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最後の恋……  作者: 澤田慶次
94/221

県民体育大会は大詰め……

県民体育大会は最終日です。

12月最後の日曜日、高松は県総合体育館に居た。本日は県民体育大会の最終日であり、準決勝と決勝が行われる。

おっさんずは本日も第2試合、勝てば最終、第6試合で決勝戦を行う。高松達は9時からアップを始める。

1試合目がハーフタイムになると、高松達はコートに入りシュート練習をする。終わるとすぐにコートから出て、山中先生の元に集まる。

「今日で終わりだな!」

『はい!』

「やる事は1つだ!…分かってるか?」

『はい!』

「よし、やるぞ!」

『はい!』

おっさんずはユニフォームに着替えた。


1試合目が終わり、高松達がコートに入る。軽くシュート練習をしてから山中先生の元に集まる。

「スタメンはいつも通り、作戦もいつも通り……いつも通りに勝って来い!」

『はい!』

主審がホイッスルを鳴らし、両チームが入って来る。

準決勝の相手はオレンジクラブであり、県では木の葉クラブの次に歴史がある。新井が所属していたクラブだ。

相手のメンバーは若い。平均年齢は30くらいである。本日は2試合、なかなか大変な様だ。

おっさんずは相変わらず、ディフェンスからスタートをする。

オレンジクラブボールで試合が始まる。

オレンジクラブがボール回しをすると、すぐに新井がパスカットし逆サイドの栗原にパスを出す。栗原はこれを受け取ると、そのまま1人でシュートまで決めて来た。おっさんずの先制である。

オレンジクラブはすぐにリスタートし、おっさんずに襲い掛かる。

速いパス回しから思い切ってシュートを放っていく。これをGKの高松が苦もなく止め、サイドの押山にパスを出し、押山は冷静に得点して来る。本日の高松は今までの試合より動きがいい。

オレンジクラブは高松に色々とシュートを放つが、城北学院戦の時の様に高松はシュートを止めていく。更には、止めた後は殆どをワンマン速攻に繋げて行く為、点差はどんどん開いていく。

前半25分を過ぎた時には、おっさんずは15点目を決めていた。

前半終了間際、オレンジクラブはペナルティスローを貰う。シューターはオレンジクラブのエース、GKは勿論高松である。

1対1のこの勝負、高松は当たり前の様にシュートを止める。高松からパスを貰った新井は、野沢と猪狩に一瞬目線を送ると、3人が物凄いスピードで走り出した。

新井は小川にパスを出すと小川は相手ゴールに背を向けてパスをキャッチする。そこに目掛けて野沢と猪狩が対角線に走り込んで来る。小川はパスの仕草をし、野沢と猪狩はクロスしてジャンプをする。オレンジクラブの面々はどちらかがシュートを放つと思い、両方にディフェンスが付く。その間から小川の渾身のシュートが放たれ、オレンジクラブのゴールネットを揺らした。

このプレーは、高松達の高校時代のプレーであり、オレンジクラブの心を折るのに最適であった。

オーソドックスにやっても上を行かれ、トリックプレーには反応出来ない。点差以上にオレンジクラブのメンバーへのダメージは大きい。

前半17-6で折り返したが、後半はオレンジクラブは戦意喪失となり、おっさんずはメンバーチェンジを行いながら結局、37-12という大差で決勝に進んだ。

もう1つの準決勝は、木の葉クラブが柿の木クラブを24-18で下し、決勝は木の葉クラブ対おっさんずとなった。


高松達は早めの昼食を摂りながら木の葉クラブの試合を見ていた。

しかし、高松は少しだけ試合を見るとすぐに外に出てしまった。高松は今の自分達の出来る事を理解している為、どんな試合をしていけばいいのか分かっていた。

外で1人、ゆっくりと柔軟体操をしながら試合に向けてアップをしていく。

「介っち!」

「何だ亮、今日は休みか?」

「日曜日だからな!…応援に来たぞ!」

「後は決勝だけだ……しっかり見とけよ」

「おう!」

「2人で何やってんだ?」

「「石谷!」」

「よう!…応援に来たぞ!」

「後は決勝だけらしい…いいタイミングだな!」

「決勝に行かなかったら、高松を殴ろうと思ってな!」

「……ボクサーは殴っちゃダメだろう?」

「お前には特別だ!」

「……嬉しくねぇなぁ……」

「トレーナー、ここだったんですか?」

「探しましたよ!」

「「高松さん岡崎さん、久しぶりです!」」

「池本さんに徳井さん……わざわざ来てくれたんですか?」

「高松さんの試合、気になりましてね」

「試合に勝ったし、せっかくなので!」

「そういえば、徳井さんは完勝だったよね!」

「そうですかぁ?……高松さんはどう思います?」

「寄せ付けなかったんだから、完勝だろうけど……歯車が噛み合ってなかった感じかな?」

「ははは…ばれました?」

「流石は高松だな!」

「徳井、高松さんには隠せねぇぞ!」

「石谷さん、こっちに居るなら一声掛けて下さいよ!」

「本当ですよ!」

「探したんすから!」

「あれ?…篠原さんに喜多さんと手塚さん……何でみんなも?」

「池本さんから見に来いって……」

「絶対に必要だと……」

「僕は個人的に、高松さんの試合が見たかったんだけどね!」

「介っち、石谷……篠原さんと居る2人は誰だ?」

「……元世界チャンピオンの喜多さんと手塚さんだ……亮、大丈夫か?…この2人も有名だぞ?」

「いや……世間の評価は正しい……喜多·手塚、お前等はそんなもんだ!」

「「池本さん?」」

「……池本の悪乗りが始まったな……喜多、手塚、俺の高校時代からの親友の岡崎だ……建築家だ」

「「初めまして!」」

「よろしく!」

「……みんな来たみたいだな……」

「いや、まだ居るよ!」

「!?…まだ居るの?」

「「お待たせしました!」」

「便所行ったら迷っちまった……」

「うわぁ、川上会長!…ご無沙汰してます」

「お久しぶりです」

高松と岡崎は頭を下げる。

「高松に岡崎、久しぶりだな~……元気だったか?」

「はい、元気でした!」

「俺も元気でした!」

「相変わらず、馬鹿やってるのか?」

「亮は相変わらず馬鹿ですけど、俺は落ち着いてますよ」

「何言ってんだ、介っちのが馬鹿だろう?…俺は社長だ!」

「馬鹿社長だろ?」

「うるせぇ!」

「はっはっは、相変わらずお前等は楽しいな!」

「会長はこの2人を知ってんですか?」

「池、不思議か?……石谷の親友だぞ、知ってて当たり前だろう?」

「確かに……」

「成る程、高松さんと岡崎さんは会長と知り合いか……」

「俺達と会うべくして会ったんだな!」

「あの~、俺達も居るんですけど……」

「俺達にも触れてくれませんかね……」

「お前等2人は弱いから後回し!」

「そうそう、むっつりだしね!」

「むっつりじゃないですよ!」

「取り消して下さい!」

「何だ?…佐伯に甲斐はむっつりなのか?」

「オープンに生きろよ!」

「あの~……」

「喜多さんと手塚さんも……」

「「!?」」

「お前等2人もむっつりだ!」

「残念だね、喜多に手塚!」

「「何だよそれ~!」」

「まあまあ、介っちの試合なんだからさ……仲良く行こうよ…よろしくね、さえびさんにいかさん!」

「佐伯です!…びじゃなくてき!」

「俺は逆!…いかじゃ海の生物ですよ!」

「そうか……変わった名前だと思ったよ!」

「亮、わざと間違えてねぇか?」

「亮、お前が1番悪乗りし過ぎだ」

「はっはっは、相変わらず石谷さんの親友2人は楽しいですね!」

「そうだな!…昔からこの2人は楽しいな!……良かったな、石谷!」

「……どこがいいんだか……」

決勝を前に賑やかになった応援席、色々と楽しみである。

残すは決勝のみ……

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― 新着の感想 ―
[良い点] ボクサー陣も勢揃いで応援ですね! 川上会長までかけつけたらもう、高松さんは勝たざる得ないですね!
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