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東方 白狐伝  作者: 蛸夜鬼
弐章 諏訪大戦の巻
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第五話 諏訪大戦

雪「諏訪子、準備は良いか?」


諏訪子「う、うん⋯⋯緊張するけど、大丈夫!」


雪「良し⋯⋯稲穂、お前は神社で待っててくれ。流石に危ないからな」


稲穂「分かりました。無事を祈っています」


~白狐移動中~


神奈子「⋯⋯来たか」


 俺達が着いた時には既に神奈子と数人の兵士が待っていた。この兵士は大戦を見守り、公平な判断をしてもらう事を頼んでいる。天照と神奈子の紹介、そして俺も確認したから一応は信頼出来るだろう。


諏訪子「お前が今回勝負する相手⋯⋯八坂 神奈子だね?」


神奈子「ああ。お前が諏訪の神⋯⋯洩矢 諏訪子か」


雪「挨拶は済んだか? それでは早速だが構えてくれ」


 そう言うと二人は少し離れて構える。兵士は巻き込まれない様に適度な距離を取って見守っている。


雪「それではいくぞ?⋯⋯始め!」


 合図と共に二人は動き出す。諏訪子は巨大な鉄の輪を持ち、神奈子は御柱を浮かせた。


諏訪子「容赦はしないよ、神奈子!」


神奈子「それはこっちの台詞だ!」


 諏訪子は鉄の輪や土を盛り上げて攻撃し、神奈子は御柱や地面を抉る程の竜巻を飛ばしていた。


雪「神奈子は風を操るのか?」


兵士「いえ、建御名方様は『乾を操る程度の能力』です。簡単に言えば天候、特に風雨を操る事が出来ます」


 俺の呟きに近くにいた兵士が答えてくれる。天候を操る⋯⋯それは自然を味方にしているのと同じだろう。諏訪子は勝てるだろうか⋯⋯。


雪「⋯⋯?」


 暫く二人の戦いを観戦していると、遠くから邪気の混じった空気を感じ取った。俺は近くの兵士に適当な理由を言ってこの場を離れると、その不穏な空気の元へと向かった。


~白狐移動中~


 ふむ、この辺りの筈だが⋯⋯。


雪「っ! あれは⋯⋯」


 見付けたのは、前に大和を追い出された男神だった。前とは違い髪は荒れて目は窪み、肌色は悪く服装もボロボロ⋯⋯まるで貧乏神、疫病神を思い浮かべる様な格好だった。


 取り敢えず近くの茂みに隠れて様子を見ていると⋯⋯


男神「ふ、ふふふ⋯⋯俺をこんな目に合わせたアイツ等に制裁を⋯⋯ふふふ⋯⋯」


 男神は懐から大きな蛇の鱗を取り出す。その鱗を見た瞬間、ゾワリと背筋が凍り付いた。


 俺は即座に氷を創ると鱗へ向かって放つ。しかし急ぎ過ぎて狙いが定まらなかったのか、少し掠っただけで弾く事は出来なかった。


雪「しまった!」


男神「お、お前は⋯⋯俺をこんな目に合わせた狐!」


 クソッ、バレてしまった⋯⋯仕方ないので茂みから出ると、男神はニヤリと笑った。


男神「丁度良い。まずお前から殺してやろう」


雪「⋯⋯まさかそんな鱗で戦うつもりじゃないだろうな」


男神「ふふふ⋯⋯ただの鱗じゃない。これはあの八岐大蛇ヤマタノオロチの鱗だ。これを砕くと邪気が溢れ、俺に強大な力を与えてくれるのだ!」


雪「⋯⋯ベラベラと喋ってくれて助かった」


 思えばあの手紙の時も自白してたな。もしかしたら口が軽いのかもしれない。


 そんなどうでも良いことを考えていたら男神が鱗を砕いた。しまった、コイツの馬鹿らしさに気が逸れてしまった⋯⋯。


男神「お、おお⋯⋯グォオオオオ!!」


 男神を中心として、視認できる程のどす黒い邪気が溢れ出す。


雪「っ! ゲホッ、ゲホッ!」


 クソッ、少しだけ吸ってしまった⋯⋯少し離れておこう。これ以上吸ったら何が起こるか分かったもんじゃない。


 暫くすると男神が纏っていた邪気が四散する。そこには⋯⋯


男神「キュルルルル⋯⋯」


雪「おいおい、何だコイツは⋯⋯」


 まるで様々な蟲を繋ぎ合わせた様な異形な化け物が立っていた。しかも神力ではなく妖力を感じる⋯⋯神を捨てたか。しかし蛇の鱗から何故蟲になるんだろうか?


異形「キュル! キュルルルル!」


雪「おっと!」


 異形は蟷螂の様な鎌を振り下ろしてきた。チッ、やるしかないか⋯⋯。


雪「まあ、向こうでは諏訪子達が戦っている。ここを通す訳にもいかないからな⋯⋯ここで死んでもらおう」


 ポキポキと指を鳴らすと構え、異形は大きく不快な雄叫びを上げると突進してきた。


 そして、諏訪子達の戦いとは別の、もう一つの戦いが始まった。

 どーも、作者の蛸夜鬼です。


 さて早速ですが、昨日誤字報告をしてくださった方、誠にありがとうございます。『永林』じゃなくて『永琳』だったんですね。あと依姫の剣は『愛宕様』じゃなくて『祇園様』だったり⋯⋯。


 永琳は俺の嫁、という方がいましたら本当に申し訳ありませんでした。今後はしっかりと調べて書いていきたいと思います。


 他の皆さんも「ここ違うぞ」ってものがありましたらコメントでも誤字報告でも教えてくれたら嬉しいです。


 さて、今回はここまで。また今度お会いしましょう! それでは!

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