表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
静の姫君と嘘つきの王  作者: うぃすた
後宮での日々
18/67

側妃の役割

当初上げていた18話と順番が逆でしたので、修正しました。話が繋がらなくて戸惑った方、もしいたらごめんなさい。

梔子(シシ)は優秀だった。

半刻後には、すっかり侍女らしく仕立てられたレインは、茉莉花(ジャスミン)とともに馬車にゆられていた。

「こんなに簡単に出られるんですね…」

思わず呟くレインに。茉莉花は微笑んだ。

「普通の後宮なら無理よね。逃亡したり、密通したりされたら大変だもの」

「茉莉花様は…考えないのですか?」

レインの言葉に、茉莉花は驚いたように瞳を開き、そして窓の外を見つめた。

「考えたとしたら…私の命はないわね」

そしてにこりと微笑む。

レインはその言葉に息を飲んだ。その様子に茉莉花は軽く手をふって否定する。

「勘違いしないでね?これは王が残虐だからってことじゃないのよ。それが為政者の態度だから言ってるの」

「為政者の態度…?」

「信賞必罰ということよ」

茉莉花はレインをその黒曜石の瞳に捉える。

「あの方はそれをよくご存知だわ。だからこそ私達は、王妃様によく仕えることで、こうして自由を戴いてる」

「王妃様によく仕える…王ではないのですね?」

茉莉花は意外そうに軽く目を見開く。

「そうよ。もしかして貴方は違うのかしら?」

「え?」

「陛下直々でお迎えに行ったらしいし、その首のそれ…陛下よね?」

そう言われてレインは思わず、首を押さえて真っ赤になった。茉莉花は声をたてて笑う。

「陛下も人の子ってことよね。王妃様が大事なのは分かるけど、禁欲は辛いでしょうから…やっぱり男ですものね」

そして笑いを納めて、レインを見つめる。

「陛下は私達を迎えたとき、こうお話されたの。子供は望まないと。その代わりに王妃様の盾になれとお願いされたわ」

「それで…よかったのですか?」

レインの問いかけに茉莉花は肩を竦めた。

「陛下は私達が陛下を好きにならないことを知っているの。陛下を愛さないからこそ、私達は側妃でいられるのよ」

その言葉の意味を問いただす前に、馬車がゆっくりと静止する。

茉莉花は小さく息をつくと、レインに改めて艶然と微笑んだ。

「さぁ、お勉強タイムよ。ますは小手調べからいきましょう」

その言葉にひきつった笑みを返しながら、レインは外に足を踏み出した。


馬車の外には、護衛姿のクリスが控えていた。侍女がそんなに沢山いてはおかしいだろうと、レインが着替えている間に、こちらも着替えさせられたようだ。

本来の姿のはずなのに、ちょっとい心地悪そうな弟にレインは思わず微笑む。

「笑い事ではありません、姉上!私の剣の腕をご存知でしょう!?」

小声で抗議するクリスに、レインもやり返す。

「大丈夫。貴方が侍女ってことは茉莉花さまも知ってるんだから、張りぼてでいいのよ。多分ね」

「そ、そこまで言われると複雑ですが…」

もめる二人には頓着せず、茉莉花は御者に何かを伝え、そのまま帰らせていた。

「茉莉花さま、馬車は…?」

「店からは散策しながら帰ると伝えたの。貴方たち、城下町は初めてでしょう?案内するわよ。でもその前に…」

そして一軒の家の前で足を止める。

「用事をすませちゃいましょ」


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ