第8話 行き当たりばったり
契約が出来たので社長は外に出ていた人たちを呼び戻した。KUのことを一切悟らせず、普段通りにしていてすごい。俺ならぜったい顔に出るし。ああ、ちゃんと変身したよ?
「では、改めまして。この事務所に今日から所属します。拳野氷です。よろしくお願いします」
「え、所属するんですか!?」
「社長!?」
「ああ、保護者とも確認が取れてね。機材関係は後日になると思うから、機材が届いてからデビューの日を決めようか」
「わかりました」
「じゃあ、今日のコラボ配信楽しみにしているよ」
「放送事故を起こして『なまむぎチャンネル』がBANされないように気をつけまーす」
【大切なお話です。】
・大事なお話……?
・サムネもいつものじゃなくて心配
・大丈夫かな?
うわ、五分前から待機人数やコメントすごいわ。五万人とかやば……あの一件で登録者が爆伸びしたって聞いたけど……ここまでとは……
「すごいですね」
「そ、そうですね。あの件で登録者が増えたんですが全て氷さんのお陰で......私たちはこの人たちを引き留めなきゃ......」
「みんなが見たいものと私たちがしたいものも違うしね~」
「私たちはあまりダンジョン探索をしないんですが......」
確かに彼女たちは幼馴染四人組でゲームや雑談が多く、ダンジョン関係も初心者向けの解説が多かった。あの動画も非公開にされているしなんで行ったのかもわからない
「なんで広島ダンジョンに行ってんですか?」
「あの......敬語じゃなくて結構です」
「ん、わかった」
「広島ダンジョンに言った理由ですか......当時そこで珍しい魔鉱石が手に入るという噂があって綺麗だったしランク的にもちょうどいいかなって」
ああ、なんか女子が言ってた気がする。エメラルドっぽい魔鉱石が手に入るって。C級ダンジョンも何度かクリアしていたみたいだしランク的にもちょうどいいのか。にしても中学生でCとは……優秀なんだな
話していると配信開始時間になった
「こんなー! なまむぎチャンネルのならと!」
「こんまー! いつも笑顔のマーサと!」
「こんむー! むいむいと!」
「ぎんちゃんでーす!」
「今日は大切なお知らせがあります!」
一瞬でお仕事モードになった。笑顔が素敵。流石プロ。
・こんなまむぎ!
・よかった笑顔だ
・かわいい
・癒しだ
「なんと! ルミナス事務所に新しいお仲間が来ます!」
・新メンバーキタ――(゜∀゜)――!!
・なんでここでいうの?
・公式Dwitterでも告知なかったよ?
・まさか!?
「では紹介お願いします!」
「......そういえばチャンネル名と名前考えてなかった」
「え!? ちょっと!?」
・!?
・マジ!?
・お姉さまー! 踏んでください!
・キ〇ガイ野蛮ゴリラだ!
「誰がキ〇ガイ野蛮ゴリラだ! 私はゴリラじゃない!」
「怒るところそこですか!?」
・【速報】謎の少女、ゴリラ呼びを嫌う
・ルミナス事務所よく交渉しようと思ったな!
・お姉さま ペロペロ
・トレンド一位おめ
「わ、本当だ!」
「おうおう、トレンド上位に必ずゴリラがあるのはいかんでしょ」
「お姉さんって少し変わってますよね」
「なんか最初にあった時と全然違うわね」
「優しかったでしょ?」
「怖かった」
「次は私たちかなって思いました」
「いつも笑顔の私でも笑顔は無理でしたね」
「全裸土下座する準備は出来てましたわ」
・草
・それはそう
・なにがあったんや
・話を聞く限りゴリアテを殴り殺した後に笑顔で歩み寄ったんやろうなあ
・草。俺なら失禁してるね
「チャンネル名の話だけど、どうしましょうか」
「拳チャンネル!」
「むいむい! すみません、すみません! 言い聞かせておくので!」
「先輩が言うならそうせざる負えないですね......」
・これってパワハラですか?
・むいむいちゃん、やはり大物か……!
・もしや結構詳しいな?
「いつまでもゴリラ呼びは嫌なので名前だけ決めますか。先輩達ってどうやって決めたんですか?」
「苗字をもじりました」
「私名前~!」
「あだ名を......」
「私も名前ね」
「......じゃあ魔拳します」
「理由は~?」
「ここに所属する前のコーチ的な人に拳闘士っていわれて、そこに魔法要素を入れたの。だからみんな魔拳ちゃんって呼んでね~!」
・魔拳……! かっこいい!
・シンプルイズベスト
・この子……すぐ適応してる!
・さてはこちら側だな?
「まあ、そこらへんは後で詰めるとして......じゃあ行きましょう! 質問コーナー!」
「魔拳さんについて多く質問を頂いたのでその中からいくつか答えていただきますね」
・質問コーナーきちゃー!
・色々知れるのは熱い!
・知りたいこと多かったしいいね!
・事務所とかにも来てただろうからな
「最初の質問です。『何者ですか?』」
「探索者です」
・いやそうだけど!
・答えなんだけどそうじゃない
・違う、違うそうじゃない
「『なんであそこにいたの?』」
「転移トラップ」
「『なんで途中で魔法を使ったの?』」
「そっちの方が早く倒せると思ったから」
「『あの魔法は何ですか?』」
「初級魔法です」
「嘘はよくないですよ」
・あれが初級魔法?
・あれはコキュートスではない、グラキエースだ!
・初級魔法であれとか……
・嘘乙
・……確かに魔法をマスターして、尚且つ魔力が上質なら可能か……?
「本当なんですー」
「ここからはSNSやコメントから拾っていきますね」
そう言うとそれまで以上にコメントが加速した。これまでも登録者百万人が周年配信するとき並みだったのにそれ以上とは……。俺というコンテンツやばいな
「『暇なとき何していますか』」
「配信見たり、ゲームしたり」
「『好きな食べ物は?』」
「タン」
「『なぜルミナス事務所に?』」
「配信に興味があったから」
「『戦闘スタイルは剣ですか?』」
「剣の時もあれば素手の時も。最近魔法を覚えました」
「『まず、年齢を教えて』」
「十六」
「『なまむぎちゃんたちについてどう思う?』」
「見たことなかったですが私とは住んでいる世界が違いました。コスメとかわからないです」
「化粧とかしないんですか?!」
「え、うん」
「嘘......」
・ふぁ!? 死にたい
・すっぴんでこれとか……
・世の中の女性を敵に回したな!
・燃やさなきゃ……
「気、気を取り直して『推しは?』」
「筋肉さんと火力さん。あとはMARINAさん。両方ともグッズもってる」
「『配信でしたいことは』」
「ダンジョン探索とか? まだ決まってない」
「『流派は?』」
「我流」
「『なんで笑ってたの?』」
「リズムゲーみたいにポンポンいったから......」
・ひえ
・確かにあれはサクサクだった
・音ハメみたいできもちよさそうだったもんな
・『MARINA Ch』:きれいな笑顔でした
「わぁ......わぁ......推しが......ボイス良かったですぅ!」
・オタクで草
・一般的な俺たち
・拝むな拝むな
・なまむぎちゃんたちが嫉妬するってw
「多分この後公式アカウントが出来ると思うのでフォローお願いします! ルミナス公式がアナウンスするやつ以外全部偽物なので!」
・おk
・把握
・すぐ百万行きそう
・下手したら国内の配信者のなかで一位になる可能性もある
・海外でもバズってたしな
そうして特に荒れることなく一発目の配信は終わった。終了後アカウントを作り、その場は解散となった
魔拳ちゃん@ルミナス
@MakenChan_Luminous
ルミナス事務所所属の新人配信者です。FMやFN等は未定
裁縫セットはドラゴン、修学旅行では龍のキーホルダーや木刀を買う系の配信者
Notゴリラ, Yesマーちゃん
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[魔拳です。ゴリラというな。マーちゃんって呼んでね
My name is Maken! Don't call me a gorilla! Please call me Ma-chan!]
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こんにちは、月照です。誤字脱字、誤記等ある場合は報告してくださると幸いです
レポート課題が一番嫌いかもしれない
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