まだまだついてない高松……
ついてない日は続きます……
昼食が終わり、川野の提案でみんなでゲームセンターに行く事になった。川野は駅の近くのホテルに荷物を預け、5人で近くのゲームセンターに行く。
ゲームセンターに着くと、4人がそれぞれに欲しい物を言い出し、高松はUFOキャッチャーを余儀なくされる。
しかし、高松は基本、細かい事は得意ではない。その為、このゲームにかなりのお金を使う事になった。
「あっちのメダルゲームもやろうよ!」
「楽しそうですね!」
「とことん遊びましょう!」
「高松さん、早く!」
「…………………………」
高松はみんなに連れられる様にメダルゲームに行く。
メダルゲームはかなり盛り上がり、4人は白熱していた。また、4人掛けのゲームの為、色々な話をしながら進めている。高松はそんな4人がプレイしている画面を見ているだけであった。
メダルゲームが終わると16時付近になっていた。
「最後にみんなでプリクラ撮りましょう!」
「いいですね!…どうですか?」
「私も賛成です!」
「私も撮りたい!」
「じゃあ決まり!……高松さんも参加ですからね!」
「……今更驚きませんよ……」
5人でプリクラを何回か撮った。その後、4人はラインを交換し色々と情報の交換等をする様だが、高松には内緒らしい。
ゲームセンターから出ると、それぞれに別れた。別れる際、
「高松さん、これから用事でもあるんですか?」
「はい、17時にはこちらを出発する予定です」
「何処に行くんですか?」
「どんな用事なんですか?」
「遠い所?」
「……全ては秘密です……まぁ、私もやる事があるんですよ……」
高松はそう言うとアパートへ歩いて行った。
「気になるな~!」
「何でしょうね?」
「まさか……女の人とか……」
「…私、学校とかで調べてみます。分かったらラインします!」
「「「お願いね!」」」
何やら怪しい同盟が組まれている様だ。
17時、高松は国浦学院に向かう。車は無い為、電車とバスで向かう。
「高松、来たな!」
「はい、お願いします」
今日も山中先生は笑顔で迎えてくれた。
高松は会議室で着替える。すでに荷物があり、何人かは来ている。
「あれ?…高松も今か?」
「おう、忙しいんだよ」
会議室に入って来たのは押山である。2人は着替えると第3フロアに一緒に向かった。
練習が開始されると、全員が物凄い気合いであった。どうやら本気で優勝を狙っているらしい。
ここで、県民体育大会を紹介する。とは言っても、ハンドボールの事しか分からない事は、ご了承頂きたい。
県内で活動している高校生以上のチームが、男女共にトーナメントを行い優勝を決める。勿論、この大会の為だけにチームを組む事も可能であり、チームとしては監督は絶対条件の為、意外にこの監督問題が肝になり、出場出来なかったなんて事もある。
高松のチームは、山中先生という全国でも有数の実績のある人が監督の為、何も問題はない。
そして、その山中先生も本気で優勝を狙っているらしく、練習の時の激が、高松達が高校生の頃と変わらないくらいの声であった。
日に日に、試合に対する思いがみんな強くなっており、高松も負けられない気持ちになっていた。
練習の終わり、いつもの様にペナルティスローが行われる。
「たまには高松に奢らせるぞ!」
『おう!』
「何だよ、その変な気合いは?」
「うるせぇ、お前にやられっぱなしは嫌なんだよ!」
「絶対、全員決めるからな!」
「……はいはい、分かりましたよ……」
ペナルティスローが始まる。
最初は山中先生である。山中先生はフェイントを入れ、高松のタイミングを上手く外しゴールを決める。
これを皮切りに、誰もが高松のタイミングを悉く外し、高松はペナルティスローを決められていく。最後の猪狩が高松からシュートを決める。
「くそ、やられた……」
「やったぜ!…山中先生と作戦会議しただけあるな!」
「本当だよ!…高松に一泡ふかせたぜ!」
『よっしゃ~!」
「先生、作戦会議は酷いですよ……」
「はっはっは、それだけみんな本気なんだ!」
高松はこの日、みんなにジュースを奢った。
高松は練習が終わると、猪狩に駅まで送って貰い電車に乗る。最寄りの駅に着くとスポーツジムに行く。
ペナルティスローが止められなかった高松は、納得がいかないらしく凄まじいトレーニングをしている。
トレーニングが終わると流石に疲れたらしく、荷物も重そうに持ってジムを出る。
「高松さん!」
「……鈴木先生、どうしたんですか?」
「高松さんこそ!」
「……私は、ここのジムに通ってるんです……」
「そうなんですか!…私は買い物の帰りです!……少し遅くなっちゃった……」
「車ですよね……気を付けて下さい……」
「高松さん、夕飯食べました?」
「ああ……夕飯ね………今から買って帰りますよ……」
「私もこれからなので、一緒にどうですか?」
「もう遅いから、何処もやって無いでしょう……コンビニで買うのがベストだと思いますよ……」
「…確か……この先に3時までやってる所があるんです……どうですか?」
「……少しだけですよ……」
「はい、行きましょう!」
高松は鈴木先生と歩いて行く。
「ここです。高松さん!」
「!!……ここですか……」
「ダメですか?」
「いや……入りましょうか……」
「はい!」
高松が案内された所は、昼間にみんなで来たお好み焼き屋だった。ここにきて、粉物を昼·夜と連続で食べる事になった。
高松は席に着くと注文をし、トイレに立った。練習とトレーニングで大分疲れているが、顔を水で洗い、2·3度首を回してから席に戻る。席では、すでにビールを飲んでいる鈴木先生の姿があった。
「ちょっと、車なんでしょう?」
「大丈夫ですよ、代行呼びますから!」
鈴木先生はぐびぐび飲んでいる。高松はウーロン茶を飲みながら、頼んだお好み焼きを焼いている。
「高松さんの、美味しそうですねぇ!」
言いながら、鈴木先生は高松が焼いたお好み焼きを食べている。高松は苦笑いをしながら、更にお好み焼きを焼く。
鈴木先生は高松のお好み焼きをつまみに、ぐびぐびと酒を飲む。ビール2杯に始まり、焼酎·サワーと次々に飲み、2時間後には完全な酔っぱらいであった。
高松は会計を済ませる。
「鈴木先生、帰りますよ」
「何ですか~、高松さん!……もう飲めませんよ~!」
「帰るんですよ」
「高松さんのお家に帰りたいな~、いいでしょう?」
「ダメですよ、何言ってんですか?」
「え~、ダメなの~?……なら、康介ちゃんて呼んじゃうから!」
「はいはい、康介ちゃんでもノートルダムの鐘突男でも、好きな様に呼んで下さい」
「よ~し、なら、こうちゅけって呼ぶ!」
「はいはい、分かりましたよ……」
高松は何とか鈴木先生を店の外まで連れ出しタクシーを捕まえたが、タクシーを捕まえている間に鈴木先生は眠ってしまった。
高松は仕方なく、運転手に自分のアパートの場所を伝え、鈴木先生と一緒にタクシーに乗る。
アパートに着いた高松は、鈴木先生を自分のアパートに入れ布団に寝かせた。その後、高松はシャワーを浴び、もう片方の部屋で布団を引いて眠った。何だかんだとついてない1日であった。
翌日、高松は練習で着ていた服を洗うのを忘れていた上に、鈴木先生が高松の布団に豪快に戻しており、最後までついてない高松であった。
ある意味、大変な1日……
高松、ご苦労様。




