高松達の2次会……
何やら話があるようです。
食事が終わり、それぞれが帰ろうとした時、
「もう少しいいですか……あっちの4人にも、必要な話ですから……」
篠原の言葉に石谷も賛成し、改めて8人で近くのファミレスに移動した。それぞれが注文し、高松はアイスコーヒーを注文した。
「高松さん、コーチお疲れ様です!」
「池本さん、ありがとうございます」
「高松さん、絡まれたりしてないですか?」
「あの後からは無いですよ」
「そもそも、高松は見た目から絡まれづらいんだがな~……」
「若い娘連れてたからじゃないのか~?」
「それはいいとして、高松さん……色々と話を聞かせて下さい……特に若いこっちの2人には、色々勉強になると思うので!」
「構わないですけど……佐伯さんに甲斐さんは大丈夫ですか?」
「「はい、お願いします!」」
「しっかり聞けよ……高松さん、こいつ等[さん]付けはいらないですよ。な、徳井!」
「そうですね……若い娘に絡まれてにやけてたから、にやけ1号と2号でいいんじゃないですか?」
「それは酷いですよ!」
「俺達のが女子に人気あったからって!」
「いや、別に妬んで無いぞ……」
「確かに2人はにやけてたよね……デレデレしてたよ!」
「「篠原さ~ん……」」
「2人共、介っちに話聞くのはいいけど、助平は見習うなよ!」
「待て、亮……助平で何が悪い!……男なら当たり前だ!」
「そうですよ、岡崎さん……助平はオープンに、助平で何が悪い!」
「介っちは度が過ぎてるぞ!」
「いやいや、普通だよ……普通の助平だよ……な、石谷!」
「俺に振るなよ……しかし、男はみんな助平だな!」
「僕もそう思うよ……むっつりはダメだと思うけどね」
「むっつりか~……佐伯と甲斐だな!」
「「何でですか?」」
「確かにそうですね……変に格好付けますもんね……特に1号佐伯は!」
「俺が1号なんですか?」
「成る程、徳井、上手い事言うな……1号佐伯·2号甲斐·3号喜多·4号手塚·5号藤沢、5人揃って、ボクサー戦隊むっつりレンジャーだな!」
「楽しそうですね……紅一点が居ないですよ?」
「そこはご愛嬌だな……ピンクは佐伯な!」
「え~、1号なのにピンクですか~?」
「おい、昴…何で認めてんだよ!」
「そうだよ!……酷いですよ~!」
「この悪乗りは石谷そっくりだな……」
「確かに、石谷を見ている様だ……」
「俺はそんなに酷くねぇよ!」
「……話が逸れ過ぎだね……佐伯君も甲斐君も、高松さんに色々聞きなよ!」
「そうだぞ、高松さんはオリンピックでメダル獲得してんだ……日本初のプロだしな……徳井も聞いといた方がいいぞ!」
「……じゃあ、俺から……高松さん、世界に行って何を感じたんですか?」
「う~ん……大した事は感じて無いよ……ただ、妥協は出来ないかな……自分がその世界で生きて行くならね」
「だったら、高校時代や大学時代にもっとやっとけば……なんて考えたんですか?」
「甲斐君、それは違いますね……過去を振り返る時間が勿体無い……時間があれば、上手くなる事、強くなる事に時間を使いました。体を動かさなくても、プレーを振り返ったり参考になる試合のビデオを見たりして、研究は出来ますからね」
「ここだね……特に2人に必要な事だよね。反省はしても後悔は後回し……この辺は池本君はよく分かるよね?」
「そうですね……後悔みたいに後でもいい事は、死ぬ前でもいいですからね!」
「死ぬ前ですか、過激ですね……しかし、確かにそうですね。後悔してしがみついても、何も変わらないですからね」
「ただし、介っちは少し違うんだよな~……な、石谷!」
「そうだな……確かに池本に近い考え方なんだが……高松は必要無いと思った事は容赦無く切っていくからな~……」
「2人共言い過ぎだ……大体な、世界と戦うんだぞ……あれもこれもやれる程、俺は凄くも無いし、才能もねぇよ……」
「分かるかい、2人共……自分は足りないと認め、そこに全てを賭けてると言っても過言じゃない……そもそも、2人には覚悟が足りないよ」
「「…………………………」」
「2人共、そんな顔しないで……俺は大した選手じゃなかったから、やらなくちゃいけなかったの……あんまり参考にしなくていいからね」
「いや、参考になります!」
「自分の甘さが分かります!」
「高松さん、ドイツの話、少しだけ教えて下さいよ!」
「池本さんはよく知ってますね……ハンドボールはヨーロッパではメジャーなスポーツです。サッカーみたいに人気もあります……その中でも、俺が所属するブンデスリーガは、その時、世界最高峰と言われていたんだ………………大学を卒業して、縁があってシュツットガルトに入団した。練習に参加し、自分がどれだけ甘くて恵まれた所に居たかを痛感させられたよ……高いモチベーションとコンディションをいつでも整え、それでも付いて行くのが精一杯だった……ここで生きていく為には、やる事はたくさんある……生きていくにはやるしかねぇ……そう思って、徹底的に練習したのを覚えています……私も若かったんですね……でも、やらなければ居場所が無かった……やっぱり、やるしか無かったですね」
「そして、開幕戦では正GKですもんね……何かの特集で見ましたけど、この人スゲェと思いましたよ!」
「高松さんは、僕にも不思議な人だったんだよね……オリンピックでメダル獲得したのに、テレビなんかには殆ど出ないし、日本に帰らずにドイツに直行したしね!」
「休んでる暇が無かったんです……負けたのに休む事が出来なくて……」
「満足さえも後回し……これが高松なんだ、少しは勉強になったか?」
「最後だけ偉そうだな、石谷!」
「おう、俺はチーフトレーナーだからな!」
「大体話は終わったな……よし、俺からだ!……誰の家を作ればいいんだ?」
「それな、池本と徳井だな!」
「「はい?」」
「お前等、結婚すんだろ?……家くらい建てろよ、世界チャンピオンだろ?」
「僕も賛成だね……喜多君と手塚君も頼みたい所だね!」
「勿論ですよ!……亮、頼んだぞ!」
「任せておけ!」
「ちょっと待って下さい、話が進み過ぎですよ!」
「チーフ、篠原さん、展開が速いですよ!」
「いいじゃない、ねぇ、佐伯君に甲斐君!」
「「はい!」」
「はいじゃねぇよ!」
「安心しろ、亮の腕は確かだぞ!」
「それは俺も保証しますよ」
「そういう事では無くて……」
「即決する様な話じゃないですよ?」
「諦めなよ、石谷さんが言い出したんだから……」
「「……………………」」
「よし、決まったな……改めて話を詰めようか……よろしくね、池本さんに徳井さん!」
ここでまさかの池本·徳井の家が建つ事が決まった。なかなか身のある話になったが、岡崎は依頼があり、懐にも身がある事になった。
岡崎、仕事が決まり、良かった良かった……




