高松と福祉……
高松の授業、みんな興味がありそうですね。
高松は谷島と鈴木先生と相談室に入る。ここで今回の福祉の授業について、色々と話をしていく様だ。
高松と谷島は向かい合って座り、鈴木先生は高松の隣に座る。
「高松さん、何で講師を引き受け様と思ったんですか?」
「私は会社からの依頼です」
「成る程……では、高松さんが講師を引き受けて良かったと思う事は?」
「……難しいですね……ただ、なかなか分かって貰えない事を声に出して言える事は、とてもありがたいですね……」
「授業を拝見しましたが、みんなが参加する形で、素直に面白そうだと思いました。その辺はどう思いますか?」
「……私の授業が面白いかどうか……受けている方に聞くのが一番だと思います……鈴木先生、答えて頂けますか?」
「私ですか?……私は……高松さんの授業は楽しいですし、楽しみです!……福祉の事だけでなく、色んな意味で勉強になります!……高松さんの授業、今の所、欠席者0なんですよ!…これだけでどのくらいみんなが楽しみにしてるか分かると思います!」
「!?……凄いですね!…高松さん、どんな授業をしてるんですか?」
「いつも余り変わらないですよ……自分が分からなかった事や困った事、笑えた事等を話ながらみんなの意見を聞いてるだけです」
「成る程……だから高松さんの事業所は評判がいいんですね!」
「??……関係あるんですか?」
「いや、この間なんですけど……とある人から電話が有りまして、高松さんのお陰で助かった……大袈裟では無く、本当に命を助けられたと言われたんです。よくよく話を聞くと、親の認知症で本当に生活が行き詰まっていたらしく、藁をもすがる思いで高松さんの所に相談に行ったらしいんです。高松さん、覚えてますか?」
「う~ん……相談は色々受けてますからねぇ………それに、私の業務の1つに過ぎませんし……その方の勘違いではありませんか?」
「絶対に違います!……その方が涙ながらに話してました。高松さんと話して、1人で悩む事は無い。一緒にやっていきましょう。頑張らなくていいと言われたと……あんなに救われた言葉は無いと言ってました。そして、高松さんの所にお願いして本当に良かったと……是非、市役所からもお礼を言って欲しいと言われました!」
「本当に私でしたか?……高松ではなく、沢松みたいに聞き間違えではないですか?」
「何度も聞きました!……間違いなく高松さんでした!」
「……記憶に無いな~……私は普通に仕事してるだけですけどね………」
「そこなんですよ!……高松さんは、当たり前だと思って困っている人に寄り添い、力になってるんです!……それも、殆ど無意識で!」
「高松さん、凄いですね!……改めて尊敬します!」
「……2人共、誉め過ぎです……私がやったのなら、大した事ではありません……自分の仕事をただ忠実に行っているだけです」
「高松さんはそうかもしれませんが、そんな高松さんに救われた人が居るんです。しかも、きっとたくさん居ます……そんな高松さんが講師をし、介護や福祉について授業をする………何だか、物凄く大切な事が学べそうです!」
「学べそうではないです。学べます!……私はそう感じてます!……だって、高松さんの授業の後は、色々考えさせられますからね!」
「私の株は大分上がってますね………しかし、だからと言って私は変わりませんよ……私に出来る事は限られています。それをやるだけです」
「……高松さんらしいですね!…はい、私もそれでいいと思います!」
「私は、高松さんのやる事を近くで見たいです!」
「それは私も見たいです!」
「……大した事はしませんてば……私はいつも変わりません。ですから、見たい時に見ればいいです。邪魔な時は邪魔だと言いますがね……」
「高松さんらしいですね!……これからも、本職の方でもよろしくお願いします!」
「こちらこそ、よろしくお願いします」
「私も、高松さんの本職でもよろしくされたいです!」
「それは……現実的に難しいのではないですか?」
「高松さん、何だか大変ですね!……笑ってしまいそう!」
「まぁ、何とかやっていきますよ……」
「高松さ~ん、何で困った顔してるの~!」
何だかんだで、楽しそうな話で終わった様だ。
昼休み、高松は高藤から電話が入り、職員室から出て電話をしていたが、高松が居ない間に鈴木先生が谷島の事を高木先生と橘に話した。高木先生も橘も穏やかでは無い様子である。そんな時に高松が職員室に入って来る。
「康介さん、谷島って人と何かあるの?」
「高松さん、谷島さんて人は、高松さんの何なんですか?」
「何だか、仕事以外でも仲が良さそうでしたけど?」
「……橘さん、目上の方ですから、せめて[さん]付けして下さい……谷島さんは、私にとって色々と世話になっている人です……仕事柄、市役所にはよく行きますし、私は現在、市の委員会を受け持っていますからね……仕事以外で会ったのは、この間、たまたま道で会っただけです……何だか勘違いしてそうですね……」
「本当にそれだけ?」
「怪しいですね!」
「何か隠してないですか?」
「……はぁ……私が3人に隠して何の得があるんですか?………例えばですけど、私が橘さんと付き合ってたとしましょうか……」
「え?…私と……照れちゃうな~!」
「高松さん、おかしいでしょ!」
「例えでも許しません!」
「話が進みませんね……では、杉本先生と付き合っているとしましょう……」
「何で杉本先生なんですか?」
「それはそれでおかしいでしょう?」
「私でいいじゃないですか?」
「高松さん、私を巻き込まないで下さい!」
「……話が進まない……とりあえず進めますよ、そうなった時、杉本先生に問い詰められたなら、嘘を付くメリットがあるかもしれません……しかし、今現在の状況で私が嘘を付く意味はありません」
「分かりました。谷島さんとは何も無い事は信じます」
「確かに何も無いんでしょう……」
「でも康介さん、1つだけ質問があります!」
『杉本先生をどう思ってるんですか?』
「……何でそうなるのさ……」
「だから言ったじゃないですか~、巻き込まないで下さいって!」
この後、高松は更に3人に色々質問責めにされた様だ。
何かと大変な高松ですね……




