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最後の恋……  作者: 澤田慶次
92/221

県民体育大会は佳境……

県民体育大会もベスト8が決まりました。

優勝まで後3勝……

翌週の日曜日、高松達は国浦学院に居た。本日は県民体育大会準々決勝であり、会場が国浦学院である。国浦学院の体育館の3階が男子の試合会場、1階が女子の試合会場である。これに勝てば、来週は県総合体育館での準決勝·決勝となる。

おっさんずは今日も第2試合である。9時からアップし、しっかりと体を温める。

「さて、今日は気を引き締めないとな!」

「強豪ですか?」

「木の葉クラブは、当たるとしたら決勝でしょう?」

「オレンジクラブとやるのかな?」

「今日の対戦相手は城北学院の3年だ!」

「ああ、今年のインターハイ出場チームですか?」

「なかなかやりそうですね!」

「協力してたのは高松だからな!」

『!?』

「高松の教え子か?」

「楽しみだな!」

「よし、しっかりとプレーするか!」

「……少しだけ力を貸しただけだよ……しかし、なかなか強いな……」

「高松、負けたら恥だな!」

「それはそれで面白そうだが……悪いが勝ちは譲れねぇな!」

「当たり前だ……あいつ等には、人生の厳しさを教える……お前等、変なプレーしたら蹴るからな!」

「高松!…やる気が出てて何よりだ!……しっかり勝つぞ!」

『はい!』

おっさんずは試合の準備をしていく。


ハーフタイムのシュート練習を終え、ユニフォームに着替えて出番を待つ。

「高松!」

「介っち!」

「おう、今日も来てたのか?」

「「当たり前だ!」」

「しっかり見とけよ」

「見てるよ!」

「教え子に負けんなよ!」

「当たり前だ……変な事言うと張っ倒すぞ!」

「……何だか昔を思い出すよ!」

「しっかりな!」

2人は観客席に移動した。


試合が始まる。

高松達は軽くシュート練習をし、山中先生の所に集まる。

「特に変わりは無い……いつも通り、しっかり勝つだけだ!」

『はい!』

「高松、しっかりシュート止めて、あいつ等に練習が必要だと分からせろよ!」

「はい、そのつもりです」

「よし、行くぞ!」

『はい!』

主審のホイッスルが鳴り、両チームがコートに入って来る。おっさんずは今日もディフェンスからである。

おっさんずがディフェンスから始めるのには理由がある。

元々守って速攻のチームカラーではあるが、守りの要が高松である為、みんな自信を持ってディフェンスが出来ている。この辺が大きな理由である。

城北学院ボールで始まった試合、城北学院の面々は高松の凄さと猪狩の事を知っている。その2人が安心して試合に望めるメンバーである為、自分達より格上だと分かっており慢心は無い。

加藤先生も同じ様に理解しており、この試合のテーマは挑戦である。

城北学院が速いパス回しから、エースが思い切ってシュートを放つ。高校生とは思えない見事なシュートではあるが、高松はこのシュートをしっかりと止め、栗原にパスを出す。

栗原はシュートと同時に走り出しており、このワンマン速攻は成立し、おっさんずが先制点を上げる。

その後も城北学院はおっさんずのゴールを襲うが、高松が前に立ちはだかりなかなか得点を許さない。

城北学院のGK梶山も必死にセーブし食らい付くが、じりじりと点差は広がっていく。それでも下を向かず自分達のプレーをする城北学院、なかなか見応えのある試合になっていた。

前半も20分を過ぎ終盤に差し掛かる。

シュートを止めた梶山は大橋にパスを出し、ワンマン速攻が成立した。

大橋と高松の1対1の勝負、高松は絶妙のタイミングで前に詰める。大橋は1回フェイントを入れ、思い切ってジャンプしシュートを放つ。

「バチン!」

大橋のシュートは高松の腕に当たり、物凄い衝撃音を残してゴールの外に飛んで行った。高松の勝ちの様だ。

「くそ!…もう1回だ!」

大橋は声を出し、全力で戻って行く。高松は一瞬だけ口元が綻んだが、すぐに表情を引き締める。

この後、猪狩が終了間際にロングショートを決め、前半を12-6でおっさんずリードで折り返す。


ハーフタイム

「なかなかやるな!」

「ああ、特にGKとサイドだな!」

「何より下を向かねぇしな!」

「高松が鍛えただけあるな!」

「強いな!」

「俺は殆ど何もしてねぇよ」

「そうか?…高松イズムが植え付けられてるぞ!」

「厄介でしつけぇしな!」

「まだまだやる気満々だしな!」

「走る気も満々だな!」

「気は抜けねぇな!」

「厳しさを教えるのも、俺達の役目だ!……変なプレーするなよ!」

『はい!』

山中先生の言葉で、誰もがもう一度気を引き締めた。


後半が始まる。

後半開始早々、おっさんずは速いパス回しから通称ビッグマン、190cmの野沢の強烈なシュートでゴールネットを揺らす。どうやらおっさんずは、後半も手は抜かないらしい。

城北学院も負けじと攻撃を仕掛ける。エースのシュートを始めポストシュートやサイドシュート、ワンマン速攻等をするが高松は悉くシュートストップをする。ここにきて、高松の凄さを改めて実感する。

それでもめげずに頑張る城北学院だが、やはり点差は縮まらない。後半が進むに連れ、点差は更に開いていく。

おっさんずはメンバーチェンジを使いながらではあるが、しっかりと試合を進めている。驚くべき事は、40歳を過ぎた面々が10代の選手に走り負けしていない事である。

後半27分、試合はすでに決していたが梶山から大橋へのパスが通った。この試合、何度目かの高松と大橋の1対1である。

大橋は小細工せず高松に向かっていき、思い切ってシュートを放つ。高松は上手く距離を縮め壁を作る。

大橋の放ったシュートは高松の肩に当たり、変な回転になりながらゆっくりとゴールに吸い込まれる様に入った。

大橋はガッツポーズをしながら自陣に走って行く。城北学院は盛り上がっている。

おっさんずはすぐに試合再会をする。

結局、後半も13-5、合計25-11でおっさんずの勝利となった。

「やられたな、高松!」

「はい、やられました……」

「最後の速攻は見事だったな!」

「高松相手によくやったよ!」

「流石はインターハイ出場チームだな!」

「なかなか楽しかったな!」

おっさんずが話している。

「高松さん!」

振り返ると加藤先生が居た。

「完敗です!」

「いやいや、なかなか強かったですよ」

「でも、しっかりと高松さんに教えて貰った事は出来たと思います!」

「そうですね……最後まで厄介でした。大橋君にナイスシュートと伝えて下さい」

「分かりました!…高松さん、これからもお願いします!」

「……ある程度ですからね」

「はい!」

高松は加藤先生と別れる。

本日は全てが社会人チーム対高校生チームであった。

木の葉クラブ対国浦学院新チーム、オレンジクラブ対城北学院新チーム、柿の木クラブ対国浦学院3年チームにおっさんずの試合である。

結果は全てが社会人チームの勝利である。社会人チームと高校生チームでは、まだまだ開きがある様だ。

しかし、光るプレーもあり高校生のレベルが上がっているのが分かる1日となった。

県民体育大会は後1日……

優勝まで突っ走れ!

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― 新着の感想 ―
[良い点] 優勝まてあと少しですね! この調子で突っ走るしかないですね!
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