高松はアリスに甘い?
高松は何かと大変なんですけどね……
高松は橘の家に向かって車を走らせる。カーナビでは、2時間半掛かると出ている。
「何か、康介さんと2人で車に乗るの……久しぶりだね!」
「……4月に親と喧嘩して以来ですね」
「それは言わないでよ~……反省してるんだから!」
「……確かにあれからは、逃避行はありませんからね……許しましょう」
「えへへ、ありがとう!」
「しかし、新潟県まで来るとは…………大分大胆に行動しましたね……」
「だって~……康介さんに会いたかったんだもん!」
「……気を付けて下さいよ……私が居ない時に、変なのに絡まれない様に……」
「分かった!……変なのに絡まれない様に、ずっと康介さんと居ればいいんだね!」
「……かなり違いますね……どう伝えたらいいんですかね……」
「いいじゃん!……そういう事にしちゃおうよ!」
「そういう事にはしません!」
「もう……意地悪なんだから!」
「意地悪って……何とも困りましたね……」
「でも、康介さんがちゃんと答えを出すまで、待ってるからね!」
「……分かりました…………それはそれとして、石谷がジムに顔でも出したらって言ってましたよ?」
「!?……あの恐い人達の所?」
「はっはっは、恐く無いですよ……見た目は戦う男達だから、確かに迫力ありますが、全然優しいですよ……時々悪乗りしますけどね」
「……康介さんが一緒なら、行ってもいいかな……」
「私と一緒なのは、当たり前でしょう……接点は私ですからね」
「……なら……大丈夫……」
「まぁ、機会があればですね」
「ねぇ、康介さん……今度は何処かのレジャーランドに行こうよ!」
「……鈴木先生も言ってましたね……ネズミの国の話……時間が合えばですね、これから忙しいんですよ……」
「別に、ずっと後でもいいからさ……一緒に行こうよ!」
「……なかなか暇がないんですが……」
「いいじゃん……いつか行こうよ……約束してよ!」
「……何があったんですか?」
「……私、ネズミの国に行った事無いの……」
「……千葉のやつですね……私も無いですよ……」
「本当!?」
「本当です……特に行こうとも思いませんでしたからね……」
「じゃあ、お互い初めてって事で!」
「……変な誤解を受けそうな発言ですね………………まぁ、いつか行きましょうか……」
「本当に?」
「はい、本当です」
「約束だよ?」
「はい、約束です」
「……やった~、絶対行くからね!」
「はいはい……必ず行きましょう」
高松は橘と約束をした。何だかんだで橘には意外と甘い高松である。
橘と話しているうちに、橘の家に着いた。時間は22時少し前である。
「ただいま~!」
「お帰り……あら、高松さん!…本日はありがとうございます!」
「いやいや、時間が遅くなってしまって……こちらこそすいません」
「いえいえ、高松さんと一緒なら安心です!」
「上がって貰えば?」
「そうですね、高松さんどうぞ!」
「いや、私は用事がありますので……本日はこれで失礼します」
「そうなんですか、残念ですね……今度、ゆっくりいらして下さいね!」
「……はい、ありがとうございます」
高松は頭を深く下げ、橘の家を後にした。高松は橘の母親の、[今度、ゆっくり]発言が引っ掛かっていた。
(流石に生徒の家にゆっくりは……まずいような気がするんだが……)
高松は自分の考えが古いのかと、アパートまでの帰り道に少し考えていた。
アパート近くのスポーツジムに高松は寄り、しっかりとトレーニングを行う。新潟県に行っていた時も高松は、1回1000円程払い、ホテル近くのジムに行ける時は行っていた。
本日も、かなりハードなトレーニングを高松は行っている。
高松はジムでのトレーニングを終えると、アパートまでをゆっくり歩いた。
「高松さん?」
高松はびっくりして振り向くと、市役所の谷島が居た。
「こんな遅くにどうしたんですか?」
「……そのままお返ししてもいいでしょうか?……」
「私ですか?……私は明日、有給を取ってるので、友達と遊んだ帰りです!」
「そうですか……私は新潟県への出張の帰りです……時間があったので、インターハイを見て来ましたけど……」
「新潟県ですか?……いいですね!」
「……仕事ですけどね……」
「高松さん、今度飲みにでも行きませんか?」
「……私、酒は飲まないんです……」
「意外ですね!……何で飲まないんですか?」
「飲む機会が無く、ここまで来ましたので……これからも、多分飲みませんね……」
「そうか~、高松さんと付き合ったら、送り迎えは安心ですね!」
「それが目当てで付き合われても困りますがね……」
「あははは、高松さんはそれだけじゃないですよ!……魅力有りますよ!」
「……魅力ですか………あんまりピンときませんねぇ……」
「高松さんは、自分の魅力に気が付いて無いんですよ……かなり魅力ありますよ!」
「う~ん………今は必要無いかな……やらなければいけない事、どうしてもやりたい事が有りますからねぇ……魅力は有っても無くても困りませんね……」
「高松さんらしい答えですね!……でも、あんまり鈍感だと、怒られますよ!」
「怒られて済むなら、それもいいでしょう」
「……高松さん、やけにドライですよね?」
「そんな事は無いですよ……普通でしょ?」
「いや、普通じゃないですよ?……ドライというか冷静というか…………でも、高松さんと話してると落ち着きます!」
「成る程……私には、鎮静剤の効果があるんですね?」
「ぷっ……あははは、高松さん、真顔で変な事言わないで下さい!」
「??……いや、普通に思っただけなんですけど……」
「成る程……高松さんに魅力が有る訳だ!」
「???……何で納得してるんですか?」
「…………教えて上げない!……高松さん、暇があったらご飯に行きましょうね!」
谷島は手を降りながら、走って行った。
高松は谷島の言葉に困惑していた。
(……何か勘違いしてなければいいけど…………)
高松は少し心配になりながらアパートに戻った。
思いもよらない高評価!
高松はいい人なんですけどね……




