高松、本社の会議に参加?
高松、何やら本職にも動きが……
お休みも終わり、高松は事業所に出勤する。いつもの様に、高松は1時間以上前に出勤し、自分が留守の時の記録等をチェックする。
特に大きな事は無かった様であり、新規の依頼は引き続き来ていた。それは訪問看護や居宅も同じであり、支社としては上手く回っていた。
9時近くなり、本日出勤予定者は全て出勤した。高松はお土産を渡し、朝礼を始める為に立ち上がる。その時に事業所の電話が鳴った。
「はい、○○事業所、高松でございます」
「おはようございます、工藤です!」
「これから朝礼です。時間を考えて下さい」
「すいません……朝礼後に電話下さい……」
「しょうがないから掛けます……では」
高松は電話を切って朝礼を始めた。
それぞれの予定を聞いた後、
「お休みありがとうございました。お土産は、みんなで食べて下さい。私は今日は、看護と居宅にも行きますので………何処に居るか分かりませんね……事業所に居なかったら、会社携帯を鳴らして下さい」
「高松さん、工藤さんは何だったんですか?」
「この後確認します……田中さん、よく工藤さんだと分かりましたね」
「高松さんがあんな風に言う相手は、工藤さんしか居ないですよ!」
「そんな事は無いでしょう……確かに工藤さんとは、反りが会わないですけどね」
「高松さんらしいですね!」
「では、今日も1日、よろしくお願いします」
『お願いします!』
朝礼が終わり、高松は工藤に会社携帯から電話をした。
「お疲れ様です、工藤です!」
「高松です。お疲れ様です」
「すいません、変な時間に電話してしまって!」
「……要件は何ですか?」
「え~とですね……今日、本社で重要な会議がありまして……高松さんにも出席願いたいんです!」
「お断りします、では……」
「ちょっと待って下さいよ、社長と高藤取締役からの依頼なんですから!」
「……なら、2人が直接掛けてくればいいでしょう?」
「2人共忙しいんですよ……後ですね………高藤取締役から、私を少しの間、高松さんと仕事をする様にとの指示が来てまして…………」
「大変迷惑ですね!……理事殿とする仕事は無いんですけどね!」
「……そう言わないで下さい……高藤取締役から、高松さんから学ばないなら、降格も視野に入れるとはっきり言われたんです……」
「……高藤さんも余計な事を……で、工藤さんはどうしたいんですか?」
「私は……高松さんに学びたいです。コンプライアンスの時の謝罪もありますし、お願いします……」
「何時からですか?」
「8月から1カ月くらい……」
「……長い!…高藤さんと直接話しますので、今日の会議は参加します。何時からですか?」
「ありがとうございます、18時です」
「とりあえず、8月からの件も分かりました。期間は高藤さんと話して決定させて下さい」
「分かりました、よろしくお願いします」
携帯は切れた。高松は大きな溜め息が出た。
高松は自分のデスクに戻ると仕事を始めた。本社までの時間を逆算すると、15時の電車には乗りたい。予定業務を早く終わらせる為、高松は物凄いペースで仕事を進めていく。
「高松さん、このサービスなんですけど……」
「見せて下さい………これで大丈夫でしょう。話を進めて下さい」
「はい、ありがとうございます」
本田は高松に確認し、仕事を進める。仕事も覚え、貴重な戦力である。
高松は11時になると、訪問看護の事業所に移動し、新規の確認と既存の方の確認をし指示を出す。とはいえ、看護の方達ではあるので、確認しながら進める様な形である。
13時には居宅の事業所に行き、そちらで仕事をする。新規が多くなっており、ケアマネをもう1人増やす事を進めなければならなそうである。
14時に一度、訪問介護事業所に戻り、本日の業務の確認をし、田中主任に本社の会議に参加の為、これから本社に行く事を伝える。
「大変ですね。無理しないで下さいよ!」
田中の暖かい言葉を受け、高松は本社に向かった。
本社に向かう電車中、高松はインターハイのハンドボールの結果をインターネットで調べた。どうやら男子は、神奈川商工が優勝したらしい。監督の後藤のインタビューが乗っている。
ベスト16、準々決勝を何とか勝てた事が大きかったですね。
あそこが最大の山場でした。
選手の頑張りを誉めたいと思います。
(後藤も監督らしくなったな……とりあえず、おめでとう)
高松は少し笑顔になりながら、本社へ向かう。
ちなみにだが、女子の優勝は大阪の天王台高校で、名古屋西は準優勝だった。
本社に着いた高松は、すぐに高藤の所に行く。
「失礼します、高松です」
「高松さん、どうぞ!」
「高藤さん、工藤さんへの指示ですが……」
「言われると思いましたよ……しかし、工藤さんの評判はすこぶる悪い……高松さん、協力して下さい……」
「……協力はしますが……1ヵ月は長いです……せめて1週間ですね……」
「3週間!」
「10日!」
「20日間!」
「12日!」
「刻みますね……」
「高藤さんこそ……」
「「2週間!」」
「意見が合いましたね!」
「どうやら、そうみたいですね」
工藤が高松に付いて学ぶ期間は2週間になった。
高藤との話し合いが終わると会議になる。高松は高藤と会議室に入った。最初に社長から話がある。
「人事ローテーションと、各支社の戦略会議を始めます。本日より高松さんに参加頂きます。よろしくお願いします」
最初に人事ローテーションの話し合いが始まる。
誰を何処に移動となるか、誰を昇格させるか等が話し合われたが、開始20分程で高松が言葉を発した。
「誰もが納得の人事ですよね?……この昇格する人達の根拠は何ですか?……失礼ですけど、頑張っているなら誰だってそうですし、古くから居るという理由なら、年功序列にすればいい話です……この人達の成果と今後、どういう期待をしてるんですか?」
高松の質問に社長と高藤以外の全員が黙ってしまう。
「高松さんの質問に答えて下さい」
「私も聞きたいです」
『………………………………』
「結局、自分の好みなんじゃないですか?……だから、辞める人が増えるんです。今回の人事は、私の事業所の田中主任の支配人への昇格と、本田さんを主事に昇給以外は見送りが正しいと思います」
「高松さん、田中主任と本田さんの根拠はなんですか?」
「……工藤さんなら言うと思いましたよ……田中主任は、今回の新規を全て捌き、更には病院やケアマネへの報告等をこまめにし、新規依頼の継続を率先して行っています。それをサポートしてるのが本田さんです。もう少し説明しますか?」
「……結構です。ありがとうございます……」
「誰か反対意見等無いですか…………社長、決定でいいんじゃないでしょうか?」
「そうですね。高松さんの意見でいきます。次に戦略会議ですが、高松さんから話を伺い、それぞれが来週までに考える事にしましょう。高松さん、北関東支社の売上アップまでの考え、行動等を教えて下さい」
「……その場ですか…………北関東支社は、訪問介護は売上は頑張っていました。逆を言えば、訪問介護程、他の事業が浸透して無かったんです……そこで、訪問介護と一緒に居宅と訪問看護も売り込む事を考えました。更には、病院をターゲットにする事で、ケアマネが付いてない方へのアプローチも出来ます……後は、はっきり言って運が良かっただけですね……」
「私から少し付け足します。私は高松さんと営業に行きましたが、欲しい情報を実に上手く伝えてました。我々も高松さんみたいに、もっと勉強して、ケアマネや病院の相談員と対等に話せないといけません……高松さんの日頃からの頑張りがよく分かる営業でした」
高藤の話に誰もが下を向いた。
「では、今の高松さんの話と高藤さんの話を参考にし、各支社長と戦略を練って下さい……高松さん、本日はありがとうございました。昇格の話、考えて下さい!」
「社長、ありがとうございます。謹んでお断り致します」
「それは無いよ~、高松さん!」
「高松さん、そこは変わらないんですね……」
「はい、今はそれなりに楽しいです………では、失礼します」
高松は一礼し、会議室から出て行った。
この後、役員達は社長と高藤から長々と話をされたのである。
何かとやる事がある高松ですね。




