大怪我をしているというから注意しないといけない。

 そんな馬車の上で、俺とジルちゃん、そしてラピスは護衛として過ごしているが街道を進む限り、ほとんど襲撃は無いらしいのでどちらかというと暇つぶしの相手だ。


 1人で馬車を扱っているというウーノさんは気のいいおじさんだった。1人なんて無謀だと思うのだけど、この辺では盗賊も出ないし、街道から外れなければ襲われることもめったにないからだそうだ。

 あまり深く話はつっこんでこない代わりに、色々と話題を振ってくれるのでラピスやジルちゃんも

 時々話に答え、楽しんでいるように見える。


「向かう先は鉱山街ってことでしたけど」


「そうさ。食事を準備する暇があれば1回でも多くつるはしを振れ!なんて話があるぐらい。だから日用品なんかも意外と高いんだよね」


(なるほど、だからこんな荷物が膨らんでいるのか)


 量の割に重さはそれほどでもなさそうなので、水のような物を除いて食料品以外に雑貨が多いようだ。


「山、大きいですね」


「最初は本当に手前から掘っていったらしいけどね。段々と向こうの方に伸びてるみたいだよ」


 そういって近くなってきた岩山をみんなして見る。

 勿論山に登るというわけではなく、その山のふもとに鉱山街があるのだという。


 名前はカセンド。 ほとんどは石英や鉄で少々のそのほかだけど、稀に貴石の類が出るためか

結構にぎわっているらしい。

 そして、周囲にはそれを扱う店や鍛冶屋などが勝手に増えたのだとか。

 採掘が進につれ、街も伸びていっている縦長の不思議な場所だ。


(俺のコレクションも1つぐらいそこにありそうだな)


 宝石の類も出ると聞いて、楽しみな自分がいた。ジルちゃんとラピスは初めての馬車とその景色に

興味深げに周囲を見たまま時々驚いている。

 時々、ウサギが跳ねていく以外はゴブリンも出てこない。


「しかし、2人とも元気だね。珍しくも無いだろうに」


「あー……村じゃ馬なんて畑でしか使いませんからね。こうして乗るなんて考えもしなかったですよ」


 同じ村出身、という設定を少し忘れかけていたので慌ててそうごまかすがウーノさんはそれに頷いていた。

 その分護衛料は安いよ、と最初に言われていたようにその後も危ないことは起きず、数日で俺達はあっさりと目的地についていた。


 視界いっぱいに広がる大きな岩山。そのふもとに作られた人の手による街。

 鉱山と、それを中心とした街のざわめきは近づくほどよく感じられる。

 新しさと古さが同居しているのは、拡張され続けている証拠だと思う。


「やっぱり住人のほとんどが採掘関係なんですか?」


「住民はそうだな。住んでいる、だと少し違う。鉱山をダンジョン代わりに潜る冒険者も結構いるんだ」


 気になったことを聞いてみると、慣れているのかすらすらと返事が返ってきた。


(住んでいる、ならか……なるほど)


 この世界の鉱山はダンジョンのそれとほぼ同じ意味らしく、掘ってる間にも鉱山内のマナが影響を与えて魔物が産まれるのだとか。

 だから採掘職人も戦えるか、あるいは護衛は常にいるそうなので仕事に困ることはなさそうだった。


 入り口でウーノさんと別れ、ひとまず冒険者ギルドへ。ここもわかりやすい看板を見上げながら、扉をくぐる。結果として、そこはトスタの街とはどこか違っていた。


 壁の一角には専用の色塗りがされた依頼たち、そしてそうではない依頼たち、といった具合だ。

 まずはカウンターで登録ではなく、立ち寄ったためといって話を聞く。


「ここは初めてってことですね? じゃあ1つだけ、あの色の違う部分はみんな鉱山関係です。

 外であれこれしてほしい、はもう半分。すみわけってやつですね」


 若い男性の受付が説明してくれたように、よく見ると大体同じような依頼だ。

 なるほど、護衛の話はこういったところから出るわけだ。


「トスタじゃ討伐以外によく薬草集めもしてたんだけど、この山で採れるの? もしくはこっちっていうのがわかれば」


「そうですねえ……下手に山に登っても危ないですねえ」


 昔掘った穴などが隠れていたりするので、鉱山としての山には上るということはしないほうが良いようだった。

 では他に割の良い依頼は、と聞くと示されたのは薬草採取か、ポーションに関する物。


「残念ながら怪我の多い仕事、が鉱山まわりですからね。

 もし薬草をお持ちだったり、採取をされるということでしたら上手く行けば感謝されるかもしれませんね」


 どれを受けるか悩んでいると思ったのだろう。

 そんな助言を耳に感じながらざっくりと依頼を物色。 確かに、これこれを手に入れてくれという依頼でも鉱山由来のものかそうでないかでかなり違ってくる。

 薬草採取の依頼は外側用の部分に貼られている。急募、とあるからには納期なども気にして受けるべきだ。

 俺としてはどちらでも構わないけど、気を付けたほうがよさそうだ。


 その後もいくつかの依頼を確認し、やっていけそうだと判断して宿を探しに。

 普段やることを考えると壁が厚め、食事に困らない、といった条件が必要になる。


「先ほどのは安いけど何かありそうですね」


「ちょっと嫌な目だった」


「しょうがない、次を当たろう」


 少し条件が厳しすぎたのかもしれない。なかなか宿が見つからない。

 そうして、6件目にしてようやく宿が決まり、旅の疲れもあったのか2人はすぐに寝入ってしまった。


 月明かりに照らされる部屋の中で2人を見て思う。我慢できなくなる前に街に繰り出すべきか?と。

 ただ、女神様も言っていたそのままが気になるなら貴石解放してみたらどうだという話。

 でもなんだか二の足を踏んでしまうんだよね。だからこそ、暴発する前に発散すべきなのだけど……。


 問題はそれが正しいのかどうか、だ。お金の問題もあるだろうし……ね。

 さすがに3人で倒した相手の報酬で1人どこかに、なんてのはやるつもりもないけどやるべきではない。


 だったらラピスやジルちゃんと……。答えの出ないまま、その日はなんとかした……はずだったのだけど。

 朝起きてきたラピスが、何かに気が付くなり、自分たちはいつでも大丈夫なのに、と怒られてしまい色々な意味でへこむことになった。


男の職場と言えば夜の歓楽街ですが、

利用する機会はなかなか来なさそうです。


ブクマ、感想やポイントはいつでも歓迎です。

増えると執筆意欲に倍プッシュ、です。


リクエスト的にこんなシチュ良いよね!とかは

R18じゃないようになっていれば……何とか考えます。



誤字脱字や矛盾点なんかはこーっそりとお願いします

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ご覧いただきありがとうございます。
ぽちっとされると「ああ、楽しんでもらえたんだな」とわかり小躍りします。

○他にも同時に連載中です。よかったらどうぞ
マテリアルドライブ2~僕の切り札はご先祖様~:http://ncode.syosetu.com/n3658cy/
完結済み:兄馬鹿勇者は妹魔王と静かに暮らしたい~シスコンは治す薬がありません~:http://ncode.syosetu.com/n8526dn/
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