表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
最後の恋……  作者: 澤田慶次
77/221

10月は学園祭……

高校は、色々やりますよね。

10月に入り高松の仕事も幾分か落ち着いてくる。田中は支配人として頑張っているし、本田も主事として役割をしっかりこなしている。

本社でも変化が出て来た。

「高松さんの功績は素晴らしいです。私は高松さんと仕事がしたいと思います。私の上司として、高松さんを本社に呼べませんか?」

工藤が高藤以外の上役に直接交渉するという事が起こった。どうやら工藤は、高松と仕事を心からしたいと考えている様だ。

また、工藤の評価も変わってくる。

支援に行った先での事、今までの工藤なら出来ていない事を先に怒り、書類等をチェックしながら小言を言っていた。

しかし、高松の研修を受けた工藤、

「とりあえず、今日は出来る所まで仕事を進めますので、明日、改めて今後どうしていけばいいか考えましょう」

との言葉の元、やらなくてはいけない業務を1人でコツコツ進めていた。時間が空いた所で高松に連絡し、書類等の管理が分かり易い表みたいな物が無いか確認し、高松からデータを送って貰う。

2日目の支援が終わると、

「こちらで書類等を管理していくといいかもしれません。高松さんから貰ったんですけど、私は使い易いと思います。この表の通りに予定を組み、支配人が後追いをしていけば、きっと大丈夫です。困ったら私でも高松さんでも連絡して下さい。高松さんには言っておきますから……ダメですよ、高松さんも老けましたねぇなんて言っちゃ!」

工藤から嫌味が取れ、何とも話し易い感じになってきた。


本社での決定事項として、今後も高松には重要な会議には出席して貰う事になり、高松を上役に据えようと本社も考える様になってきた。

しかし、当の高松は何処吹く風である。

出世に興味が無いだけでなく、出来る事なら本社の会議をなんとか欠席する事を考え、事ある事に田中支配人を始め他の課員に会議の日に自分に用事をお願いする様に話していた。この辺は、高藤がお見通しの様ではある。

また、北関東支社の売上が安定して上がっている為、高松の所には他の支社長から色々と連絡があり、高松は他の支社の売上アップの為の事も考える事になった。相変わらず忙しそうである。


肝心のハンドボールだが、水曜·土曜·日曜の練習は全員参加しており、段々と熱量が上がって来た。高松に対してシュートが入らないだけで悔しがる様になり、練習終了後には高松とペナルティスローの対決をするのが恒例となった。このペナルティスローは山中先生も参加し、負けたらジュースを奢る。高松は全員にシュートを決められたらジュースを奢る事になっている。遊びの延長の筈だが、思いの外、誰もが真剣であった。


高松の講師も順調である。そんな10月の第1水曜日、高松はいつも通り城北学院の職員室で本業の仕事をしていた。

「おはようございます、高松さん」

「加藤先生、おはようございます……やけに早いですね?」

「学園祭がありまして、その費用等を計算しようと思いまして……」

「学園祭ですか……楽しそうですね?」

「毎年、体育祭と交互にやっていて、今年は学園祭なんです……みんな楽しみにしてますし、いい思い出になって欲しいですね!」

「大丈夫でしょう。みんな、いい思い出になると思いますよ」

「ありがとうございます、高松さん」

「「おはようございます!」」

「おはようございます、お2人共、早いですね」

「高木先生に鈴木先生、何でこんなに早いんですか?」

「それはこっちのセリフです!」

「加藤先生こそ、どうしたんですか?」

「学園祭の用意等がありまして……」

「そういえば、今月ですね!」

「土日だから、高松さんも参加して下さいね!」

「……客として来ます……色々用事がありますので……」

「高松さん居ますか?」

「おはようございます、校長先生……何か用ですか?」

「ちょっと話がありますので、校長室に来て下さい!」

「分かりました」

高松は校長先生と校長室に入って行く。まだ時間は8時前、かなり早い時間である。


高松は校長先生に促され、ソファに座る。前のソファには校長先生か座る。

「高松さん、折り入って頼みがあります!」

「改まって何でしょうか?」

「10月19日に創立記念日があります」

「そうですか……私に関係ありますか?」

「本校は創立記念日は、式典をやるんです。著名な人を呼んで話をして貰うんですけど……いつもお堅い話ばかりでして、高松さんの知り合いに、誰かいい人が居ないかと思いまして!」

「私の知り合いですか……」

「誰か居ませんかね?……楽しい式典にしたいんですよ!」

「…………心当たりはありますが……果たして受けてくれるかどうか……」

「お願いします、聞くだけ聞いて貰えませんか?」

「……今日のうちに連絡してみます……」

「ありがとうございます!」

高松は校長室から職員室に戻る。先生方は高松に、校長先生との話を訊かれたが高松は言葉を濁し、上手く誤魔化した。話が上手くいかなかった時の為と、上手くいった時に驚かす為である。


高松はいつもの様に授業をし、昼休みを迎える。本日の授業もなかなか楽しい物であった。

職員室に戻ると、高松は個人携帯を持ち職員室を出て行き、何処かに電話を掛ける。

「はい、石谷!」

「高松だ!」

「何用だ?」

「お前は武士か?……相談があるんだが……」

「夕飯1回奢れ!……聞いてやるぞ!」

「友達甲斐がねぇ奴だな~!」

「馬鹿だな!……友達だから、特別価格だ!……で、何だ?」

「実はさ、俺が講師やってる学校でな……創立記念日に式典があるらしいんだ……」

「休みじゃねぇのか?……ある意味きついな!」

「それはそれとしてだな……式典で話してくれる奴に心当たりがねぇかって話になってさ……」

「頼まれたのか?……高松は本当に人がいいからな…………池本辺りが有力だな!」

「頼めるのか?……どう考えても、そういう事に積極的には思えねぇぞ……金でも動きそうになさそうだし……」

「流石は高松だな!……その通りだ!……しかし、池本をその場に出したら面白そうだ!……他の連中は、試合が近かったりトレーナーで忙しいが、あいつはそれくらい出来るだろう……任せておけ、俺がどうにかしてやる!」

「本当か?……校長に返事しちまうぞ……」

「大丈夫だ、任せろ!」

思いもしない所で面白そうな事が起きそうである。

この後高松は、校長先生に話をする。

「当日まで先生方にも内緒ですよ……何だか楽しみですね!」

どうやら、校長先生が1番乗り乗りの様である。

何やら楽しい展開に……

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[良い点] まさかの池本さんが学園祭のゲストに! なんだか事件起きそうですね(笑) ワクワクします!
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ