*『千代の過去と一人の少女』
今日も今日がやってきた。ちなみに私は家だ。
私の家は世に言う“裕福”な家庭だ。小坂家の次女として育った。
父の望む姿を追い求めた結果、私も優秀に育ったものだ。
私が小学生の時、母は長女を連れて家を出ていった。原因は裕福な家庭にはつきものの不倫である。
当主である父親は、外に女を作る始末。
父に悪気はないのだ。
ただ身体が外の女を求めているだけ。だから私も責める事すらしない。
いや、責める資格がないのかもしれないな。本当の家族ではないのだから。
好きの反対は無関心とはよく言ったものだ。
―――数年前
「お前は理世よりも優秀に育った。何か褒美をやろう。」
「私の望みは―― 」
父親から言われたこの一言は、私の人生というものを左右することになった。
―――
さてと、前置きはこれくらいでいいか。私は学校へ向かう。こんなにナチュラルで一般的な女生徒に擬態している私に気づく奴などそうそう、いn、、いや、いたな。私の本性に気づいた奴が。
幼少期に自宅付近の公園を歩いていた時だったか。まぁ、私よりは美人じゃない同世代の少女に言われた言葉は今でも覚えている。
『仮面つけてるみたいで変なの。』
初めて会ったやつにケンカを売られたと思った。
結局その子とは別れたが、私の本性に気づいていたんだろうか。
「元気にしてるかな、あの子。」
小さくぼそっと言った。
「ハクション‼ 誰か私の身を狙っている!?大変組織に連絡しないと。」
(誰も中2に興味ないよ、、)
と思いはするが伝えないでおく。
お読みいただきありがとうございました!
誤字・脱字等ご教授welcomeです。
評価・感想・レビューいただけますと執筆捗ります。