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15 幼馴染の知らない一面

15 幼馴染の知らない一面


 そんな訳で、江ノ島に行くことになった。キュウタのミッションとしては何番目にあたるのだろうか。見事な程の晴天、誰かの行いが良いのかもしれないが、キュウタではないことは確かだと思う。

 こんな僕でも心配性なところがある。普段から早目に家を出て、できることなら到着してから時間を消化したい。30分で着くだろう距離でも、何かあって遅れると危険なので1時間前に家を出る、そんな感じだ。踏切でも、途中で閉められる事が不安な為、遮断機が降りている間に遮断機の前まで行き、開くのを待っていたい。なぜここまで不安なのかは自分でもわからない。そんないつもの習慣に流されて、自分のなかでの想定した安心時間に出発したのだが、案の定30分も早く最初の目的地、駅前のコンビニに到着してしまった。

【無事に出発。田神拾って09時20分頃かな】

【了解!今日はヨロシクな!】

【ヨロシクなって言われてもね〜】

【頼りにしてるぞ!じゃぁ後で】

 キュウタはちゃんと起きているようだ。何となくナビを確認しながら周辺の街並みを廻りを見渡す。あまりこの辺りは来ることがないので、パン屋、和菓子屋、文房具等の小さな商店の多さに少し驚きながら、地域の人の生活を垣間見る気がした。

【見つけたよ。飲み物買っていくけど何が良い?】

 田神からだ。まだ待ち合わせまで20もある。もう一度廻りを見渡すけれど、田神らしい姿は発見出来なかった。

【どこにいる?じゃぁ麦茶】

【健康的で良いね。今、行きます】

 しばらくして自動ドアから田神が出てきた。その姿を見てドキッとした。いつもの体育会女子の姿はそこに無く、少しお洒落な女の子、だった。帽子をかぶり、真っ白なニットの下には長めのスカート。少し踵の高いブーツで自然に歩いてくる。ナチュラルだけれど微かに化粧もしているのだろうか。そのまま近づいて来ると窓ガラス指でコンコンと叩いた。

 ドアロックを解除するとそのまま助手席に乗り込んできた。

「ジン君、おはよう。晴れて良かったね。はい、麦茶」

「…田神…、今日はどうした…」

 思わず口に出てしまった。

「どうしたって、どうかした?それに、レイですからね」

「いや、いつもと全くイメージが違うから…驚いた」

「変?」

「あ、いや、そういう意味じゃなくて…」

「良かった。せっかくのデートだしね、お洒落も楽しまないと」

「相手はキュウタだけどな」

「ジン君もいるじゃない」

「それにしても早いな。まだ20分くらいあるのに」

「何となく落ち着かなくてね。そう言うジン君も早いよね」

「何となく落ち着かなくてね」

 同じ言葉で答えたそれぞれの想いは分からないが、横を向いたら目が合い、思わず二人で笑顔になった。何となく照れ臭かったのだが、その原因がどんな感情からなのかは解らなかった。

「敢えずキュウタの家に向かいますか」


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