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最後の恋……  作者: 澤田慶次
67/221

8月最初の土曜日……

インターハイが終わりました。

次は?

高松は本日は公休である。城北学院に朝から来ていた。ハンドボールの練習は、男女共に午後であり、高松は午前中にトレーニングをし、少し時間が空いた為に校舎内を改めて見て回っていた。

「高松さん、何してるんですか?」

「鈴木先生……改めて校内を見てるんです。なかなか見る機会が無いですからね……」

「ふ~ん……私も付き合おうかな?」

「面白い事は無いですよ?」

「少し時間があるんです……聞きたい事もあるし……」

「……答えられる事にして下さいね」

「どうしようかな~……」

「まぁ、答えられない事は無視しますけどね」

「あ~、酷~い!……高松さん、なんか変わりましたね!」

「そうですか?……いつもこんな感じですよ?」

「違う……前はもっとお堅い感じでした……少し柔らかくなった感じがします!」

「そんなに体は柔らかくないんですけどね……」

「その返し方ですよ!……来たばかりの時は、もっと堅い返し方でしたけど……今は、何て言うか………ゆとりが有る様な、そんな感じです!」

「う~ん……変わった気はしないんですけど……嫌ですか?」

「全然!…むしろ、前よりいい感じです!」

2人は話ながら校内を歩いた。高松はあまり行く事の無い教室等を確認する様に見ていた。


午後になり、男子ハンドボール部の練習に参加する為、高松は着替えて体育館に行った。

「高さん!」

「どうしました?…梶山君?」

「俺……全然ダメだった……」

「どうしたんですか?」

「インターハイのビデオ見たんだ……神奈川商工戦の最後……ラスト1分の時、高さんが手を上げるのが映ってた………あの時、俺がもっと周りを見えていたら……」

「……梶山君、あの試合はナイスゲームでした……負けたのは残念ですが、誰のせいでもありません……前を向いて、胸を張って進んで下さい。私の弟子なんでしょう?」

「高さん………ありがとうございます。でも、俺はやっぱり納得出来ません。だから、ハンドボールを続けます。納得出来るまで続け様と思います!」

「……大変ですが、頑張って下さい……しっかりと歩いて下さい」

「はい、頑張ります!」

梶山は高松に頭を下げ、3階フロアに走って行った。高松は口元が少し綻んでいた。


練習は、新チームと少年男子の国体のメンバーが一緒に練習する。これは女子も一緒であり、この期間に県選抜の選手と練習出来る事は新チームにとって、この上ない事である。

男子は城北学院と国浦学院だけで組まれている。女子は城北学院·国浦学院と県3位の南高校から選ばれているらしい。

高松も入り、男子の練習が始まる。チームの監督はその県独自で決めており、この県はインターハイに出場したチームの監督が努める事になっている。コーチ等は監督に任せている。

高松はコーチの話を加藤先生よりされていたが、丁重に断っていた。高松には高松の考えがある様だ。

高松との練習は城北学院の面々にとっては当たり前の事だが、国浦学院の生徒達にとっては衝撃であった。

自分達が自信を持って放ったシュートをいとも簡単に止められてしまう。更には、自分達が休憩に入ると、その男はサーキットトレーニングを始める。どう見ても中年の男が自分達より厳しいメニューを黙々とやっている。自分達の目を疑いたくもなる筈である。

それにつられ、GKの梶山と前キャプテンの大橋も高松のトレーニングに付き合っている。国浦学院の生徒達は、改めて打倒城北学院は難しい物だと感じた。


この後の練習もかなり厳しい物ではあったが、8月最後の金·土·日と国体関東予選がある為、誰もが必死に練習をした。

練習後、高松は国浦学院の生徒達に話し掛ける。

「お疲れ様」

『お疲れ様です!』

「山中先生は元気ですか?」

「はい、元気です!」

「山中教頭の知り合いですか?」

「……山中先生は私の恩師です」

『!?』

「失礼ですけど、おいくつですか?」

「43歳ですよ」

「ちょっと待って下さい……」

5人は何やら計算したり相談したりしている。

「もしかして、国浦が全国制覇した時の方ですか?」

「……一応はそうですね……」

「という事は……その時のGKですか?」

「そうなりますね……」

「山中教頭から聞いた事があるんです……な?」

「そうです。春·夏·国体を制覇した時の話………サイドの押山·逆サイドのキャプテン栗原·右45度の野沢·左45度の猪狩·センターの新井·ポストの小川·GKの高松……全国を制したメンバーだって言ってました………確か、教頭先生の机には、その時の集合写真があった筈です!」

「そうなると……GKの高松さんですね?」

「確かに高松です」

「スゲェ……教頭先生が1番自慢してた人だ!」

「本物だよ~!」

「高校卒業後もハンドボールをやってたんですよね?……教頭先生は教えてくれないから、教えて下さい!」

「……大した選手では無かったですよ……たまたま全国制覇したGKだっただけです……山中先生もオーバーだなぁ………そのうち、山中先生の所に行きますので、よろしく伝えて下さい」

『はい!』

国浦学院の生徒達は帰って行った。高松はこの後、トレーニングルームにてトレーニングをするが、城北学院の部員達も高松とトレーニングをしている。来年は今年よりいい成績を……みんながそう考えている様だ。


高松はトレーニング終了後、男女ハンドボール部の部員達にお願いされ、自主練に付き合う事になった。それぞれが来年を見据え、今をしっかりと練習しようとしている。

高松は自分がGKに付いたりして、色々と教えていった。

駆け引きやシュートの仕方等を教え、GKにとって何が嫌か、何をやられたくないか等を伝えた。

自主練にも関わらず、熱気の籠った練習になっていた。

高松はこの後、アパートの近くのスポーツジムに行き、更にトレーニングを行って1日を終了した。

高松の体は、そうとう鍛えられていた。

まだまだ色々ありますね。

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― 新着の感想 ―
[良い点] 高松さんの武勇伝は語り継がれていますね! まだこれからも武勇伝作っていきそうですね!
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