意識が乗っ取られるっ!!(勘違い)
少し遅れました。
目が覚めたのは昼前....どころかまだ朝だった。
狩りに出かけたのが早朝だったので、気絶してからあまり時間が経っていないのだろう。
未だに体がだるい。
魔力が尽きるとこうなる事は知っていたが、ここまで辛いとは思わなかった。
また、自分の魔力量も鍛えていなければ15しかないのは当たり前だと気づくべきだった。
《ステータス》
ステータス
個体名…無し
種族名…人間
年齢…3歳と6日
HP…20/20
MP…6/16
SP…25/25
力…28
器用さ…22
知能…95
俊敏…24
スキル…ステータス、自制力(on)
技能…炎魔法(30)、風魔法(30)、水魔法(30)、土魔法(30)、回復魔法(30)、強化魔法(30)、光魔法(30)、音魔法(30)
()内は使用可能な魔法の数
MPはまだ回復していないようだが、魔力の最大値は少しは増えているようだ。
だいたい二割を切ると魔力不足の症状が出ると本には載っていたのだが、初級魔法ですら一度で2割をきるのは問題である。
「これから伸ばしていかなくては.....」
はっ!?今僕は何をっ!?
また訓練が増えるみたいだ.....
それにしてもステータスの上がり方がすさまじい。
力なんかは2倍近くまで成長している。
だが、例えば3歳の握力の平均が5キロだとして(本当のところは知らないが)元が1.5倍、そしてそれの2倍の15キロになったとしてもまだ弱いだろう。
「もっと訓練をしよう。」
まずいっ!また気を抜いてしまった!
疲れていると普段よりスキルに影響されるようだ.....
気をつけよう。
僕は今、さっき倒したアルミラージを探している。
すぐに血抜きをしなければ臭みが付いてしまうがそんな事は言っていられない、などと考えて来てみたのだがアルミラージの死体が見つからない。
一瞬アルミラージの死体はもう他の生物に持っていかれたのかと思ったが、その可能性は低い。
何故なら小屋には強い魔物ほど遠ざかる効果がある結界が張っているからだ。
小屋は森の中の開けた場所にあるのだが、大陸内に森は帝国領北方にあるケドロス大森林しかないのでそこの奥地にあると思われる。
それにもかかわらず強い魔物を見ない事から、結界はちゃんと働いているのだろう。
.....結局アルミラージの死体は見つからなかった。
ここら辺にはアルミラージしか住んでいないようなので、アルミラージが死体を食べたのだろうか。
ウサギは草食だが、同じだという保証は無い。
それとも小屋からさらに遠くにいる魔物が近づいてきているのだろうか。
他にはアンデット化が考えられるが、その可能性は低い。
死後に魔力が死体から抜け出す前に魔力が死体に定着してしまうとアンデット化する事があるが、もっと魔力の多い強い魔物でないとそれは起こらないし、そもそも夜しかアンデット化はしないはずである、あの邪神の本によるとだが。
ところであの邪神は何を考えているのだろうか。
態度はうざいが役に立つ本をくれるし、態度はうざいが安全も確保してくれた。
それに態度はうざいがスキルのことを考慮しなければ他には感謝すべき事しかしていない。
それにあの邪神はどこか自分に嫌われたいと思うような節があった。
その矛盾した行動と態度には何か裏があるのだろうか.....
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
「ふむ、信仰とは違う思考を感じる。
もちろんくしゃみはしない。
そもそも神が噂されているだけでくしゃみをするのならばそれこそ何も出来なくなるだろう。
それにしてもあの生意気な少年には悪いことをした。
だがやらない訳にはいかない。
全ては創造神様の御心のままに。」
炎魔法、風魔法、水魔法、土魔法、回復魔法、光魔法、音魔法、強化魔法、があるのである。