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最後の恋……  作者: 澤田慶次
91/221

県民体育大会は続く……

大会は続きます。

12月第2日曜日、高松は城北学院に行く。本日の試合会場は城北学院である。おっさんずは今日も第2試合、高松達は9時からアップに入る。

ハーフタイム中にコートでシュートを放つおっさんずの面々、それをしっかりと止めていく高松。試合会場には、1回戦よりも人が入っていた。

「さて、今日も勝つか!」

『はい!』

「しかし先生、今日は客が入ってますね?」

「……知らないのか?…猪狩、新聞くらいは読め!」

「何かあったんですか?」

「俺も知りませんよ?」

「俺も知らない……おっちんは?」

「知らないよ……栗?」

「全然……」

「何だ?……みんな知らないのか?…………地元の新聞で取り上げられてたぞ!…平均40歳を越えるチームが大学生チームを破るって!」

『!?』

「楽しくなって来たな!」

「しかし……先生入れたら、平均45歳以上じゃないですか?」

「高松!…こんな時に余計な計算するな!」

『あっはっはっはっは!』

おっさんずに笑いが起こった。


おっさんずの2回戦が始まる。

高松達は一旦、コートでシュート練習を行い山中先生の元に集合する。

「今日勝てばベスト8だ!…優勝まで一気に行くぞ!」

『はい!』

主審のホイッスルが鳴り、両チームがコートに入って来る。おっさんずの対戦相手は高校生チームである。おっさんずは守りからスタートする。

試合開始早々、いつもより少し前でディフェンスするおっさんずは、猪狩が相手のボール回しをタイミング良くカットし、そのまま1人で得点まで決めて来た。それを皮切りに、おっさんずは連続11得点を決め、前半20分過ぎには試合をほぼ決めた。

山中先生が前半22分から出場し、2得点を上げ更におっさんずの勢いを付ける。

前半終了間際、ポストの小川が倒されペナルティスローを獲得する。

「高松!…たまには得点して来い!」

山中先生の一声でシューターは高松になった。また、この時点で前半終了のブザーが鳴っており、前半最後のプレーとなる。

高松は自身のゴールから相手ゴールまで走って行き、ボールを受け取り構える。相手GKも高松と対峙して構える。

ホイッスルが鳴る。

高松は1回フェイントを入れ、高松から見て右下である流し下にシュートを放つ。相手GKは最初のフェイントで少し動いてしまい、高松のシュートと反対に動き、高松のシュートはゴールネットを揺らした。

前半終了、17-4でおっさんずが完全に試合をコントロールしている。


ハーフタイム、おっさんずは盛り上がっていた。

「高松、人生初の得点おめでとう!」

「やったな、高松!」

「ナイスシュート!」

「いや~、いい物が見れた!」

「まて、盛り上がり過ぎだ!」

「そんな事無いぞ!…なぁ!」

『はい!』

「あの高松の情けないシュート……見てるだけで面白かった!…よく得点出来たよ、俺は感心する!」

「……先生、誉めて無いですよ……」

『あっはっはっはっは!』

おっさんずの雰囲気は最高である。


後半戦、おっさんずはフィールドプレイヤーを入れ換えて試合に望むが、勢いは変わらない。

サイドの瀧田のワンマン速攻での得点から、連続10得点を決める。高松のセービングは安定しており、後半20分には30点目が入る。

後はお祭り騒ぎである。

山中先生が野沢に変わって出場すると、猪狩に変わって押山が出場し、ディフェンスは一線から1·5へと変換する。

このディフェンスは、1人だけ前に出て相手のボール回しを牽制しながら、残りの5人は一線でディフェンスをするシステムであり、前に1人、後ろに5人から1·5と呼ばれる。

休憩を取って元気いっぱいの押山は張り切ってパスカットして得点を重ねる。他のみんなも負けじとシュートブロックをする。

後半28分、大橋が相手ポストを倒してしまいペナルティスローを取られる。

「高松!…決められたら許さんぞ!」

山中先生の激が飛ぶ。

高松はこのペナルティスローを難なく止める。プロで活躍していた高松に取って、高校生とのペナルティスローは、それ程苦もない様だ。

試合は元々決していたが、高松のシュートストップで更に盛り上がるおっさんず、結局37-9でベスト8入りを決めた。


高松達は着替えて荷物をまとめ、帰る準備をしている。

「すいません、ちょっといいですか?」

声を掛けられ、おっさんずは全員声の方を向いた。

「私、地元の新聞社の者なんですけど……少しお話を……」

「少しだけですよ……みんな中年で疲れてますからね!」

「先生、先生の方が年上じゃないですか?」

「俺達は大丈夫ですよ!」

「まだまだ若い!」

「気持ちだけだろ?……全くお前達は……」

結局取材を受ける事になり、それぞれが一声ずつ答えていた。高松は取材をパスし、その後の城北学院女子部の試合を見に行った。

「最後に……今日の勝因は?」

「それは決まってるよな!」

「ああ、当たり前だ!」

「あれしかねぇな!」

「そうだな、あれだな!」

「なかなか見れないからな!」

「そうそう…あんなに盛り上がる事は滅多にねぇしな!」

「びっくりだったよな!」

「あれだけ高校時代と変わってねぇし!」

「懐かしく思ったよ!」

「本人は、意外にびびってたんじゃねぇか?」

「はっはっは、やっぱりあのプレーだな!……あいつは何処まで行っても、話題があるな!」

「何処ですか?」

『高松のペナルティスローだ!』

チーム全員、高松の公式戦初得点を喜んでいた。みんな、高松とプレー出来る事が楽しく、高松のプレー1つ1つが嬉しいのだ。

何とも頼もしいチームメイトであり、最高のチームである。

翌日の地元新聞のスポーツ欄に、試合を決めた高松のペナルティスローと多少小さくはあったが記事が載っていた。

「……ペナルティスロー関係無く、試合は決まってただろ!」

1人突っ込む高松の姿がそこにはあった。

なかなかいい調子ですね。

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― 新着の感想 ―
[良い点] 順調に価値上がっていますね! ボクサー達も試合見に来たりして!
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