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東方 白狐伝  作者: 蛸夜鬼
漆章 幻想郷の章
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最終話 幻想郷を巡り、そして

 スペルカードルール⋯⋯もとい弾幕ごっこをやった日から数日。その夜、俺は実家の縁側で月見酒をしていた。


雪「⋯⋯」


紫「あら、月見酒?」


雪「紫か。一体なんだ?」


 するとスキマが開き、そこから紫が出てきた。紫は俺の隣に座ると何処から出したのか、猪口に俺の酒を注いだ。


雪「おい。その酒は⋯⋯」


紫「あら、分けてくれないの? ケチねぇ」


 そう言って紫は酒を飲む。だがすぐに顔を真っ赤にして咳き込み始めた。


紫「ケホッ、ケホッ! 何このお酒、凄い辛いじゃないっ!?」


雪「鬼の造った鬼殺しだからな。今水を持ってくる」


 この酒、地底から帰るときに勇儀から貰った酒なんだが⋯⋯鬼殺しと名付けられているだけあって相当辛く度数の高い酒となっている。人間の造った酒に飲み慣れている者にとってはかなりキツいだろう。


紫「良くこんなの飲めるわね⋯⋯」


雪「昔飲んだし、酒には強いからな。まあ俺も偶にしか飲まないが。ほら水だ」


 紫は俺が持ってきた水を飲むと一息つく。そしてスキマから別の酒を出すと猪口に注いだ。


雪「⋯⋯自分の酒があるじゃないか」


紫「気にしないの。細かい男は嫌われるわよ?」


雪「はぁ⋯⋯で、何の用でここに来た?」


紫「別に用は無いわよ?」


雪「は?」


紫「嫌ね、冗談に決まってるじゃない。ちょっとした報告よ」


 そう言って紫は猪口に残っていた酒を飲み干し、スキマにそれらを仕舞う。


紫「⋯⋯貴方と一緒に来た吸血鬼の娘がいるでしょう?」


雪「レミリアの事か?」


紫「ええ。その子に、今度異変を起こして貰う様に頼んだの」


雪「は?」


 紫は何を言っているんだ。まだ吸血鬼異変の傷が癒えていないだろうに。


雪「何が目的なんだ?」


紫「スペルカードルールを手っ取り早く広める為、かしら。あと彼女達の存在も幻想郷中に知ってもらう為よ」


雪「⋯⋯そうか」


紫「気に入らない?」


雪「⋯⋯いや、文句は言わん。しょうがない所もあるだろう」


 レミリア達を利用するといった点は気に入らないが、スペルカードルールを広める為には、紫も言ったがそれが手っ取り早いだろう。それが広まれば無駄な殺し合いも無くなる筈だろうからな。


紫「あと、貴方にお願いがあるのよ」


雪「お願い?」


紫「ええ。霊夢は博麗の巫女なのは知ってるでしょう? 巫女は大結界を見守る役目と共に異変を解決する役目もあるの」


雪「つまりレミリアの異変解決の為に霊夢が向かうと?」


紫「ええ。それで⋯⋯今回の異変はスペルカードルールを導入して初めての異変。霊夢も今回の様な形には慣れていないわ。だから⋯⋯」


雪「⋯⋯様子を見て、場合によっては助けろという事か?」


紫「そういう事よ」


 ふむ⋯⋯まあ、紫も霊夢の事が心配なのだろう。そんなに心配なのなら自分で行けば良いじゃないかと思わないでもないが⋯⋯。


雪「分かった。任せておけ」


紫「ありがとう。それじゃ、よろしく頼むわね」


 そうして紫はスキマに入り、消えていく。俺も酒を片付けると歯を磨いて床に就いた。



─────



雪「む⋯⋯」


 ふと、妙な感覚がして目を覚ます。辺りは俺の家ではなく、果てまでもが真っ白な謎の空間だった。


雪「ここは⋯⋯」


焔「よう、お目覚めかい?」


 すると背後から焔が話しかけてきた。取り敢えず立ち上がり振り向くと、そこには座布団に座り茶を飲んでいる焔がいた。


雪「焔か。何の用だ」


焔「おいおい、百数年ぶりの再会だぜ? 早速用事を聞くとか常識ねえのかよ」


雪「再会を喜ぶ程の仲じゃ無いだろう」


焔「何だよ、つまんねえの」


 そう言って焔は茶を飲み干すとカンッと音を立てて湯呑みを置く。


焔「ふぅ⋯⋯んでお前、俺が前に言った事覚えてるか?」


雪「前に言った事?」


焔「イレギュラーはイレギュラーらしく、大人しくした方が良いぜ。そう言ったろ?」


 ⋯⋯ああ、確かにそんな事を言っていたな。イレギュラー、というのは俺が転生者だという事を言っているのだろう。


雪「⋯⋯何故今その事を?」


焔「どうやら俺の忠告を頭に叩き込んでなかったみてぇだからな。もう一度忠告しに来た。あと⋯⋯あの吸血娘の場所に行くんだったな」


雪「吸血娘⋯⋯ああ、レミリアの事だな」


焔「そうそう。そのレミリアの所には行くな。というか、今後起きる全ての異変と関わるな」


雪「⋯⋯何故だ?」


焔「お前がイレギュラーだからって言ってるだろ?」


雪「そんな説明で納得出来るとでも? 俺が転生者だから何だと言うんだ?」


焔「そういう意味じゃ⋯⋯だぁ面倒くせぇ!」


 焔は頭をガリガリと掻くと俺を指差す。


焔「最後の忠告だ。さっき言った通り今後起きる異変全てに関わんな。絶対な」


雪「断る」


焔「⋯⋯そうかよ。忠告はしたからな」


 そう言った焔は少し面倒そうな表情を浮かべたかと思うと、どこからともなく扉を出現させてそこに消えていく。


雪「⋯⋯なんだったんだ」


 すると俺の体に淡い光が纏わり付き、段々と光が強くなる。そして俺の意識は光が強くなったと同時に、途絶えていった。

 はいどーも、作者の蛸夜鬼です! 漆章、完結いたしました! 次回からは捌章へと突入します!


 それと、漆章第十二話の内容に重複がありました。コメントで教えてくださった方、ありがとうございます。編集して直しておきました。


 今後、この様な事が起きない様に気を付けていきながら、次回は遂にあの異変が! どうぞ楽しみに待っていてください!


 それでは今回はこの辺で。また今度、お会いしましょう!

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