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東方 白狐伝  作者: 蛸夜鬼
拾参章 緋想天&地霊異変の巻
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第三話 楽園の素敵な巫女

霊夢「先手必勝! 反撃なんてさせないわよ!」


 そう叫ぶ霊夢は周囲に浮かべていた弾幕を次々と放ってくる。しかも放った側からどんどん補充しており、まさしく息も吐かせぬ怒濤の攻撃だ。


 俺は地面を蹴り、走って弾幕を避ける。たまに俺の進行方向を読んで偏差撃ちしてくる弾幕は、氷壁を作り出しそれを盾にして防いでいく。


雪「流石の弾幕量だ! だがそれでは息切れが先だぞ!」


霊夢「そんなの分かってるわよ! 考えなしに撃ってるとでも!?」


 そんな会話をしながらも弾幕を避けていると、突然としてガクンと足が硬直する。見てみればいつの間にか地面に張られていた陣から飛び出した札がまるで鎖のように俺の足に貼り付いていた。


雪「これは⋯⋯!」


霊夢「掛かった!」


 弾幕を撃つ傍ら、地面に封魔陣のようなものを仕込んでいたのか。大量の弾幕はそれに気付かせないための目眩ましと、陣へ誘導する目的だったのだろう。何にせよ、俺は見事に引っ掛かってしまったわけだ。


霊夢「霊符『夢想妙珠』!」


 その隙を見逃さないとばかりに、霊夢はスペルカードを放った。五つの霊力弾が、動けない俺へと迫ってくる。


雪「チッ!」


 霊夢の姿を見失うが仕方ない! 分厚い氷壁を作り出し、目の前に迫る霊力弾から身を守る。衝撃で砂埃が舞い上がり、氷壁も相まって視界が悪くなってしまう。


 スペルカードを防ぎ切った俺は、すぐさま陣へと霊力弾を放ち破壊して足を縛る札を消す。そして霊夢がいた場所へと目を伏せる向けるが、当たり前だが既に姿は無かった。くそっ、どこに⋯⋯。


霊夢「神技『天覇風神脚』!」


雪「っ! ぐおっ⋯⋯!?」


 後ろか! 咄嗟に振り向いた瞬間、顎に強烈な衝撃が走り頭が体ごと仰け反った。何だ⋯⋯揺れる視界の中、何とか捉えたのはまるでバク転でもしたかのような霊夢の姿だった。まさかサマーソルトを食らったのか?


 そんな事を考えている暇もなく、立て続けに三発のサマーソルトを食らい更に体が浮かされ、五発目で腹に強烈な蹴り上げを食らわされる。


雪「ぐはっ⋯⋯!」


 全く手加減をされていない蹴りをもろに食らった俺は、腹を押さえながらその場に跪く。いや、本当に⋯⋯人外の身と言えど腹に蹴りは⋯⋯酷いんじゃないだろうか⋯⋯。


霊夢「さあ、まだ立つのかしら?」


雪「れ、霊夢⋯⋯」


 痛む腹を押さえながら、膝をついたまま顔を上げられずに霊夢に声を掛ける。うっ⋯⋯最初の一撃で口の中まで切っているな⋯⋯寧ろ顎に容赦ない蹴りを食らったのに口の中を切るだけで済んだと思うべきか⋯⋯。


霊夢「何?」


雪「その⋯⋯天覇風神脚と、言ったか⋯⋯」


霊夢「ああ、それね。サマーソルトを四回当てて最後に勢い良く蹴り上げる、先代巫女直伝の技よ。それがどうかした?」


 なんてものを伝えているんだ⋯⋯恨むぞ、先代巫女⋯⋯いやしかし、それよりも─────。


雪「─────それは、弾幕じゃないだろ⋯⋯」


 そこまで言って限界が来た俺は、ジクジクと痛む腹を押さえながらその場に蹲った⋯⋯結局、この弾幕ごっこは霊夢の完全勝利として決着が付いたのだった。


 ちなみにここまで完封されたのは、俺にやられっぱなしなのを悔しく思っていた霊夢が何日も考えていた作戦だったかららしい。


 後に紫から聞いた話だが、俺を完封するためにあの努力嫌いである霊夢が少し練習までしていたそうだ。霊夢が負けず嫌いなのは知っていたが、天才が努力するとここまでなるとはな⋯⋯全く末恐ろしい⋯⋯。

 はいどーも、作者の蛸夜鬼です。ここ数週間投稿出来ず申し訳ありませんでした⋯⋯。


 さて、今回は如何でしたでしょうか? この話のデータが飛ぶ前は、本当は緊迫した戦いを書いてたんですけどね⋯⋯霊夢が相手なのと、多分弾幕ごっこって事で雪も少し気が抜けてると思うのでこういった話も良いかなと。


 いやしかし東方は好きですが、シューティングゲームが苦手なのも相まって原作はやったことがないのでスペルカードの表現が中々難しいですね⋯⋯動画とか見れば良いんですが時間の確保も難しく⋯⋯ちょっと考えどころですねこれは。


 さて、それでは今回はこの辺で。また今度、お会いしましょう!

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