立派な娘のただのお父さん
小学5年生になる娘のクラスで、いじめがあったらしい。
佐々岡・湊、中堅の家電メーカーに勤める俺には、妻の瞳と、一人娘の美里菜がいる。 娘のクラスは皆、仲がよく、娘も楽しそうに登校していたので、まさかいじめがあったとは思わなかった。
前髪で隠れるが左側の額を切って、ガーゼをあてて妻と共に帰って来た娘に、俺は感情を失ったような思いだった。
娘の説明ではこうだった。最初は3ヶ月くらい前、転校生の男の子、神薙・海斗くんがクラスに加わったことが切っ掛けだったらしい。
神薙くんが打ち解け始めた頃から、同じクラスの田川・龍太くんと下村・桃貴くんが嫌がらせを始めたらしい。はじめはモノを隠すとか、後ろからちょっかいをかけるようなことだったらしいが、だんだんとエスカレートして、最近では暴力も奮っていたそうだ。
担任の渋沢先生にも相談して、先生から注意もしたが、若い女性の渋沢先生をバカにして、2人はいじめをやめなかったらしい。
そうして、美里菜はいじめを止めるため、たびたび2人に注意をし、今日、教室で暴力を受けている神薙くんへのいじめを止めるために制止しようとして、反対に突き飛ばされ、額をロッカーにぶつけて怪我をしたらしい。
娘は、怪我を見たらママが泣いちゃうとパニックになり、友達の西園寺・理恵ちゃんに守られて保健室へと行き、妻が学校に呼ばれて、今に至るようだ。
「幸い、傷は浅くて、頭部の怪我で出血は多いけど、傷跡が残る心配もないって」
妻にそう言われて、すこしだけ気持ちが落ち着く。
「向かっていったのは偉いが、怪我をしたのは良くなかったな。先生を呼ぶなり、遠くから止めるべきだった」
俺は敢えて冷たい言い方をした。
「あなた、そんな言い方っ! 」
当然、妻は窘めてくるが、美里菜のほうは考え込んだ顔で訊いて来る。
「どうすれば、良かった? 」
「遠くから、男の子に一番キツいことを言えば良かったんだ。そんなダサいことしてたら、一生モテないよ、とかな。そうすりゃ、怒って神薙くんが目に入らなくなって、美里菜と口喧嘩になる。そうなりゃ、クラスの女子は全員が美里菜の味方になってくれるさ」
妻は巫山戯たこと言わないでよと怒っていたが、美里菜はすこし考えたあと。
「でも、それじゃ、わたしも田川くんたちといっしょになっちゃうから、ヤダ……わたし、まちがってる? 」
娘の不安そうな顔に、傷に障らないように頭を優しく撫でながら答える。
「いや、パパがまちがってた。そうだな、人をバカにして誰かを助けても、結局は同じことをしてるだけだな。美里菜は偉いぞ、でも、怪我しちゃうのはママが悲しむから、今度は怪我しないように、自分も大切にしような」
そう言った俺に、家に帰って来てから始めて、娘は笑顔で、うん、と頷いた。
出来た娘だ、優しくて、思い遣りがあって、正義感が強い。
今日は金曜日、諸々の片付けは明日にしようと、妻が美里菜を寝かし付けるのを待つ。その間に訪ねてきた生活安全課の刑事とすこし話して、リビングに戻ると妻も入ってきた。
「寝たか? 」
リビングに戻ってきた妻に問うと、ええ、と端的に返ってくる。
「なんで、わざと悪役になるようなこと言ったの」
向かいに座った妻に問い掛けられる。
「美里菜は優しくて、良い子だ。だから、瞳さんが悲しんでるのが、一番つらかったと思う。その上、俺まで悲しんでたら、美里菜が笑えなくなっちゃうだろ。俺は美里菜のためなら、悪役にだって、世界を敵にまわしてヒーローにだってなるさ。たとえ、美里菜に嫌われてもな、それがパパってもんだろ」
すこしカッコつけて言った俺に、妻は呆れながらも笑ってくれた。
「しょーもない。でも、そういうところが好きよ」
「おっ、……おい、恥ずかしいだろ」
面くらった俺に。
「あなたのほうがよっぽど恥ずかしいこと言ってたわよ、みなとくん」
にーっと笑っていう妻を見ながら、これで良かったと思った。
「学校のほうでの説明は、明日行ってくれる? 俺は田川くんと下村くんの家に行ってくる」
そう言った俺に、ヨロシクねと妻は微笑んでいた。
「申し訳ありません。大切なお嬢さんに怪我をさせてしまい」
田川・龍太くんの家に着き、玄関に入るなり、田川くんのお父さんから謝罪される。
田川・龍太くんを真ん中にご両親が両側に立って、2人とも頭を下げていたが、龍太くんは不貞腐れて、立っていた。
「お前も頭を下げんかっ、人に怪我させておいてっ! 」
田川さんは龍太くんの頭を掴んで頭を下げさせようとしたが。
「やめろよ。カッコわるい、あやまんないかんなっ! 」
そんな態度にお母さんのほうが蒼白になっていたが。
「まぁまぁ、落ち着いてください。娘も幸い軽い怪我でしたし、すこし龍太くんと話しをさせてもらっても? 」
あいだに入った俺に、田川さんはどうぞどうぞと譲ってくれた。
しゃがみ込み、目線を合わせる。震えてるのが分かる、本当は怖いんだろう。田川くんと下村くんは剣道や柔道をやっていて、同年代と比べたら体格もいい。
ただ、俺も子供の頃から空手と柔道をやっていて、段位もある。体もデカい上に顔も怖い。悪いことをしたことも、その相手の親だってことも理屈では分かる歳だ、当然怖いだろう。
俺は拳を握り、龍太くんの額の斜め上へと上げた。叩かれると思った龍太くんは目を瞑って、体を硬直させた。
ご両親は息を呑んで、それでも言葉を発することは出来ないようだった。
俺は目を瞑っている龍太くんの頭を撫でた。恐る恐る目を開けた龍太くんに問い掛ける。
「怖かったか? 」
怖くなんかない、そう言いたいだろうが、目の前のおっさんの威圧に震えてる子供は、素直に頷いた。
「怖い思いさせてゴメンな。でも、うちの娘はもっと怖かったと思うぞ」
そう言うと、顔を上げた龍太くんはボロボロと泣きはじめた。
「ご、……ゴメンなさい。ゴメンなさい、おじちゃん。ゴメンなさい」
理解が追いついた龍太くんは、きっと心から謝ってくれている。そう思ったから。
「なら、ちゃんとクラスのみんなに謝ろうな。もう、したらダメだぞ」
そう言って、俺は立ち上がった。
「申し訳ありませんでした。娘さんが立派なのは、佐々岡さんが立派な方だからなんですね。うちときたら……」
そう項垂れる田川さんの肩に軽く手を置く。
「頭を上げてください。娘を褒めて頂き嬉しいですが、私は普通の、ただのお父さんですよ。どこにでもいる、娘のためなら何だってする、ただの父親です。でも……父親って、そういうもんじゃないですか」
そう言った俺を真っ直ぐ見ていた田川さんの顔は驚いたような顔をして、それから、ゆっくりと涙を滲ませながら、ふにゃりと砕けて。
「そうですね」
そう、笑っていた。
下村くんの家に辿り着く。たしか、母子家庭だったと思いながら、インターフォンを押し、聞こえてきた声に簡潔に名乗りを上げる。
ドア越しに息子さんの名前を呼ぶ声とドタバタとした音が響いてくる。玄関が開くと、俺の前に出た女性は開口一番謝罪と共に土下座した。
「申し訳ありませんでした。何だっていたしますので、どうか、桃貴を許してください」
母親が土下座している姿に玄関の奥、桃貴くんは動揺して血の気のない顔で立ち尽くしていた。
「立ってください。息子さんの前で、母親がそんな事をしてはいけない」
そう言ったものの、下村さんはそのままの姿勢で本当に申し訳ありませんと繰り返していた。
「立ってください。幸い娘の怪我も軽傷でしたし、息子さんとお話させてください。まずはそこからです」
ゆっくりと顔を上げた下村さんの顔は不安だけで覆われていたけれど、それでも、わかりましたと一言告げると、桃貴くんを手招いてくれた。
「ごっゴメンなさい。ボっ……ボク、怪我するなんて思ってなくて」
突き飛ばしたのは田川くんのほうだったと聞いているけれど、桃貴くんはちゃんと責任を感じていたようだ。
「おじちゃん、怖いよな」
しゃがみ込み、真っ直ぐ目を見て話す。真正面から俺を見た桃貴くんは、どう答えたらいいかわからないのか。あちこちに視線を彷徨わせてから、ひとつ頷いた。
「でもな、うちの娘だって龍太くんや桃貴くんに立ち向かうのは怖かったと思うよ。うちの娘、勇気があると思わないか? 」
その言葉に、桃貴くんはハッとした表情をして、暫く下を向いたあと、握り拳が震えるほど握り込んで、呂律の回らない声で返してくれた。
「そう、思う」
俺は桃貴くんの頭を撫でながら。
「なら、君も勇気のある子にならなきゃな、誰かをいじめるんじゃなく、誰かを庇える子にならないとね。じゃないと、またママを泣かせることになっちゃうぞ」
そう言った俺に、桃貴くんは顔を上げたあと、はっきりと言った。
「やだ、ママ泣くヤダ。……ボク、ちゃんとする。ちゃんとすれば、ママ泣かない? 」
ガシガシと頭を撫でながら、俺は顔を思いっきり近付けた。
「あー、泣かない。だから、良い子じゃなくていいから、悪い子になっちゃダメだぞ」
そう言ったあと、俺は立ち上がって下村さんに向き合った。
「ありがとうございます」
そう、涙を流す下村さんに。
「桃貴くんを反省させたのは下村さんですよ。貴女が1人で一生懸命に桃貴くんを大切にしてきたから、伝わったんです。感謝なら、どうかご自分にしてください」
そう言って、下村家を後にした。
家に着けば、もう妻は帰宅していた。
「おかえり、みなとくんなら問題ないと思うけど、どうだった」
そう訊いて来る妻に、ちゃんと2人とも反省してたよと伝える。
「そっか、こっちは校長も教頭も田所先生もダメ、色々迷惑かけるけど、ヨロシクね」
妻のことだから、心配はない。
「あー、協力するから、ちゃんと片付けよう」
そう言う俺に妻は笑っていた。夕食を囲む3人はいつものように賑やかだった。
〜〜〜〜
あたしの旦那は頼りになる。
娘の美里菜が怪我をしたと学校から連絡が来た時とは血の気が引いて、額にガーゼをあてた姿に我を忘れそうになったけれど。
「ママ、私、大丈夫だよ。だから、ママ……心配しないで……」
そう、泣いていた美里菜を抱きしめて慰めるうちに、段々と冷静に頭が冴えていった。
娘をこんな目に合わせた奴をどうしてくれよう、そんな怨嗟の想いが渦巻く中、学校の指定病院の先生が頭を打って怪我したとの連絡に駆け付けてくれたそうで、娘の状態を説明してくれた。
「渋沢先生から連絡をもらった時は驚きましたが、とりあえず、意識の混濁も、怪我をしたさいの意識障害や記憶の欠落というのも、視神経などへの影響も確認出来ませんでした。傷じたいも浅かったですし、頭部の怪我で出血は多かったですが、今は止血も完了しています。傷跡も残る心配はないと思いますから、安心してください」
先生の説明を聞いて、胸を撫で下ろす。後遺症が残るようなことになったら、あたしは一生許せなかっただろう。
「みなとくん、だいじょぶかな」
旦那は愛の深い人だから、美里菜のことを知ったら、心を保てるんだろうか。
「……ママ、ゴメンなさい」
俯いて泣いている美里菜の頭を抱く。
「だーいじょうぶ、痛かったね。だいじょぶだよ。美里菜はなーんもわるくない」
自分は悪くないのに、私たちを心配させたことに落ち込むなんて、まだ小学生なのに、なんでこんな良い子になってくれたかな。
そう思うと、しっかりしなきゃと心が締まる。とりあえず、旦那が暴れそうになったら、全力で止めるか。まぁ、本音を言えば、あたしも、今すぐにでもぶん殴りに行きたいとこだけどさ。
それじゃ美里菜が泣いちゃうしね、親のあたしが子供泣かせてどうすんだって話だし、そこらへんはみなとくんのほうが大人かな。年下だけど、見た目も中身もあたしより、しっかりしてるしね。
だんだん冷静になってきて、2人で家まで帰る頃にはだいぶ気持ちは落ち着いてたんだけど、美里菜はまだ落ち込んでた。
でも、やっぱりあたしの旦那はすごい、美里菜の考える切っ掛けを、ちゃんとあげて、不自然にならないように褒めて、美里菜を笑わせてた。
「ほんっとにマリアナ海溝みたいに懐が深いんだよねー、あたしの旦那様は」
美里菜があんな目にあって、まだ怒りはおさまんないけどさ、惚れ直した旦那様と美里菜が笑い合ってるの見て、良かったって素直に思った。
だけど、それはそれ、これはこれ。
翌日、あたしの前には校長、教頭、学年主任の田所先生と担任の渋沢先生が並んでた。
学校の応接室で、前に並んでる先生方が謝罪と説明をしてくれてるんだけど。
「あのさー、渋沢先生1人の力量不足にして、自分ら泥被る気はないって言ってるようにしか聞こえないよ」
責任の所在を一番立場の弱い渋沢先生に押し付けようとしてることに腹が立った。
「いや、そのようなつもりは、ただですね、いじめというか、まぁ、子供のじゃれあいみたいなもので、田所先生も指導するのは子供の自主性を奪いますし、渋沢先生の成長にもなりませんから、こう、任せていたといいますか」
教頭の説明に呆れかえる。
「なるほど、先生の認識では、暴行、傷害、器物破損、侮辱は犯罪ではないと」
「いやいや、そんな大袈裟な」
あたしの言葉に即答した教頭に。
「海斗くん、教科書に落書きされたらしいですね。日常的に殴られたり、蹴られたりしてたと。結構ひどい言葉でバカにされてたって、娘にききましたよ。娘の目から見て、いじめだったって言ってます。子供どうしのじゃれあい? じゃ、あたしの娘は正常な子供の感性じゃなく、もうジジイのあんたの感性は子供のことを理解出来るほど柔軟なのか、成長してないということ? 」
そう言うと、校長が割ってくる。
「佐々岡さん、あの、教頭も悪気があって言ったわけでは」
「悪意かどうか、そんなのどうでもいいです。事実を正しく把握するのに、恣意的で、自分たちの保身のための言葉で歪められちゃ困るって言ってるんです」
その時、渋沢先生が泣き出して謝罪をして来た。
「私の力不足で、本当に申し訳ありませんでした」
立ち上がって、ローテーブルを回り込んで、ゆっくりと腰を屈めて先生を抱きしめた。
「渋沢先生、美里菜ね、先生にありがとうって言ってたよ。誰も味方してくれなかったのに、先生だけは違ったって」
こんないい先生を追い詰めやがって、あたしの中で別の火が燃え上がる。
「もう、ゆるせない。渋沢先生は別として、あんたたち、3人については教育委員会やら、文科省やらに訴えさせて貰います。必要なら裁判もしますよ。もう、反省する気のないバカに時間割きたくないんで」
そう言って帰ろうとすると。
「ちょっ、ちょっと待ってください」
どいつか知らんが止めに来たが、あたしは振り返らず帰ろうとして。
「渋沢先生にへんな処分くだしたら、絶対許しませんからね、あたしたち夫婦は渋沢先生に感謝してます」
釘だけはさして、そのまま帰った。
旦那と2人で、必要な手続きをとり、まぁ、あの3人は懲戒の対象になったとの説明はされた。たいした処分はないだろうけど、無いよりマシでしょう。
〜〜〜〜
「本当に申し訳ありませんでした」
美里菜の怪我もだいぶ良くなってきて、部屋でひとみさんと美里菜、三人で寛いでいた時、神薙・海斗くんと、ご両親が訪ねてきた。
「私たち、いじめがあったことも、美里菜ちゃんが庇ってくれてたことも、知らず、まして、怪我をさせてしまって」
海斗くんの母親が頭を下げつつ、謝罪している。
ローテーブルを挟んで、うちの家族と神薙くん家族が向かい合ってるんだが。
「謝罪はいりませんよ。うちの娘も、いじめがなくなって欲しいとやったことで、海斗くんは悪くありませんし」
ひとみさんも、そうですよと同調して、向かいの神薙さんたちを諭してくれてる。
「あたし、海斗くんが泣いてるのヤだった」
美里菜が突然に放った言葉で、俺たちの視線は美里菜に集まったが。
「そういうことです、なので、あまりお気になさらず」
俺はできるだけ穏やかにそう言った。
「ありがとうございます。佐々岡さん2人にも、学校や田川さんたちの対応を先回りしてやって貰ってしまって、本当に申し訳ない」
申し訳なさそうに言う神薙さんにいえいえと返して、和やかな空気になりかけた時。
「この子、前の学校でもいじめられて、新しい学校に来てから、楽しそうにしてたんです。気付いてあげられなくて……わたし、どうしたら」
神薙くんの母親が泣き出した。
「おっ、おまえ、やめないかっ」
神薙さんは止めに入ったけど。俺が仲裁に入る前にひとみさんがフォローしてくれた。
「そんなの、あたしたちも同じですよ。子供のほうが大人で、お互いに苦労しますね。海斗くん、ママたちはね、いくらでも心配させていいんだよ。だまって苦しんでるほうが、悲しいの、美里菜もね」
ひとみさんの言葉に海斗くんは困ってたみたいだけど。
「ママ悲しむのいや。今度はちゃんと言うね」
美里菜の言葉に海斗くんも。
「ボクもちゃんと言うね」
そう言って、神薙さんたちは頷いていた。
「正直、これからどうしようか迷ってます。このまま、あの学校に通わせるのかと」
神薙さんの言葉に、海斗くんはお父さんの顔を見て固まっていて。
俺はなるたけ背を丸めて海斗くんに話しかけた。
「海斗くんはどうしたい」
俺の顔を見た海斗くんはまた固まってた。怖いもんな、俺。
「えっと」
すこし俯いた海斗くんに。
「転校したい」
問い掛けると。
「転校ヤダ」
即答した海斗くんの目が一瞬、美里菜に向いて真っ赤になる。
成る程、成る程。そうか。
海斗くんは優しげな可愛らしい子で、将来はイケメンになりそうだし、優しい子になりそうだなー、でも娘はやらん。
「みなとくん、へんなこと、考えてるでしょ」
なんで、ばれた。
まぁ、本当に変な妄想はおいておいて、海斗くんの言葉に神薙さんたちは驚いているようで。
「そっか、じゃあ、美里菜と仲良くしてな」
そう言って握った拳を海斗くんの前にだす。海斗くんはちょっと怯えた表情をしたあと、美里菜を見て赤くなって、それから、下を見て自分の両手に視線を彷徨わせてから、右手をあげようとして、左になおして、やっぱり右手をあげて、恐る恐るグータッチしてくれた。
「なっ、……仲良く……します」
「そうか、宜しくな」
そう言ってから、背筋を伸ばした俺は神薙さんたちに笑いかけた。
「そういうことらしいですよ」
神薙さん2人は頭を下げて。
「本当にありがとうございます」
って、息ぴったりに言って、いいなーと思ってしまった。
「今度は遊べるね」
そんな美里菜の言葉が、爽やかに吹いていた。
感想お待ちしてますщ(゜д゜щ)カモーン




