表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
最後の恋……  作者: 澤田慶次
24/221

高松とハンドボール……高校時代その7

長くなりました、高松の高校時代。

これにて閉幕になります。

なんとなくでいいので、高松の高校時代が分かって貰えたら嬉しいです。

8月下旬、国体関東予選。

国浦学院は単独チームで国体関東予選に臨む。

1日目、高松は高校全日本の合宿があり、欠場となる。国浦学院は初戦を15-18で落とすが、翌日には高松が合宿より戻ってきており、2日目初戦を19-13で勝利すると、次の試合を20-13で勝利し国体本戦出場を決める。


10月15日から広島にて国民体育大会が始まる。

高松達県代表メンバーは新幹線にて広島入りする。

全体の開会式、ハンドボール少年男子の開会式を経て本戦が始まる。

1回戦18-12、2回戦18-14、準々決勝16-12、準決勝18-13と勝利した高松達、決勝は神奈川県代表で、メンバーは8割を神奈川商工が占める。

試合は始めこそ国浦学院の動きが堅かったが、高松がいつも通りのプレーをするのを確認すると、チームは落ち着きを取り戻し、前半を9-5で折り返すと、後半は更に勢いが加速し、終わって見れば20-9で勝利、国浦学院が高校初の春夏国体連覇を達成した。


この国体には、少年男子ボクシング・ライト級県代表に石谷が選ばれており、優勝している。

石谷はインターハイでもライト級を制しており、高校2冠を達成していた。

岡崎も少年男子ラグビー県代表に選ばれ、2回戦で敗戦したとはいえ、冬の花園を前にいい経験をしていた。

高松・石谷・岡崎は国体で自由時間の時に待ち合わせをし、3人で広島市内を探索した。

他の会場に見学に行ったり市内に何があるのか見て回った。帰りに電車を間違えて集合時間に遅れ、監督に怒られた。監督に、

「お前らしいが、時と場所を考えろ!」

と厳しい言葉を掛けられた。これは、石谷・岡崎も似たり寄ったりである。

高松の高校時代のハンドボールはこんな状況で幕を閉じた。

高松の卒業後の進路は、どこの大学や実業団も注目しており、国体の間に何人もの関係者が高松に自分達の大学や実業団をアピールしていた。

この大会の後、高松は悩みに悩んで体育大学に進学する事になるが、それはもっと後の話である。


高松のハンドボール以外の高校時代は、色々と高松らしさが出ていた。

国浦学院は文化祭も体育祭も両方開催するが、高松は体育祭の時は余り目立たない種目に出て、なるべく楽をしていた。石谷・岡崎も同様の事をしており、それがばれてしまい、3年生の時はかなり体力を使う種目を3人は当てられた。

文化祭も高松はなるべくサボる事を優先しており、周りが気が付くと高松は居ない事が多々あった。

だからといって、無責任な訳ではない。

頼まれた事は必ずやり遂げており、クラスでも頼りになる男であった。その為、周りは高松が頼られ過ぎてしまわない様に、高松の時々のサボりは黙認する事が多かった。


高松は基本、男子と一緒に居る事が多かった。

高松の周りには大体石谷・岡崎がおり、2人が居ない時でも男子が誰かしら居た。

しかし、女子から不評という訳ではない。

聞かれた事や相談事には的確に答え、席が隣になった女子からはかなり意識される。更に高松は基本は優しく周りを気にしながら学校生活を送っている為、他人の変化、特に気持ちが沈んでいる等の心情の変化を察知し、男女分け隔て無く声を掛ける。高松が声を掛けた事で助かったクラスメイトは多数いた。

ここで高松の特徴が出る。

それだけ他人の心情の変化に敏感な筈なのに、高松に好意を寄せている女子については全然気に掛けない。

全国でも活躍し、優しく頼り甲斐のある男である。高松を狙う女子も居た筈だった。

しかし、高松の分かっていて無視しているのか、鈍感なのかの判断がつかない為に周りの女子は一歩を踏み出す事が出来ない。更に言えば、せっかく高松と仲良くなったのに気持ちを伝えた所で、この関係が崩れる事が怖く誰もが言い出せないでいた。

また、高松の態度も彼女を作る気があるのか無いのか分からなかった事も大きい。

結果、誰もが高松に告白出来ない状況であった。

高松が彼女を作りたいかどうかは石谷が良く知っていた。高松は石谷とそういった話を良く部活終わりにしていた。岡崎はチームメイトと残っている為に、この話に参加する事は少なかった。

高松も世間一般的な高校生である。彼女が欲しいのは当たり前であるが、高校1年・2年のバレンタインデーでちょっとした事件が起きていた。

高校1年の時の2月14日、高松の部活の着替え等が入っているバッグにチョコレートが入っていた。

しかし、これがチョコレートでは無かった。

包みを開けて、大して確認もせずに高松は口に入れたが、これはカレールーであった。

高松はなかなかいい奴であるが、それでも必ず誰かに嫌われる。これは仕方ない事だが、その誰かが高松に悪戯したのだ。

更に翌年、練習後に部室に戻りバッグを開けると、切れた軍手が片方だけ入っていた。

高松は物事をはっきりと言う性格の為、そんなに好かれないと自分を分析していたが、余りにも酷いと石谷に話していた。

1年の時のトラウマがあり、なかなか異性との距離を縮めない高松、2年の時の事が決定的となって恋愛に対しては、ほぼ諦めていた。

高校3年の時、当時1年生だった高木は高松に告白をしようとしたが、ちょっとした行き違いから結局高松に告白は出来なかった。

これはまた、少し別の話になる。


高松の高校時代、現在からは考えられないくらいに熱く激しかった。この後、高松のハンドボール人生はもっともっと熱く激しくなっていく。

そして、何かがあり、現在と繋がっていくが、それはもう少し後の話である。

ハンドボールは高松にとって青春そのものであり、ある時期、高松にとってはハンドボールが全てだった。

だからこそ、現在の立場は高松にとって特別なのかもしれない。

次回からは本編に戻ります。

高松が今後、どうなっていくか注目です。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[良い点] 高松さんの輝かしく熱い青春でしたね! 石谷さんも流石の強さですね。 これがのちに池本さんを見抜く力に石谷さんもなっていくわけですね!
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ