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野糞の代償

作者: バナナ
掲載日:2026/05/26

目を覚ました男は、冷たいアスファルトの上に倒れていた。


頭が痛い。 

吐き気もする。


ゆっくり身体を起こした瞬間、違和感に気づいた。


金玉がズボンからはみ出していた。

…男は無言でソレをしまう。


…あっ


そこで徐々に記憶が蘇る。

最後の記憶…


銀座で野糞をして…


そしてミニスカートギャルに盗撮がバレてボコボコにされたんだ。


キティちゃんのリュックを背負い直し、視線を上げると1人の女が立っていた。


男を隈無く観察する女…

そして女は確認する。


…髪型はスポーツ刈りでキティちゃんのリュック。

そして最大の特徴の…


間違いない。


女は恐る恐る男に訪ねた。


君…小野たけし君?


男は息を呑む。


…なんで僕の名前を?


本当!?やっと見つかったよ!


改めて報告書の情報を確認する。


年齢は現在30才で無職、乞食の息子で恋愛経験なし。

趣味は盗撮…


女は警戒しながら、たけしに近づく。


たけしは今の状況が全く理解できない。


見つかった?どういう事?!

お姉さんは誰?


そうだね、混乱するのも無理ないよね…

ちゃんと説明する。


私の名前はリカ。


そして落ち着い聞いて欲しい事があるの…


私は100年後の未来から君を探しに来たんだ。

100年後…人類は宇宙から来た怪物によって破滅寸前で…


結論から言うわ…


君は”伝説の男“!

人類を救える最後の希望なの!!


たけしは呆気にとられた。


…あっ、なんかの勧誘だったら他あたって下さい。

僕もう帰ります…


リカは咄嗟にたけしの腕を掴んだ。


ちょっと待って!

そして顔を赤らめて言った。


さっき確認したの…


そのドス黒い金玉…


君はとんでもない力を秘めた存在なの!

君の力で人類を救えるの!!


たけしは困惑する。


リカさんだっけ?多分人違いだと思いますよ。

僕はただの変態底辺ゴミ人間なんだ…


リカはそれを否定せずに続けた。


君はまだ自分の力に気づいていないだけ


…わかったわ。

証明してあげる。


リカは恥ずかしそうに服を脱ぎ、胸を見せた。


えっ!リカさん?


どーしたの?


えっ…おっぱい!?


うわぁぁぁ〜!


その瞬間、たけしのドス黒い金玉が光り出した!


僕の体おかしくなっちゃった?!


リカも驚きを隠せない。

これが伝説の男…!?


たけしは理性が飛びそうになる。


うわぁぁ!


リカさ〜ん!


たけしはリカに近づいた。


キャ〜〜!


ケダモノ!!


次の瞬間、リカはスタンガンをたけしに押し付けた。

再び、たけしは気を失う事になった。


そして数時間後…


目が覚めた瞬間たけしは絶句した。

強制的にタイムスリップさせられたのだ。


100年後の銀座はビルは崩壊し、空は灰色に濁っていた。


リカさん、ひどいよ…


ごめんなさい…たけし君を連れてくる事が私の任務だったの。


これが…未来。

本当だったんだ…


リカは静かに頷いた。


怪物達に支配された世界…


たけしは恐怖に震える。


リカは優しくたけしの手を握る。

片方の手にスタンガンを握りしめながら…


大丈夫、たけし君ならきっとできる!


今から私達のアジトに行くんだけど、もう少し時間かかるんだ。

ここは緊急の避難所で食料もある場所。


まずは腹ごしらえ!


たけし君何も食べてないでしょ?


リカはたけしに弁当を渡した。


私の手作りなんだ!

たけし君の目が覚めるまでお料理してたの!


本当!ありがとう!


たけしは生まれて初めて女性の手作り弁当を食べる。


パクパク…ムシャムシャ…

美味しい!


たけし君の食べ方犬みたいで可愛いね!


リカはそう言って笑った。


犬みたいって、ひどいよ〜


たけしはリカの愛嬌のある笑顔にだんだん惹かれていった。


ただ、たけしは恋愛経験ゼロの童貞だ。


告白のタイミングなど無視して口走ってしまう。


リカさん!僕…


その時だった。


ドォォーン!!


地面が揺れる。


避難所は壊され2体の怪物が目の前に現れたのだ。


たけしは瞬時に避難所を飛び出す。

適切に自分だけが安全な距離を確保した。


たけし君!!


リカの叫び声が響く。


君の力が必要なの!!


ごめん…リカさん僕には無理だ!


たけしは恐怖のあまりうんちを漏らしていた。


リカは怪物に捕まってしまう。


たけしはいつでも逃げ出せる準備をした。


もう1体の怪物がたけしに視線を向けた。


たけしは無我夢中で漏らしたうんちを投げつけた。


ヤバい!逃げなきゃ!


あれっ…怪物達の様子がおかしい…


僕のうんちに後退りしてる?

僕のうんち…怖がってる?


たけしは自身をうんちまみれにして怪物に近づいた。


怯んだ怪物達は逃げるようにリカだけを連れ去って行った。


リカさ〜ん!


…また逃げてしまった。


本当に情けない男だ…


たけしは途方にくれる。

あてもなく歩いていたら人の気配を感じ咄嗟に身を潜めた。


人間の女?


あれっ…リカさん?

でもちょっと違う?


その女に近づいた瞬間、回し蹴りで吹き飛ばされた。


ドォン!


ひぃ〜


近づくな変質者!


…キティちゃんのリュック?

もしかして?


お前は誰だ!


女は尋ねた。


僕はたけし…リカさんに100年前から無理やり連れて来られたんだ。


もう蹴らないで。


…リカ?


アンタがたけし?!


うんちまみれのたけしを軽蔑した目で見るミカ。


報告書通りのクソゴミ人間ね。


ひぃ〜!


女は呆れながら言った。


私はミカ。リカの姉よ。


リカにそっくりな容姿、間違えるのも無理はなかった。


ところでリカは?一緒のはずよね?


…怪物達に連れてかれた。


次の瞬間、たけしはボコボコにされる。


アンタ伝説の男なんでしょ?


なんで…


ミカは膝をついた。


気まずい時間が流れ沈黙が続いた。


…たけしは思い出した。


そう言えば怪物達、僕のうんちに後退りしてたんだ…


その時だった。


2人の前に再び怪物が現れた!


たけしは強気だった。


ミカさん大丈夫!僕に任せて!


僕はポケットに忍ばせたうんちを握りしめた。


怪物に思いっきり投げつける。


喰らえ!僕のうんち!


あれっ…全然効いてない?


チッ…やっぱりこの方法か。

ミカは服を脱ぎ胸をさらけ出した。


たけし!こっち見なさい!


たけしはミカの胸に反応した。


うぉぉぉッ!!


光り輝く金玉。

それと同時に光出すうんち。


たけし!もう一度!


喰らえ!スーパーうんち!


倒れたものの仕留めきれない。

起き上がろうとする怪物。


さっきは効いたのに…


アイツは上位種よ。

それとアンタは覚醒済み、自分でコントロールしなさい。


そんなのわからないよぉ〜


たけしは戸惑った。


…まだ時間がかかりそうね。


ミカはため息をつく。


攻撃は効いてるはずだからその隙に逃げるわよ。


ついて来て。

アジトへ急ぐわよ。


無我夢中で走り続けた。


ヘトヘトになりながら2人はアジトに到着した。


たけしは恐る恐るアジトの扉を開く。


たけしは絶句した…


そこには怪我人達がいた。

絶望する人々。


この世界が本当に終わりかけている事を、たけしは初めて理解する。


しかしミカがたけしの到着を知らせるとアジトは歓喜した。


えっ…どういう事?


混乱するのも無理ないな。


1人の男がたけしに声をかけた。


俺はアジトのリーダー満田だ。


たけし…お前を探していた!

お前の力があれば怪物達を倒せるんだ!


アジトの民衆は拳を上げ喜んだ!


しかしミカの表情は曇る。


満田さん…ミカが言いづらそうに声をかけた。


実は…


状況を満田に説明した。


…そうか。


満田は肩を落とした。


その話を聞いていた老人が呟いた。


やはりもう1人必要じゃ…


歓喜は次第に消え、人々は状況を理解して落胆し始める。


長い沈黙が流れる…


次の瞬間ミカの携帯電話が鳴る。


会えたのね…

えぇ…伝えておくわ。

ありがとう幸子。


そして電話を切る。


ミカはたけしに尋ねた。


アンタ双子の弟がいるんでしょ?


たけしは固まった。


”やすし“は15才の時に…


知ってる…ただ生きてるわ。


報告書によると2人は川で一緒に野糞をしていた。

そして最中に野良犬に囲まれた。

やすしはパニックになり誤って川に落ちてしまう。

やすしはそのまま川に流されて行方不明。


合ってる?


たけしは驚いた。


何でその話を?


やすしよ。


アンタの事心配してた。


私達はやすしに接触済みなの。


やすし…生きていたのか。


たけしはあの時自分が逃げたことをミカに言えなかった…


…じゃあ、やすしは今どこに?


秋葉原からこっちに向かってるわ。


漆黒の金玉を持つ男やすし。

潜在能力はアンタ以上かも知れない。


ただ…


まぁいいわ。


やすしが来るまで身体を休めなさい。


たけしは目を閉じ横になった。


やすし…


僕は逃げてばかりの人生だ。


数時間後たけしは目を覚ます。


それと同時にアジトの扉が開き1人の男が立っていた。


アイドルのフィギア

謎の紙袋

そしてネルシャツの上にネルシャツという奇妙なファッション。


…やすし?


死んだと思っていた双子の弟だった。


キティちゃんのリュック…?

もしかして兄さん?


あぁ、あの日お前が背負っていたリュックだ。


たけしは無言で抱きしめた。


…すまなかった、あの時。


やすしは首を振った。


会いたかった兄さん…


ミカは兄弟の再会にうっすら目に涙を溜めリカを思い出す。

…リカきっと助けるわ。


その時やすしはミカの存在に気づく。


兄さん、あの人は?  


ミカさんの事か?


へへへっ、ミカさんって言うんだ…


やすしは再びミカに視線を向ける。


ミカさんおっぱい大きいね。


あぁ、もちろん盗撮済みだ。 

後でお前にも写真やるよ。


やったー!


次の瞬間ミカは回し蹴りで2人を吹き飛ばす。


ひぃ〜!


ごめんなさい。


まったく…


数十年ぶりの再会で話す内容か?

何でこんなヤツらが伝説の男なの?


しばらくして、さっきの老人が満田と共にたけし達の前に現れた。


そして満田が紹介する。


このアジトの長老だ。

とても物知りで長老のおかげでお前達を見つける事が出来た。


そもそも、何で僕達が伝説の男って分かったの?


たけし達は疑問に思った。


よかろう。

順を追って説明してやる。


そして長老が静かに話し始める。


きっかけはこの古い書物じゃ。


そこには異様に光り輝く金玉を持つ双子の男達が侵略者を退治する絵が書かれておった。

そして絵に描かれた侵略者の紋章とアイツらの紋章が一致したのじゃ。


さらに、こう記されておった。


輝く金の玉大地に踏ん張り黄金の糞を生み出す。

黄金の糞が夜明けを導く。


それから色々な書物を読み漁った。


そしてある書物で300年前に光る金玉を持つ丹五郎という男の存在を知った。


その男は変わり物で金玉をふんどしからはみ出させて村の娘を追いかけ回していたそうじゃ。

その金玉は真っ黒で村で噂になっとたと書かれていた。


そして、その金玉は女の乳房を見た時に光り出したと伝えられておる。

その後、丹五郎の金玉はピンク色に変色し不思議な力を手に入れとされておる。

その男は現在で言う銀座周辺の場所に住んでいたと記録されていたんじゃ。


アンタ絶対その男のDNA引き継いでいるわね。

ミカは笑う。


たけし

「………」


長老は続ける。


だが情報はこれだけ…

アイツらに支配された、この状況で探すのは到底無理な話しじゃ。

それで過去に戻り何とか情報収集をし始めたんじゃ。


たけしは疑問に思う。


えっ…じゃあ丹五郎さん連れてこれば良くないですか?


満田がその疑問に答える。


タイムマシンは開発されていたが現状、試作品程度…

もちろん丹五郎を探しに行った仲間もいる。  

ただ、過去へ行ったきり音信不通…

正確に過去を行き来できるのはお前達が存在した時代が限界だったんだ。


そして何人もの仲間が情報集めに過去へ飛んだ。

ただ、意外とすぐ有力な情報が見つかったんだ。


過去に戻りSNSで光る金玉と黒い金玉を検索したら、1人の女性の投稿が見つかったんだ。


そこには


今日キティちゃんのリュックを背負った変質者に盗撮された

なぜか真っ黒い金玉がはみ出していて本当気持ち悪かった


ミカの軽蔑した視線がたけしに刺さる。


たけし

「………」


…まぁ、そう言う事だ。

満田は話しを続ける。 


そして、その情報を頼りに聞き込みしていたら決定的な情報を掴む事になる。


道端でダンボールに包まった男がお前の存在を知ってたんだ。

一時期、一緒に行動していたらしい。


話しによるとテルオと言う男の息子で、よく一緒に空き缶拾いをしていたと。

そこで名前と現在の年齢、特徴を知る事が出来た。

キティちゃんのリュックが印象的でよく覚えていたそうだ。


そしてこの情報を元に探していたらリカがお前を見つけたんだ。


これで捜査は完了かと思ったが、まだ話しは終わらなかった。

SNSを通じて一通のメールが届いたんだ。


差し出し人はやすし。


キティちゃんのリュックにピンときたらしい。

そして驚く事に自身も金玉が黒い事を教えてくれた。

事情を説明して人類のピンチを救って欲しいとやすしに頼む事にしたんだ。

まさか双子とはビックリしたよ。


まぁ、こんな流れでお前達に辿りついたんだ。


長老は再び話し出す。


きっとお前達はあの伝説の双子の再来…

人類を救う唯一の希望じゃ。


ただ、ひとつ問題があってのう。


お前達の覚醒方法は生身の女の乳房を見る事、それはさっき説明した通りじゃ。


たけし。

お前はリカの乳房に反応し金玉が光り出したと聞いておる。

もう既に覚醒済みじゃ。


だが、やすし。

お前は幸子の乳房にかすかに反応したが不規則な点滅だけで覚醒しきれておらん。


どうしたもんじゃのう。


その時だった。


シャワーを浴びてバスローブ姿の幸子がやすしの視界に入った。


やすしは偏った性癖の持ち主でバスローブ着衣おっぱいに異様に興奮する体だったのだ。


それを見た瞬間やすしが震え出す。


次の瞬間やすしの金玉がとんでもない光を放った!


うゎぁぁぁ〜!


兄さん〜!


たけしもとんでもない輝き方に驚く。


すごいぞ!やすし!

これは覚醒だ!!


たけしも負けじと覚醒モードに入る。


うぉぉぉぉ〜!


その時だった。

2人の金玉が共鳴しあう。


アジトの中が眩い光に包まれたその時だった


たけしが宙に浮き出した!


その不思議な光景にアジトにいた人々も驚きを隠せない。


プップップッ!?


あれっ?兄さん?!

宙に浮いてる?


やすしの覚醒により2人の金玉が共鳴してオナラで空を飛べる能力が発動したのだ。


プップップッ〜!!


すごい!オナラで空を飛べる!


たけしは嬉しそうに空中を旋回した。


プップップッ!!


やすしも満面の笑みでミカに言った。

ミカさ〜ん!僕、宙に浮いてるよ!


ミカは呆れながらも、静かに兄弟を見つめていた。


…でも


この2人なら本当に人類を救えるかも知れない。


その時だった。


大変です!リーダー!

怪物達が攻めてきました!


満田の部下が言った。


幸い攻めてきたのは下っ端の怪物達で、この場所はまだバレていません。

ただ…時間の問題です。


怪物のボス“キング”は基地に居る模様です。

リカさんを人質にとって…


…結局キングを倒さねば。


満田は苦渋の決断を迫られる。


ミカは自ら志願する。


私がこの2人を基地まで案内するわ。


満田は危険すぎると止めた。


ミカは以前、基地に潜入捜査をした事があるのだ。


あの時はただの偵察。

今回はキングと対峙する事になる。

そうすればお前も無事ではいられないぞ!


…妹が助けを待ってるの。

この2人に私は賭けたいの!


満田はたけし達を呼び寄せる。


いいか、お前達ミカを頼んだ!

死なせたら承知しないぞ!


2人と固い握手を交わす。


わかりました!


たけし達も張り詰めた空気に背筋が伸びる。


そして長老とも固い握手を交わした。


頼んだぞ…


未来の英雄達!


やすしがミカに駆け寄った。


ミカさんは僕が絶対守ります!

安心して下さい!


屈託のないやすしの笑顔にミカは少しドキッとした。


アンタの助けなんかなくても大丈夫なんだから…

サッサと準備しなさいよ!


そして出発の時間が迫る。


たけしはちょっとその前にと、やすしを外に誘い出した。


銀座の空を見ながら2人での野糞。


言葉は要らなかった。


そして空を見上げるたけし。


やすし…

もう僕は逃げたりしない。


そして出発の時間が来た。


満田が言った。


この場所もいずれ怪物達が攻めてくる。

だが俺達がこのアジトを死んでも守り抜く!

だからお前達もキングを倒しリカを救い出してくれ!


アジトの民衆が拳を上げた!


人類の命運は2人に託された。


お互いの無事を祈りアジトを後にするたけし達。


…そして敵陣周辺に辿りつく。


ここからは慎重に行くわよ。


ミカが先導する。


いい?長老に言われた言葉を思い出して。


たけし達は思い出す。


お前達の攻撃手段は糞を投げる事のみじゃ

それ意外は最弱人間…

無駄なエネルギーは使わずキングに全てのエネルギーをぶつけるのじゃ!


たけし達は頷く。


そして基地へ進んで行った。


だが、たけしの軽率な行動で最悪の事態が訪れる。


落ちていたまんじゅうを拾い食いしてしまったのだ。


それにより激しい腹痛に襲われる。

顔を歪めるたけし。


アンタ、大丈夫?

ミカが心配そうにたけしを見つめる。


ただ、やすしは冷静だった。


兄さんの悪い癖だよ。

兄さんは昔から落ちてる食べ物を躊躇なく食べちゃうんだ…


でもミカさん、心配しないでいいよ。

10分もすればすぐ治まるから。


たけしは激しくえづいた。


数分後まんじゅうを吐き出す。


たけしは涙目になりながら言った。

もう大丈夫…


先を急ごう。


しかし、たけしの激しいえづきにより怪物達に見つかってしまう。

あっという間にに怪物達に囲まれてしまった。


チッ…

ミカは表情を曇らせる。


アイツら上位種ってヤツだよね…

どーしよう…


たけしは怖気づく…


ミカは戦うか迷った。


たけし達のエネルギーは有限。

キングとの戦いに温存する必要がある…


ミカが決断する。


たけし!やすし!


逃げるわよ!


…えっ


ミカは愕然とした。

2人は既に怪物達に捕まっていたのだ。


ごめん…ミカさん。


2人がミカに謝る。


呆然とするミカ。


3人は何も抵抗できず敵の基地に連れて行かれた。

そして基地の中央にある大広場へ辿りつく。


キング様、侵入者を連れてきました。


キングは大きな椅子に腰を掛けていた。

鋭い視線を3人に向ける。


そしてキングは訪ねた。


何しに来た?


ミカは咄嗟に言った。


妹を返せっ!


クククッ…キングは不敵に笑う。


ほぅ、アイツの姉か。

威勢がいいな。


だが、それは出来ないな…


あの女は私の妻になったのだ。


そして部下がリカを連れてきた。


ドレス姿のリカ。


お姉ちゃん!たけし君!


リカが叫んだ。


たけしも叫ぶ。


妻?!…どういう事だよ!!


リカ、お前から説明するのだ。


リカは怯えながら話す。


わたし…この人と結婚する事にしたの…


えっ…


言葉を失うたけし。


リカは話を続ける。


そうすれば地球から出て行くって約束したの。

アジトのみんなも傷つけ無いって…


まぁ、そういう事だ。


だが…


たけしとやすしに視線を向けるキング。


お前達は生かしてはおけん。


お前達、妙な力を持ってるらしいな?

まぁ、私の足元にも及びはせんが。


私は臆病な性格なんだ。


キングはニヤリと笑った。


リカが叫ぶ。


約束が違うじゃない!


泣き叫ぶリカ。


キングは静かに口を開く。


この3人は侵入者…話は別だ。


心配するな、お前の姉には手は出さない。


キングの指先が光る。


レーザー光線?


咄嗟にミカが叫ぶ。


アンタ達!


エネルギーを溜めるのよ!


しかしキングの圧倒的な威圧感の前に固まる2人。


…ダメだ間に合わない。


ミカが諦めかけた時、空から1人の男が降って来た。


ズドォォーン!


そしてもう1人、女が男の上に落ちて来た。


ウゴッッ!


男は悶絶する。


おい!女!

どーなってんだ!


わめき散らす男。


私も知らないわよ!


ケンカする2人。


ミカは女の存在にすぐ気づく。


ヤスコ?


そこには丹五郎を探しに過去へ言ったヤスコの姿があった。


じゃあ、あの男は丹五郎?

その姿はたけしとやすしにそっくりだった。


キングもさすがに動揺した。


何事だ!


丹五郎の視界にキングが映った。


そして丹五郎は瞬時にキングを敵と見なした。

キングの額のマークに危険を察知したからだ。


それと同時に踏ん張り雄叫びを上げた!


うぉぉぉぉ!!!


黄金に光る金玉!

そして野糞の態勢に入る。


モリモリッ…モリモリッ


大量の糞を放出した。


そしてキングに投げつける!


喰らえ!!黄金の糞ぉぉ!!


その威力は凄まじくキングを吹き飛ばす。

そしてキングは倒れ全く動かなくなった。


ハァハァハァ…


息を切らす糞五郎。


あまりの光景にそこにいた者達は言葉が出ない。


そしてキングの部下達は逃げ出した。


それを見たリカはミカ達の元へ走る。


抱き合う2人。

泣きじゃくるリカを再び抱きしめるミカ。


そして、たけしも駆け寄った。


リカさ〜ん! 

無事でよかった。


たけし君…ありがとう!


そしてミカとヤスコの視線が合う。


ミカはヤスコに歩み寄る。


心配してたのよ…

もう戻ってこないと思った…


私も、もうダメかと思ったわ。

ただ、奇跡が起きたの。


ヤスコは経緯を語った。


最初は順調だったの…

丹五郎の居る時代に無事到着できた。


しばらく村を歩いていたら騒ぎが起きていたの。

何事かと思って見に行ったら、村の女が男をボコボコにしてたの。

聞けば、この男が女湯をのぞきしてたらしくて。


ミカ

「…………」


ボロボロになったその男のよく見てみると、あの特徴と一致したの。


もしかして…この男、丹五郎?


改めて確認したら丹五郎本人だったの。

とても屈強な体の持ち主だった。

そして事情を説明した。


丹五郎は何の疑いもなく


面白そうだな。


と言って、ついて来てくれた。


ここまでは順調だった…


ただ、今の時代に戻る途中に機械トラブルが起きてしまうの。

私達は時空の間を彷徨う事なった。

もうダメかと思ったら空間が歪み突然タイムゲートが開いたの。

無我夢中で私達はそこに飛び込んだ。


そして、この時代に放り出される形で戻ってこれたの。


ミカはこの奇跡のようなタイミングに驚いた。

やっぱり、この双子何か持ってるわ…


しばらくして丹五郎はたけし達に気づく。


えっ、お前ら…

俺にそっくりじゃねーか!


たけしも驚きを隠せない。


ただ、すぐにピンときた。


丹五郎さん?


何で俺の名前を?


僕達はあなたの子孫!


丹五郎は驚きながらも、これだけソックリならそーだろうな。

じゃあ、お前らも光る金玉持ってんのか?


うん!


そうか!

そりゃ頼もしいな!


ハッハッハ


豪快に笑う丹五郎。


そして、たけしは丹五郎に質問する。


でも僕達この力に気づいたのは最近なんだ。

まだ使いこなせてなくて。

どうしたら、あんな力出せるの?


どうしたらって?


そんなのただ全力で踏ん張れ!


それだけだ!


ハッハッハ!


そう言って豪快に笑う丹五郎。


そして丹五郎は続ける。


ただ、この力にも欠点があってな。

あの技はいざって言う時に使う為の物。

その後、数日は使えねぇんだ。


そして2人の肩を抱き寄せる。


まぁ、まだまだ修行が必要だな!

でもお前達なら大丈夫だ!


俺の子孫だからな!


ハッハッハ!


そう言ってまた豪快に笑った。


その時ミカが丹五郎に視線を向けた。


丹五郎にひとつの疑問を問いかける。


アンタ、瞬時にアイツに攻撃したけど凄い判断力ね。

どうして敵だって気づいたの?


あぁ、それはアイツの額の紋章なんだ…

あれは侵略者の紋章。

俺達の先祖代々から受け継がれた伝説の話があってな…


やすしが興奮気味に話す。


凄い凄い繋がった!

やっぱりあの伝説本当だったんだ!


そうか、お前達の代まで伝わっていたのか。


なんか、すげーな!


丹五郎はまた笑った。


しかし次の瞬間、キングの叫び声が響き渡った。


クソ共がぁぁ!!


まだ終わっていなかったのだ…


キングは肩で息をしながら立ち上がった。


ハァハァハァ…


予定変更だ。

お前ら全員皆殺しだ!


そしてキングの指が光った。


次の瞬間レーザー光線が放たれる。


そしてレーザー光線は不運にもミカの肩を貫いた。


その場に倒れるミカ。


一瞬の出来事にその場にいた全員が固まる。


リカは膝から崩れ落ちる。


たけしも言葉が出ない。


ミカさ〜んっ!!


やすしがミカに駆け寄る。


ごめんっ!ミカさん!!

僕が守るって約束したのに!!


ミカはやすしの手を握った。


…大丈夫。

これぐらいじゃ私は死なないわ。


やすしは叫び続ける。


ミカさ〜ん!


実は僕…ミカさんの事…


ミカはやすしの言葉を遮った。


知ってるわ…アンタの気持ち。


まだ戦いは終わってない…

アンタ達がみんなを救うの…


全て終わらせた時さっきの言葉の続きを聞かせて…


ミカは笑った。


そして気を失うミカ。


ミカさ〜ん!


それでもキングの攻撃は止まらない。

今度はキングのレーザーがリカに向かって放たれる。


リカは反応出来ない。


それを見たたけしがリカを庇った。


レーザーがたけしの肩をかすめる。


たけし君!!


リカが叫ぶ。


僕は大丈夫…


リカに優しく微笑んだ。


僕の大切な人を傷つけるヤツは絶対許さない!


そしてキングを睨みつけた。


長老の言葉を思い出すたけし


お前達は伝説の双子の再来…


僕はもう逃げたりしない。


そうだ!僕達がやるんだ!


やすし!行くぞ!!


僕達の全てをアイツにぶつけるぞ!


やすしはミカを見つめた後、力強く頷いた。


だが、キングは隙を見せない。


同じ手に乗るかぁ〜!


瞬時にたけし達に襲いかかる。


その時、再び丹五郎が2人を救う。


キングに突進して行く手を阻む。


うぉぉぉ!行かせるか!


丹五郎の屈強な体から繰り出される拳にキングも膝をつく。

そして激しい肉弾戦が繰り広げるられた。


瀕死のキングだったが力の差を見せつける。

丹五郎は驚異の粘りを見せたが健闘虚しく力尽きた。


…うっとおしいクソ共がっ!


キングは息を切らし丹五郎を睨みつけた。


その場に倒れ込む丹五郎…


ハァハァハァ…


そして、たけし達を見た瞬間言った。


…俺達の勝ちだ。


そう呟いてニヤリと笑った。


既にたけし達はとんでもないエネルギーに包まれていたのだ。


キングもその凄まじい光景に言葉を失った。


なんだ…あのエネルギーは…


そして2人を呆然と見つめる事しか出来なかった。


丹五郎さん!


ありがとう!


後は任せて!!


うぉぉぉぉぉ!!


2人は全身から光を放ち続ける。


丹五郎は薄れゆく意識の中、2人を見つめていた。


凄いぞ!全身が光ってやがる…

俺の力なんて比じゃねーな…


アレッ…虹色?


気のせいか?


丹五郎はイヤな予感を感じる。


うぉぉぉぉ!!


もっとだ!!


2人の体が虹色に光出す。


そして大地に踏ん張りとんでもない量のウンチを放出する。


モリッモリモリッ!モリッモリモリッ!!


うぉぉぉぉぉ!!!!


もっと!!


マリッマリマリッ!マリッマリマリマリッ!!!


うぉぉぉぉぉっ!!!!


凄いぞ!とんでもない量だ!!


2人は空を見上げる。


人生で最高の野糞だぁ〜!!


たけしが叫ぶ。


兄さんっ!僕もだよ!!


2人の体は完全に虹色に光輝く。


そして虹色に光るウンチを掴む2人。


行くぞ!やすし!!


うん!兄さん!!


虹色に輝くウンチを掴み振り被った。


喰らえっ〜〜!!


ファイナルウンチレボリューション!!!!


凄まじい爆風とともにキングに放たれた!


ドォォォォンッ!!!


キングは圧倒的な力の前に立ち尽くしかなかった。


そして勝負は呆気ないほど簡単に決まる。

あまりの威力にキングは跡形もなく消されてしまったのだ。


やりやがった!

アイツら最高の兄弟だ!


震える声で丹五郎が叫んだ。


激戦を繰り広げた丹五郎の体力は限界だった。


見かねたヤスコが丹五郎に駆け寄る。


丹五郎!大丈夫?


あぁ…だがちょっと休ませてくれ…


ヤスコの膝の上で眠る丹五郎。


その光景を見たたけしが呟いた。

丹五郎さん、あなたのおかげだよ。


一方やすしは慌ててミカの元へ駆け寄った。


ミカさ〜ん!


大丈夫?死んじゃ嫌だよぉ!


すでに目を覚ましリカと共に座っていた。


幸い致命的な怪我ではなく元気だった。


アンタは大袈裟なのよ!

こんなので死なないから!


そう言い、照れくさそうに笑う。


横にいたリカも笑った。


リカは少しからかうように話す。


やすし君本当お姉ちゃんの事大好きなんだね。


…いや、そんなんじゃなくて。


そう言って照れるやすし。


そしてミカがやすしに視線を向かる。


そういえばアンタ、私に何か言いかけた事あるわよね?


さらにやすしをからかう。


えっ…いやっ…


顔を真っ赤にするやすし。


ミカは話しを続ける。


今度…デートでもしよっか?


えっ?本当に?!

満面の笑みで大きく頷くやすし。


そしてたけしも輪の中に入る。


ミカの容態を確認して安堵する。


ミカもたけしに気づく。


アンタ達、本当に最低で最高な兄弟だわ!


そう言って笑った。


そしてたけしと握手を交わした。


それと同時にリカがたけしに視線を向ける。


たけし君…本当ありがとう!


君なら絶対出来きると信じてたよ!


たけしは照れくさそうに話す。


…僕リカさんと出会えて変われた気がするんだ。


お礼を言うの僕の方だよ。

ありがとう…リカさん。


その後、とても平穏な時間が流れた。


へへへっ…デート楽しみだなぁ。


ミカは呆れながらも優しく笑う。


そしてリカは、そっとたけしの手を握った。


終わったんだね。


うん。


たけしは静かに頷く。


たけしにとって幸せな時間が流れる。


だが運命は残酷だ。


次の瞬間…


…えっ?


たけし君?


リカの表情が凍りつく。


たけしの身体が透け始めていた。


たけしも驚き自分の手を見る。


指先が虹色の光になって消え始めた。


ミカもやすしの身体の異変に気づき青ざめる。


それと同時にやすしの身体も透け始める。


そして目を覚ました丹五郎がその光景を目にする。


お前らその光?!


すぐたけし達に駆け寄る。


ミカは丹五郎に問い詰める。


どういう事?何なのこの光?


丹五郎は唇を噛んだ。


ちくしょう!


あの話は本当だったんだ。


あの話って何?


ミカは声を荒げる。


俺の爺ちゃんが言ってた話だ。


この力は稀に大覚醒が起こるらしい。

その力は莫大で、その力の代償によって最後は虹色の光になって消えちまうって。


ただ、そこまで行くには相当な修行が必要らしい。


まさか、この兄弟にこんな力があったとは…

力の上限を超えちまったんだ。


すまん!


俺が早く止めるべきだった!


えっ?じゃあたけし君達消えてなくなっちゃうの?!


そんなの嫌だよ!


リカが取り乱す。


その横で膝をつくミカ。


兄さん!

僕達の身体消えかけてるよ!


やすしも動揺を隠せない。


ただ、たけしは意外と冷静だった。


やすしの肩をそっと抱きしめる。


大丈夫だ、兄さんがついている。


その言葉を聞き、やすしは静かに頷いた。


そして、やすしも運命を受け入れる覚悟を決めた。


うつむくミカにやすしが寄り添う。


ミカさん…


デート行けなくなっちゃったみたい…


ミカの表情が崩れる。


アンタ…


アンタ約束したじゃない…


その声は怒っているようで泣いていた。


やすしは苦しそうに笑う。


ヘヘっ


ごめんなさい…


こんなのあんまりじゃない!


その場に泣き崩れるミカ。


ずっと強気だったミカが始めてやすしに涙を見せた。


沈黙の時間が続いた。


ただ、ミカも涙を拭き運命を受け入れる…


アンタ、本当に変態で最低だったけど…


最後だけは、カッコよかったわよ!


やすしは泣きそうな顔で笑う。


ヘヘへっ


始めて褒められた。


そしてたけしはリカに駆け寄る。


嫌だよ…


リカは声を上げて泣いていた。


リカさん、泣かないでよ…


僕、最初は怖くて逃げてばっかりだったけどリカさんがいたから最後まで戦えたんだ。


リカさんに会えて本当幸せだった!


リカは首を横に振る。


ダメ…いなくならないで…!


僕…リカさんの事…


しかし


最後まで言葉になる事はなかった。


次の瞬間たけしの身体が虹色の光となって消えていく。


たけし君?


リカは震える手を伸ばした。


だがその指先は空を掴むだけだった。


やすしも同時に消えていく。


ミカは崩れ落ちる。


やすし!!


そして虹色の光が二人を包み込んだ。


人類を救った兄弟は静かに存在を消した…


訪れる静寂。


そしてリカの足元にキティちゃんのリュックがだけが残されいた…


リカはおもむろにリュックを拾い上げた。


そして抱きしめる。


お姉ちゃん…


2人共いなくなっちゃったね…


まったく…アイツら最後まで自分勝手なんだから。


リカが空を見上げた。


お姉ちゃん!


空に虹が架かってる!


ミカは静かに笑う。


アイツら柄にもない事しやがって…


そして大粒の涙を流す。


リカは空に向って言った。


ありがとう…


そして兄弟は虹の橋を渡って星になった。






















































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