高松は夢の国が苦手?
高松達は夢の国へ……
高松は橘達と入場する。平日とはいえ、凄い数の人が居る。
高松はとりあえず、3人の乗りたい物に一緒に並んだ。誰の乗りたい物から乗るかで少し揉めたが、
「1日あるんだから、なるべく全部回ろう」
との高松の発言を受け、最年少の要の乗りたい物から並ぶ事にした。
とはいえ人気のレジャーランドである。1つ乗るのに1時間は並ぶのでなかなか大変ではあるが、3人は高松に話し掛けており、待っている間も楽しそうである。
「ねぇ、高松さん」
「何ですか?」
「私ね、高松さんならお姉ちゃんを任せてもいいよ!」
「有紀、何言ってるの!」
「だって~、高松さんなら安心だって思うんだもん!」
「俺も高松おじさんならいいぞ!」
「要、おじさんて呼ぶな!」
「……2人共、私はお母さんより歳上ですよ……そこは考えないと」
「今は年の差は、関係無いと思います!」
「高松おじさん、お母さんが良ければ、それでもいいぞ!」
「……要君、話が見えないですよ……」
「2人共、康介さんが困ってるでしょ!」
「何で姉ちゃんが怒るんだよ!」
「お姉ちゃん、高松さんの事になると、必死過ぎ!」
「う~……」
「弟·妹連合の勝ちですね……まぁ、楽しくいきましょう」
色々な会話をしており、高松も飽きない様だ。
何だかんだと3人が乗りたい物を1つずつ回り、お昼にする事にした。
高松は3人を引き連れ、ランドの中の食べ物屋に寄る。
「私はこれがいい!」
「俺は……これとこれと……ジュースも飲みたい!」
「少しは遠慮しなさい!」
「いや、大丈夫。好きな物を頼みなさい。アリスさんも、頼んで下さい」
「康介さん、ありがとう!」
「有紀さん、それだけでいいんですか?」
「あんまり食べると太るから……」
「だったら、食べた分をここで動けばいいんですよ……ランドの中は、結構歩きますよ」
「そうかなぁ………そうだよね!…じゃあ、これとこれもお願いします!」
「はい、分かりました」
高松は笑顔で会計を済ませる。嬉しそうな3人の笑顔が高松の表情を柔らかくしていく。
食事を済ませた4人は、改めて乗り物の列に並ぶ。ご飯も食べて、3人は元気いっぱいである。
高松は最初こそ3人に合わせていたが、どうやら先に疲れてきた様である。
「私は少しここで休んでますから、3人で乗り物にどうぞ……」
「分かった、行こう!」
「私も行って来ます!」
「私は……康介さんと休憩!……2人共、迷子にならないでね!」
「「は~い!」」
2人は走って行った。
「康介さん、今日はありがとう!」
「いやいや、私も楽しいですよ」
「康介さん、何で今までここに来なかったの?」
「……来る機会が無かったんです……」
「由美のお母さんとかと来る機会はあったでしょ?」
「……夢の国ですからね……私はどうしても来ようとは思わなかったんです……」
「何かあったの?」
「特にはないんですがね………私は夢の国よりも、自分の夢で精一杯でした……やらなくちゃならない事は山程あるし、だからといって逃げ出す訳にもいかないし……テレビで楽しそうにしてる人が映る度に、羨ましく思いましたけど、自分には縁遠いと思いました……」
「何で?……別に、羨ましいなら来れば良かったじゃん!」
「……確かにそうですね……しかし、その時間があるなら、私はトレーニングをしてました……それに、あの頃の私は、きっとテレビに映っていた人達の様には笑えなかったと思います……いつもハンドボールの事を考え、いつも上手くなる事、強くなる事ばかりを考えていました……だから、夢の国は苦手なんです……」
「今も苦手なの?」
「……苦手は苦手ですね……人は多いし……しかし、楽しい事も本当です……これはこれで楽しいですね……今日はありがとうございます」
「私も楽しい!…康介さんと居られるから!……康介さん、苦手な事、いっぱい克服しようよ!…2人で!」
「そうですね……まずは、アリスさんの運動を克服しましょうか?」
「え~、それは無理~!……康介さんの意地悪!」
「はっはっは、私は意地悪ですよ……きっと変わらないですね」
「ぶ~……だったら慣れるもん!」
「そうですね、慣れて下さい……昔から変わらない所ですからね…………きっと、これからもずっと変わりませんからね……慣れて貰わないと、毎回馬鹿にされる事になりますよ」
「……毎回って事は……康介さん、もしかして!」
「変な誤解はしないで下さいね……私の答えは、まだまだ先ですよ」
「それは分かってます……でも、少しは前に進んだみたい!」
「確かにそうですね……さて、2人が来たら移動しましょう」
「はい!」
2人は楽しそうである。
乗り物に乗っていた2人が戻って来て、4人はお土産を買いに移動した。高松は買い物は無いが、3人は色々と見たいらしい。
縫いぐるみを手に取ったり、グッズを見たり、そうしながら、ああだこうだと楽しそうに話をしている。3人は買い物に夢中である。
しかし、ここはランドの中、更には、ここにしか無い物もあり値段はかなり高い。楽しそうな話をしていた3人も、値段を見て手に取った物を戻していく。
「どうしました?」
「高いなぁと思って……」
「やっぱり高いよね……」
「欲しいのは高いけど、違うのはいらないし……」
「はっはっは、何を気にしてるんですか?……好きな物を持って来なさい、大丈夫ですよ」
「それは悪いよ、康介さん……」
「そうですか……では、1つだけ好きな物を買って上げましょう。これなら大丈夫でしょう?」
「いいんですか、高松さん?」
「本当にいいの?…高松おじさん!」
「はい、大丈夫ですよ」
「でも……」
「いいから……アリスさんも選びなさい」
『ありがとう!』
高松は3人がそれぞれ欲しい物を1つずつ買った。値段はなかなか掛かったが、高松は余り気にしていない。高松は楽しそうである。
買い物が終わると暗くなり始めている。
「康介さん、パレードが見たい!」
「私も!」
「俺も見たいな!」
「……アリスさん、お母さんに連絡取って確認して下さい」
「はい」
橘は母親に電話を掛ける。
「もしもし」
橘の母親が電話に出ると、高松はその電話を橘から取った。
「高松です」
「高松さん?……今日はありがとうございます」
「いやいや……それでですね、パレードを見てから帰ろうと思うんですけど……」
「……大丈夫ですか?……ご迷惑じゃ……」
「とんでもない……それでは、パレードを見て、夕飯を食べてから送ります。少し遅くなりますが、許して下さい」
「いえいえ、よろしくお願いします」
「それでは……」
高松は電話を切って橘に渡した。
「パレード見て、夕飯食べて帰りましょう」
『やった~!』
4人はパレードを見てからランドを出た。
帰り道、それぞれに食べたい物が違う為、しゃぶしゃぶとお寿司等が食べ放題の少し高めの店に入り、みんなで楽しく食べた。
帰りは流石に疲れたらしく、3人は高松が運転する車で寝てしまった。橘家に着いた時、3人共に眠そうにしながら家に入って行った。
3人にとっても高松にとっても、楽しい1日になった。
何だかんだ言いながら、楽しい時間を過ごした様です。




