高松とハンドボール……高校時代その6
高松の高校時代も終盤……
2月18日・19日、選抜大会関東予選が始まる。
東京都と神奈川県はチーム数が多い為、関東大会には参加するが、それぞれ都と県を勝ち抜けば選抜全国大会に出場出来る事になり、残り6チームで5席を争う事になった。
試合は東京と神奈川の代表のチームを抜いたチームで2つのリーグに分け1位〜3位を決める。各リーグの2位・3位は別のリーグの2位・3位と対戦し、関東での順位を決める。
各リーグ1位は東京・神奈川を含めた4チームでトーナメントを行い、関東での順位を決める。ただし、東京・神奈川はそれぞれの代表として全国大会に出場出来る為、関東での順位には加わらない。
関東予選1日目で予選2試合をやり、2日目で順位決定戦を行う。
高松達国浦学院はAリーグであり、千葉代表・埼玉代表と同組である。2つ共、全国大会優勝候補の一角である。
関東予選1日目、国浦学院はしっかりと結果を出していく。
初戦、国浦学院は堅さも見られたが高松が相手のノーマークシュートを止めた後、右手をチームメートの方に開いて突き出し、大丈夫とジェスチャーをした。
このプレーが国浦学院の選手の緊張をほぐし、いつも通りの動きを引き出して行った。
結果、初戦を18-10で勝利すると、国浦学院の2試合目は最初から動きに堅さが無く20-11で勝利、ストレートに全国大会を決める。
関東予選2日目、国浦学院は東京代表に20-12で勝利すると、決勝で神奈川の神奈川商工と対戦し、高松のファインセーブの連発もあり、23-10で圧倒した。
3月14日から選抜全国大会が始まる。
国浦学院は関東1位としてこの大会に臨む。
高松に緊張は無い。大会初日の朝、国浦学院はホテルしか取れず各自1人部屋だったが、高松は眠りすぎて監督自らが高松を起こしに来るという失態をする。少しは緊張感はあった方が良いらしい。
初日の1回戦、国浦学院は堅さも無く試合を有利に進めていく。結果、24-9で初戦を突破した。
2日目、2回戦も国浦学院は22-11と圧倒し、続くベスト8でも23-10と危なげなく勝利、準決勝に進んだ。
3日目準決勝、国浦学院は神奈川商工と対戦する。
去年の借りを返すという使命がある国浦学院は、前半からエンジン全開、神奈川商工を圧倒し23-8と勝利した。
続く決勝、埼玉代表の栄浦学院との対戦。
栄浦学院は、窪田・田丸・北口を中心に攻撃をしてくるが、高松を中心に国浦学院はしっかりと守り得点は簡単には許さない。
逆に国浦学院は、ディフェンスの後の速攻等で確実に得点を重ね、終わってみれば21-12で国浦学院が初の全国制覇を果たした。
4月、短い春休みを経て、高松は3年生になった。
この時に入った女子ハンドボール部のGKが高木先生である。
国浦学院男子ハンドボール部は県内では圧倒的であった。県南大会では、試合経験を積ませる為に2年生のチームで臨むが、高松達と練習している2年生である。毎日練習している相手が違う。
結果は見事に優勝し、国浦学院男子ハンドボール部の層の厚さを見せ付ける形になった。
5月の関東大会県予選、国浦学院は危なげなく勝利し、関東大会の切符を手にする。
順位戦では、レギュラーの3人が試合中の怪我と体調不良でベンチにすら入れない状況となるが、高松はしっかりとシュートをセーブし、いつも通りで大丈夫と強烈なメッセージを最後尾から送り、しっかりと1位で通過した。
6月上旬、関東大会。
国浦学院はその強さを見せ付ける結果となる。
1回戦・2回戦をダブルスコア以上の結果で勝利すると、ベスト8でもダブルスコアで勝利する。
準決勝・決勝も高松の好セーブが光り、10点差を付ける圧勝となった。
また、この大会で高松は最優秀選手賞を獲得し、インターハイ予選を前に更に注目を浴びる事となる。
6月下旬、インターハイ県予選。
国浦学院は1回戦から自分達のリズムで試合を進め、危なげなく決勝に進む。
決勝では高松を始め3年生が自分の役割をしっかりとこなし、27-9と全く他のチームを寄せ付けない結果となった。
7月24日、インターハイが始まる。
国浦学院男子ハンドボール部は山中監督の運転するバスで会場入りする。会場は山梨県甲府市である。
この年、国浦学院女子ハンドボール部がインターハイに初出場し、ベスト16まで進む。
高松達国浦学院男子ハンドボール部は、1回戦から油断無く試合を進める。
負けたら最後のトーナメント、1試合1試合毎に全力で試合に臨む国浦学院男子ハンドボール部、結果は自ずと付いてくる。
1回戦22-12、2回戦19-11、3回戦21-10、準々決勝23-10と勝利し、準決勝は栄浦学院との対戦、高松の好セーブとエース野澤の活躍により24-9で勝利した。
決勝は神奈川商工との対戦、国浦学院は昨年の借りを、神奈商は選抜大会の借りを返す戦いとなった。
前半立ち上がり、神奈商が流れる様なプレーからノーマークシュートを放つが、高松は顔色1つ変えずにシュートを止め、逆に速攻で国浦学院が先制する。
これが国浦学院に勢いを付け、10-4で国浦学院のリードで前半を終了する。
後半も流れは変わらない。
国浦学院は着実に得点を重ね、試合を有利に進める。
後半残り30秒、すでに試合は決着していたが、ここで高松がハンドボールのGKとしては甘い事ではあるが、実に高校生らしい事をした。
相手のノーマークシュートを止めた高松、ゆっくりとボールをチームメイトの新井にパスすると、ボール回しの指示を出す。指示を出した高松もゴールエリアから出てボール回しに参加し、残り5秒の所で高松はボールを渡す様に要求する。
野澤からパスを貰った高松は、誰もがそのボールを投げると思ったが、そのボールを右手でしっかりと抱えると左手を高々と上げた。
その瞬間にホイッスルが鳴り、トータルスコア21-10国浦学院の春夏連覇が決まった。高松達は昨年の借りもしっかりと返した。
観客席に前キャプテンの矢島、その前のキャプテンの田中を高松は発見し、2人に向かって両腕を大きく上げた。2人は高松に大きな拍手を送った。
昨年のリベンジを果たした高松。
高校時代の高松は、次回で終了になります。




