期末テスト……
高松が作ったテスト……
少し興味があります……
高松は城北学院に出勤した。本日は期末テストの最終日である。
高松は職員室でパソコンを開きながら、他の先生方が来るのを待つ。
本日の高松は、試験管役で勤務し、本日最後の3時間目のテストが福祉についてのテストとなる。
「「おはようございます、高松さん!」」
「おはようございます……2人共早いですね」
「何言ってんですか、私はいつも通りです!」
「私は高松さんにお礼を言いたくて!」
「お礼?」
「はい、ハンドボール部は男女共、インターハイに出場です。高松さんのお陰です!」
「??……みんなの頑張りでしょう?」
「みんなは頑張りましたけど、高松さんの存在は大きいです!」
「う~ん……それは無いですね……」
「いいじゃないですか、高木先生もああ言ってるし…そうですかって事で!」
「それはダメです……これから先を考えるとダメなんです……」
「「????」」
「私はここの職員では無い……ですので、あくまで選手と監督の手柄でないと、今後、勝てなかった時の逃げ場を作ってしまう……だから、私は邪魔しただけの存在です……」
「高松さん……」
「何だか、高松さんていいですね!」
「おはようございます、高松さん!」
「おはようございます、加藤先生も早いですね」
「はい、インターハイ予選のお礼を……」
「それは大丈夫です、それよりインターハイです。これからが大変ですよ」
「はい……高松さんも手伝って下さいね!」
「……加藤先生、その考えはダメですよ……しっかりして下さい」
「それはそうですけど……」
「私は時々お邪魔するだけですからね」
「はい、お願いします!」
「あの~、女子の方も……」
「はいはい、時々お邪魔しますね」
「はい、お願いします!」
「話は終わりましたか、高松さん!」
「はい、終わりましたよ」
「では……7月に入ったら何処かに一緒に行きましょう!」
「!!……何言ってんですか、鈴木先生!」
「あら、高木先生には関係無いでしょう?」
「……私は暇は無いですよ」
「え~、1日くらいはあるでしょう?」
「引っ越しはあるし、仕事もあるし……やる事満載なんですよ……」
「残念でしたね、鈴木先生!」
「なら、引っ越しはお手伝いします!」
「!?」
「……ご遠慮致します……私のプライベートですからね」
「高松さん、照れなくてもいいのに!」
「??……別に照れて無いですよ?」
「……そういう事にしておきます!」
「高松さん、聞きたいんですけど……」
「何ですか、加藤先生」
「インターハイまでの練習、高松さんの時はどうでしたか?」
「私の時ですか……参考にはなりませんよ」
「教えて下さい!」
「……練習後に走り込みをしてましたね……後は、GKはウィンドブレーカーを着てました」
「確かに!……高松さん、高校のこの時期に着てましたね!」
「はい、暑さ対策です……しっかり食べても5kgは体重が減りましたからね……」
「成る程、暑さ対策か……練習後に走り込みだな……」
話をしてる間に他の先生方が来る。
本日、山田先生は体調不良でお休みである。
ホームルームが終わり、テストが始まる。高松は1時間目は1年6組の試験管である。
テストは順調に進み、高松は2時間目は4組を担当した。
3時間目、高松は3組に来る。1年の担任は、それぞれのクラスに行きテストを受ける準備をしている。
「康介さん、今日もご苦労様!」
「橘さん、テストはどうですか?」
「何となくだけど、自信あり!」
「それは良かった……後は福祉だけですね」
「うん……康介さんに答え聞いてもいいの?」
橘の言葉にクラス中が一斉に高松を見る。
「……別に構わないですけど、多分満点どころか、大した点数取れませんよ」
「そんなに難しいの?」
「はっはっは、先生方には難しいかもしれませんね」
予鈴のチャイムが鳴り、高松はテストを配る。
もう一度チャイムが鳴る。
「はい、それでは始めて下さい」
全員がテスト用紙を表に向け、テストを始めた。
1学期期末テスト·福祉
問1
1学期の授業を受け、どんな事に興味を持ったか自分の言葉で書いて下さい。
問2
これからどうなると福祉が良くなるか、自分の言葉で書いて下さい。
高松が作成したテストは以上である。
別紙に解答を書くのだが、確かに誰と話しても、何を見ても構わない筈である。結局は自分の考えを書く訳であるので、高松に聞いても点数は取れない。
そして、高松の予想通り先生方が苦戦していた。
何とか形を作ろうと難しい言葉を並べたり、格好良く文章をまとめようとしたりと悪戦苦闘していた。
高松は1年3組のテスト風景を見ながら、自分もテストを始めた。
高松の解答
問1
机の上の勉強は、現場では殆ど役に立たない。
いかに現場と学校等の意識に差があるかという事。
問2
賃金の見直しも去ることながら、今の現状は、痒い所に手が届かない状態である。どうしたら使い易い制度になるか、本当に困った方が使える様な制度にする事が1番の課題であると考えられる。
高松は自分の答えを確認し、介護の世界もまだまだだと感じた。
なかなか問題は山積みだが、やらなければいけないと高松は改めて思った。
高松は周りを見回す。みんな携帯で調べたり、資料や教科書を確認しながらテストを受けている。今テストを受けている生徒のうち、ほんの僅かかもしれないが、福祉の世界に飛び込む者が必ず居る。更には、いずれ必ず誰しもが介護に接する時がある。
高松はそんな未来を考え、今自分の出来る事は何かと考えていた。
終わりのチャイムが鳴り、高松はテストを回収して教室を出て行った。
高松はすぐにテストの採点に入り、本日のうちに終わらせるつもりの様だ。高松は楽しそうに採点をする。
山田先生には郵送でテストを送った。
後日、山田先生は郵便物を受け取り、
「マジかよ~!」
叫び声を挙げた。
なかなか楽しそうなテストです。
高松にも考えがありそうですね。




