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03 意外なターゲット

03 意外なターゲット


 キュウタの口から飛び出した名前は、田神と言う僕と同じクラスのテニス部の女子だった。小学校、中学校も同じで幼馴染のように過ごしてきたのだが、高校生になってからは少し距離が開いているかもしれない。とは言うものの、話はできる。

「それさ、先に言えよ。田神ならいつだって紹介してやるのに」

「そうは言うけど、紹介ってどうするんだよ。はい、キュウタです。はい、田神です。じゃぁ後は二人で、てならないか?そのまま残されたら、俺は固まるよ…」

「それもそうだな…」

「こっちに気が有りますって伝えてるようなものだろ」

「それじゃダメなの?」

「ダメに決まってるだろ。嫌われてたらどうするんだよ。何事も、きっかけとタイミングが重要なんだよ」

「なんか、難しい理論だな。で、テニス部はどうなってるんだよ、祝賀会。参加予定になっているのか?」

「男子はな。でも、女子部はまだ。だから、そこをジンに頼もうと思っているわけだ」

「やっぱり紹介するんじゃね〜かよ〜」

「そうじゃない。紹介するんじゃなくて、祝賀会に誘うだけだ。ジンが声掛けてくれよ、頼んだ」

「ま、しょうがないだろうな…。それにしても、なんか、責任重大だな……」

 そんな訳で、なぜか突然テニス部担当になってしまった。田神を始めとした同じクラスの女子と雑談はするものの、社交的なキュウタと違って、いざ何かに誘うと言うのは得意ではない。幼馴染だったからと言って、やはり「誘う」と言うのは照れ臭い。ただ、今回に限ってはそうも言ってられず、キュウタのためにも必ず参加してもらわなければならない、と言うミッションを課されたわけだ。果たして、男の友情と言うのは、いざと言う時にどのくらい見えない力を与えてくれるものなのだろうか。

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