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最後の恋……  作者: 澤田慶次
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高松のついてない1日……

何となくついてない、そんな日はありませんか?

土曜日、高松は田中達の事業所に行き、午前中に田中と本田と打ち合わせをする。新規が増えるに当たり、社員やヘルパーの人数の確認の為である。高松が心配した通り、やはり人員が足りなくなって来ている。高松は週明けに本社の人事課、松本に相談する事にした。

ある程度話をした高松は、事業所を後にする。本日は公休の為、本来ならゆっくりしたい所だが、高松はどうしても人員の事が心配になり、結局は仕事をしている。


11時を周り、高松はアパートの方に戻る。社用車を駐車場に置き、アパートに向かう高松、

「高松さん」

後ろから声がし、振り向くと谷島が居た。

「よく会いますね!」

「本当に……お住まいはこの近くなんですか?」

「はい!…すぐそこです!」

「私は、この先のアパートに住んでます」

「近かったんですね!……どうですか?…これから一緒にお昼でも?」

「いいですね…私もお腹が空いた所です」

「康介さ~ん!」

橘が少し離れた所から走って来た。

「康介さん、ご飯行こうよ!」

「高松さん、そちらは?」

「城北学院の生徒ですよ」

「橘アリスです……あなたは誰ですか?」

「私は市役所に務めてます、谷島です」

「あなたが谷島さん?……康介さんとは仕事での付き合いだって聞いてますけど!」

「はい、そうですよ!」

「だったら何でここに居るの?」

「たまたま会ったんですよ」

「本当かな~?……康介さん怪しいんだ~……」

「怪しいって……」

「高松さん、橘さんは高松さんを康介さんて呼ぶんですか?」

「私は特別ですから!」

「……また始まった……私は先生と呼ばれるのが慣れなくて……ですから、先生と呼ぶのを禁止したんです……」

「成る程!…本当に高松さんらしいですね!」

「それより康介さん、ご飯行こうよ!」

「谷島さんともその話をしてましてね……谷島さん、橘さんも一緒で大丈夫ですか?」

「私は構いませんけど……」

「私は康介さんと2人がいい!」

「……あのね…………」

高松の会社携帯が鳴る。

「すいません、ちょっと失礼します」

高松は2人に声を掛け、少し離れながら電話に出る。

「はい、高松です」

「高松さ~ん、松本で~す!」

「どうしたんですか?」

「今、高松さんの近くの駅に着いたんです!…今からご飯でもどうですか?」

「え?…駅に居るの?」

「はい!…あっ高松さ~ん!」

電話と後ろから同じ声が聞こえる。振り向くと松本は笑顔で階段を降りてくる。高松は改めて電話を切った。

「どうしたんですか?」

「今日は暇だったんで……せっかくなのでこっちに来てみました!」

「あれ?…高松さんに松本さん?」

「川野さんじゃないですか~!」

「川野さんはどうしたんですか?」

「高松さんに会いに来たに決まってるじゃないですか~!……支援でお世話になったし、有給を使って旅行がてらにこっちに来たんです!」

「川野さんも高松さんに用事ですか?」

「松本さんも?」

「はい!…私も高松さんに用事があります!」

「………ややこしくなりそうだ………」

「どうしたんですか?…高松さん?」

「とりあえず、お昼行きましょう!」

「……それが問題です……」

「「何で?」」

高松は2人を連れて谷島と橘の所に戻る。

「お待たせ致しました……」

「高松さん、そちらは?」

「私は高松さんと同じ会社で、新潟の上越でサ高住の支配人やってます、川野と申します」

「私は高松さんと同じ会社の人事をしてます、松本です」

「市役所の地域包括課の谷島です」

「康介さんが講師やってる所の生徒です……」

「橘さん、名前言ってないですよ……」

「まあまあ高松さん、せっかくなのでみんなでお昼に行きましょう!」

「新潟から来たから、お腹空いちゃった!」

「私も、朝ご飯食べてないからお腹空いちゃった!」

「ほら、みんなああ言ってますし!」

「私は康介さんと2人でも……」

「……とりあえず移動しましょう……何が食べたいですか?」

「ここは、1番遠くから来た川野さんの意見を聞いたらどうですか?」

「私もいいと思います!」

「私は康介さんがいいなら……」

「だそうですよ……川野さん、何がいいですか?」

「お好み焼き!…朝から食べたかったんです!」

「分かりました、行きましょう……」

全員でお好み焼きを食べに移動する事になった。


お好み焼き屋にて、席に案内されそれぞれが注文する。大きめのテーブルに全員で座り、先に来た飲み物を飲みながらゆっくりしている。

「川野さん、新潟から高松さんに会いに来るなんて、大変じゃないですか?」

「私は独身の30代だから、それくらいは時間を作れますよ……それより、うちの会社でナンバー1のアイドル社員の松本さんが高松さんを訪ねた方が、私は驚きです!」

「驚きと言えば、市役所の谷島さんと高松さんが食事に行く仲だったとは……」

「いやいや、私はたまたま高松さんとそこで会ったんですよ……なかなか話す機会も無いし、ご飯でもって話しになっただけですよ!」

「成る程……そうなると、1番若い橘さんと高松さんの関係が気になりますね?」

「高松さん、橘さんとはどういう関係ですか?」

「そういう関係ですよね~、康介さん!」

「……どんな関係ですか……私の講師をしている学校の生徒ですよ……こちらもたまたま会っただけです……」

「付け加えますと、高松さんは先生と呼ばれたく無いそうなので、学校の生徒はみんな、好きな様に呼んでるらしいですよ!…私が学校に視察に行った時も、確かに色々呼ばれてましたね!」

「高松さんの講師か~……楽しそうな感じですね!」

「この間の中途社員研修、凄い評判が良かったですからね!…授業も楽しいんじゃないですか?……橘さん、どうですか?」

「康介さんの授業は楽しいです!…毎日が水曜日だといいのに~!」

「あらあら、高松さんは人気ですねぇ……市役所にも、高松さんの素晴らしい事で連絡があります。市の委員会を依頼した私も、鼻が高いです!」

「高松さん、何処に居ても重宝されてますね!…ね、松本さん?」

「高松さんが重宝されるのはいいですけど……………高松さんの鈍いのかわざとやってるのか分からない態度は困ります!」

「確かに!……高松さんはそうだよね~!」

「会社でもそうなんですか?……何とも読めない人ですよね!」

「学校でも変わらないよ!……康介さんは何考えてるか分からないもん!」

「高松さんには、教育が必要ですね!」

「それは思います!」

「私も協力します!」

「私もやる~!」

4人が一斉に高松を見る。

「……話がおかしな方向に進んでますよ……私は前から変わって無いですからね……」

この後、お好み焼きが運ばれそれぞれが焼きながら、高松に色々とダメ出しをしていく。4人には楽しい食事の様だが、高松は散々である。しかも、なかなか話が終わらずにみんなが座っている為、高松はお昼を奢る代わりに強引に昼を終了させた。

ついてない日は終わらない……


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― 新着の感想 ―
[良い点] 高松さん休みでもモテモテですね! ボクサー達もこれくらい持てるのはいますかね?
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