学校見学、何故か大変……
学校見学……
何かありそうです。
高松と愛美は城北学院に到着した。
高松は事務局に連絡し、中に入る許可を貰った。
2人で歩いていると、後ろから声を掛けられた。2人が振り向くと橘が居た。
「康介さん、どうしたの?……そっちの娘は?」
「橘さんこそ、どうしたんですか?」
「私は用事があって……」
「こちらは……」
「高松愛美です!…来年から城北学院に通う予定です!」
「高松?……康介さんと何か関係があるの?」
「……姪です……兄の子供です」
「そうなんだ!……私は橘アリス、康介さんにはお世話になってます!」
「何で康介さんて呼んでるの?」
「愛美、それは私がそうしたんですよ……先生と呼ばれる事に慣れなくてね……」
「そうなんだ!…なら、康介ちゃんで大丈夫だね!」
「……学校では、康介ちゃんは辞めて下さい……」
「何でそんな話し方なの?」
「営業用です」
「康介さん、やられっぱなしだね!」
「あら、高松さん?」
振り返ると鈴木先生が居た。
「鈴木先生……どうしたんですか?」
「教頭から呼び出されまして……そちらは?」
「ほら、愛美」
「う、うん……来年から通う予定の康介ちゃんの姪、高松愛美です!」
「……康介ちゃんの姪は余計だ……」
「あら、高松さんの姪さんなんですね!……私は高松さんのフィアンセの鈴木です!」
「!?……そうなの、康介ちゃん!」
「……鈴木先生、冗談が過ぎますよ」
「え~、冗談なの~?」
「愛美ちゃん、康介さんのフィアンセは私なのよ!」
「こっちか~?」
「……愛美、からかわれてるぞ」
「え~、2人共嘘なの~?」
「からかってないよ~!」
「高松さん、変な事言わないで下さい!」
「……変な事を言ってるのは2人でしょう?……はぁ、何だか疲れるなぁ……」
「……よく分からないけど、康介ちゃんは人気みたいだね!」
結局、4人で校舎を回る事になった。
色々な教室を見て回る。
「康介ちゃん、新潟県のお土産よろしくね!」
「はいはい……ちゃっかりしてんだから……」
「康介さん、新潟県に行くの?」
「出張です……今日の夕方には、こちらを出ます」
「インターハイは見るんですか?」
「時間が合えばですね」
「康介ちゃんがハンドボール見ても、あんまり分かんないんじゃないの?」
「「????」」
「そうかもしれませんね……」
「愛美ちゃん、康介さんは」
「お土産は何がいいですか、愛美!」
高松は橘の言葉に自分の言葉を被せた。
「何がいいかな~……インターハイに寄って、Tシャツでも買って来てよ!」
「はい、分かりました」
「高松さん……向こうで会えるかもしれませんね!」
「何でですか?」
「私、教頭先生にハンドボール部の写真を頼まれたんです……向こうで一緒に食事でもどうですか?」
「ずる~い、私も行きたい!」
「橘さん、私は仕事ですよ……鈴木先生も橘さんを煽らないで下さい……」
「高松さん、私も仕事です。たまたま向こうで合うだけです!」
「大変だね、康介ちゃん!」
大体見学が終わり、高松は事務局に寄って挨拶をしてから、愛美と校舎を出て行った。橘と鈴木先生も一緒である。
駐車場を歩いていると、高松の会社携帯が鳴る。高松は携帯を確認し、嫌な表情を浮かべながら携帯に出て、3人から離れていく。
「はい、高松でございます」
「高松さん?…工藤です!」
「何かご用ですか?」
「いきなりですね……業績も凄く上げてらっしゃるし、少し話をしてもいいじゃありませんか?」
「その様な要件ならお断り致します、失礼します」
「ちょっと待って下さいよ!……高松さんが業績を凄く上げたので、どんな事をしたのか知りたいんです!」
「高藤さんに聞いて下さい。この間、一緒に営業行きましたから」
「いやいや、高松さんから直接聞きたいんです!」
「私は話す義務はありません。高藤さんの方が詳しく教えてくれます」
「高松さんと私の仲じゃないですか?」
「どのような仲ですか?」
「やだな~、一緒に頑張ったじゃないですか?」
「確かに同じ事業所に居た事はありましたけど、私がやった事を自分で報告して出世なさったでしょう?……私は仲間とは思えませんね」
「そんな、昔の事じゃないですか?」
「いや、今回も同じ事をしたいんでしょう?……コンプライアンス委員会で社長·高藤取締役から大分評価下げましたもんね」
「……相変わらず、嫌な事をズケズケと……」
「やはり、あなたとは気が合いそうもありませんね」
「会社的には私が上司ですよ!…今のうちに答えれば、今の発言は忘れて上げます」
「そう来ましたか……では、私も会社関係者として話をしますか……私は本日公休です。公休の私に仕事の話等もってのほかです。役職を出して話をするなら、完全にパワハラですね。コンプライアンス委員会の時、工藤理事が言っていた言葉です。更に、コンプライアンス委員会での決定事項、私への謝罪は誰からも受けていませんが、こちらはどうですか?……1ヶ月経つのに、誰からもありません。そのうち内部監察室から確認の連絡が来ると思いますが、それまで黙っているのは、私の優しさです。しかし、あなたがそういう態度なら、行動するだけです」
「ちょっと高松さん、冗談言っただけじゃないですか!」
「私の公休の時に、私が不愉快になる冗談ですか……問題ですね……それから、この電話でコンプラの事を謝られても無効ですよ。私は認めませんからね」
「そんな、高松さん……」
「それでは、私は用事が無いので、失礼します」
高松は強引に電話を切った。
高松が電話をしている時、橘と鈴木先生は愛美に話を聞いていた。
「愛美ちゃんは、どうしてハンドボールを始めたの?」
「一重ちゃんがやってたからだよ!」
「確か……高松さんの甥でしたね……よく会うんですか?」
「そんなに会わないかな……高校入ってから、一重ちゃん忙しいから!」
「康介さんて、何してたの?」
「私が知ってるのは、今の会社で働いている事だけ……昔に何があっても、康介ちゃんは康介ちゃんだよ!」
「確かにそうですね。高松さんは、何があっても高松さんですね!」
「康介さんの過去は気にならないの?」
「うーん……そのうち教えてくれると思うから大丈夫!」
「そっか……確かにそうだね!」
「でも、高松さんの露骨に嫌な顔、初めて見ました……」
「確かに!……珍しい事だよね?」
「確かにあんまりやらないけど、康介ちゃん、好き·嫌いははっきりしてるよ……嫌いな人とは、話しないからね!」
「「へ~、意外!」」
3人が話していると高松が戻って来た。
「すいません、変な電話でした」
「うん、それは分かった!」
「露骨に嫌な顔でしたよ!」
「康介ちゃん、バレバレだね!」
「嫌な物は嫌なんです……仕方ないですね……さて愛美、昼でも食べて帰りましょう。何処行きます?」
「……マスターの所!」
「私も行きた~い!」
「私もご一緒したいです!」
「……このタイミングでマスターか……まぁ、丁度いいかな……」
高松達が歩いていると高木先生が走って来た。
「どうしたんですか?」
「忘れ物して……これから新潟県に行き直しです……」
「女子ハンドボール部監督の高木先生ですね?……来年、ハンドボール部に入る予定の高松愛美です!」
「私の姪です……」
「本当ですか?……よろしくね、愛美さん!」
「はい……それより、これからどうするんですか?」
「ご飯でも食べてから、新潟県に向かいます。今日中に新潟に着けば問題無いですからね!」
「なら、これからみんなでご飯食べて、康介ちゃんに送って貰ったら?……康介ちゃんも新潟に行くんだもんね!」
「本当ですか?高松さん?」
「あ、高木先生が高松さんに乗って行くなら私も乗りますよ……私も今日から新潟です!」
「ずる~い、私も行きたい!」
「……遊びに行く訳では無いのに……愛美、余計な事は言わないの」
「え~、余計な事じゃないよ~!」
結局、この後みんなでマスターの所に行く事になった。
本日も高松は何かと大変である。マスターはどんな事をしてくれるのだろうか。
まだまた揉めそうです。
マスター、何かやらかしそうですね……




